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    渋滞で車線を変え続ける車は、本当に早く着くのか?【1,000回シミュレーション】

    渋滞のとき、隣の車線だけ進んで見えることがあります。
    そこで車線を変え続けたら、本当に早く着くのでしょうか。

    パソコンの中に10キロの高速道路を作って、1台の車を1,000回走らせて確かめました。
    まったく同じ道路を2回走らせ、「車線を変える」「変えない」だけを比べています。

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    ■ 目次
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    00:00 隣の車線が動き出したら
    00:35 これがあなたの車です
    01:23 まず、普通に走ってみる
    02:18 1台だけ、車線を変える
    03:40 後ろで何が起きていたか
    04:35 ただし、損をすることもある
    05:52 何回変えると損をするのか
    07:20 混み具合を変えてみる
    08:13 みんなが同じことをしたら
    09:43 結論とご注意

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    ■ 今回の条件でわかったこと
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    ① 車線変更は、平均すれば得。ただし10キロ走って、短縮できたのは20秒から40秒ほど
    ② 20回に1回ほどは、逆に遅くなる。危ないのは2回目
    ③ 得した時間の裏で、後ろに小さな遅れが残る

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    ■ 実験の条件(前提)
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    【道路】
    ・まっすぐな片側2車線・全長10,000m
    ・信号・合流・出口・料金所はありません
    ・カーブも坂もありません

    【車の数】
    ・1車線あたり1時間に 600台/1,200台/1,500台 の3通り
    ・1回の試行で走る車の数は、およそ 600台/1,200台/1,500台

    【車の動き】
    ・前の車との距離を見て加速・減速するモデル(IDM)にもとづく計算
    ・速度の好みは1台ずつ違う(時速100kmを基準に、標準偏差 時速15km)
    ・車体の長さ5m/最小車間2m/希望車頭時間1.5秒/最大加速度 1.0 m/s²/快適減速度 2.0 m/s²

    【車線変更のルール(追いかける1台だけが持つ)】
    ・隣の車線のほうが時速10km以上速ければ移る
    ・判断は1秒ごと。移った直後の3秒は続けて移らない
    ・隣の車線の速さを見る距離は250mまで
    ・後ろの車に強いる減速にも上限を設けています

    【比べ方】
    ・乱数(車の発生パターン)を固定し、まったく同じ道路を2回走らせます
    ・違うのは、追いかける1台が車線変更をするかどうかだけ
    ・その2回の到着時刻の差が、車線変更で得た(失った)時間です

    【走らせた回数】
    ・1台だけが車線を変える実験:交通量ごとに各1,000回
    ・みんなが車線を変える実験:条件ごとに各100回

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    ■ 結果の数値
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    【10キロ走って短縮できた時間(各1,000回の平均)】
    ・すいている(600台/時/車線)   +42.62秒(95%信頼区間 +39.04〜+46.20)
    ・そこそこ混む(1,200台/時/車線) +32.04秒(95%信頼区間 +28.44〜+35.63)
    ・もっと混む(1,500台/時/車線)  +21.77秒(95%信頼区間 +18.61〜+24.93)

    そこそこ混んだ道路を、車線を変えずに10キロ走ると平均553.7秒(9.2分)。
    32.04秒は、その5.8%にあたります。

    【逆に遅くなった割合(各1,000回)】
    ・すいている  5.0%(50回) いちばん大きな損 −70.51秒
    ・そこそこ混む 6.5%(65回) いちばん大きな損 −90.84秒
    ・もっと混む  3.3%(33回) いちばん大きな損 −128.72秒

    この6.5%は、30回まわした時点では0件でした。1,000回まわして初めて見えた数字です。

    【そもそも車線を変える場面があった回数(各1,000回)】
    ・すいている 735回/そこそこ混む 562回/もっと混む 343回
    混んでいるほど、隣が空く瞬間が来ません。

    【変えた回数と、損をする確率(そこそこ混む・1,000回)】
    ・1回変えた 359台のうち33台が遅くなった(9.2%) 平均 +39.56秒
    ・2回変えた 162台のうち32台が遅くなった(19.8%)平均 +79.09秒
    ・3回変えた  37台のうち 0台(0.0%)       平均 +111.27秒
    ・4回以上は4台しかないため、割合は出していません

    2回目に損が集中する理由は、今回の分析では特定できていません。
    「行って戻る」形かどうかでは説明がつきませんでした(車線が2本なので、
    2回変えると行って戻る形にしかなりません)。
    2回変えて損をした車は、隣の車線にいた距離が長い傾向がありました
    (すぐ戻った側 12.3% / 長くいた側 27.2%・各81台)。

    【後ろの車が受けた遅れ(すぐ後ろの1台。1,000回)】
    ・平均0.55秒(車線を変えた562回に限れば0.99秒)/中央値0.115秒
    ・ただし3割の走りでは1秒を超え、最大は63.16秒
    ・車線を変えた562回のうち72回(12.8%)では、後ろの車が失った時間が
     その車の得を上回っていました

    【みんなが車線を変えたら(そこそこ混む・各100回)】
    ・道路全体の平均速度:0% 65.1km/h → 10% 66.2 → 50% 69.6 → 100% 71.6km/h
    ・それでも、100回のうち100回、誰かが遅くなっていました
    ・遅くなった車の6割から7割は、自分では一度も車線を変えていない車です

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    ■ この結果が言える範囲(ご注意)
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    ・これは、上に書いた条件でのシミュレーションの結果です。
     実際の道路網にそのまま当てはまるとは限りません。
    ・実際の道路には、合流も、事故も、料金所も、カーブもあります。
     この結果を、そのまま現実の運転の判断に使えるものではありません。
    ・このモデルでは、道路の平均速度が時速53km前後より遅くなりません。
     日本の「渋滞」の定義(時速40km以下)には届いていないので、
     動画の中でも、シミュレーションの状態を「渋滞」とは呼んでいません。
    ・1車線がさばける台数は約1,500〜1,600台/時でした(現実の目安は約2,000台/時)。
     本モデルは現実よりやや低めです。
    ・安全運転を推奨するものでも、特定の運転方法をすすめるものでもありません。

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    ■ 参考にしたモデル
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    ・Intelligent Driver Model(IDM)
     Treiber, M., Hennecke, A., & Helbing, D. (2000).
     ”Congested traffic states in empirical observations and microscopic simulations.”
     Physical Review E, 62(2), 1805–1824.

    シミュレーションのプログラム・図表・映像は、すべて本プロジェクトで作成しています。

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    ■ 音楽・素材
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    BGM(YouTube オーディオ ライブラリ)
    ・Floating Lanterns – The Mini Vandals
    ・Pulsar – The Grey Room / Density & Time
    ・Turn In The Sun – Simon Herody

    実写素材:動画AC

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    もしもの実験室では、「世界の条件を変えたら何が起きるのか」を
    パソコンの中のシミュレーションで確かめていきます。
    チャンネル登録していただけると、次の実験報告が届きます。

    #シミュレーション #渋滞 #車線変更 #交通 #検証

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