イギリスのコンサルタント企業ICO PartnersのCEO、Thomas Bidaux氏は8月31日にBlueskyにて、Steamの週間リリース数が720本の最高記録であったと投稿した。一方で10件以上のレビューを得たゲームは約26%に留まるという。
世界最大級のゲーム販売プラットフォームSteamでは、日々大量のゲームがリリースされている。その数は年々増加しており、2025年は2万1318本がリリースされた。執筆時点では2026年についても既に1万7500本以上がリリースされ、昨年を上回りそうなペースでゲームが登場している(SteamDB)。
Bidaux氏は定期的にSteamのリリース数を監視しているようで、8月31日に前週のリリース数統計を公開。1週間で720本がリリースされたとのこと。これは1週間に出た作品数としては過去最高の記録で、これまでの最高記録は7月最終週の記録670本。同氏の予想よりも1か月早く700本を突破したとのことだ。
一方で、Steam上で「好評」などのレビューステータスが表示される基準値となる10件以上のレビューを獲得した作品は190本と全体の約26%にとどまり、50件以上はさらに半減する95本、100件以上は62本、1000件以上は10本であることが伝えられている。多くの開発者がゲームをリリースするも、その大半は十分な数のSteamユーザーレビューを集められていない状況がうかがえる。 ちなみに週間720本という数字は14分に1本新作が登場するというペースになる。
なお、これはBidaux氏による独自の集計であり、集計方法によってリリース数には差がある点には留意したい。たとえばSteamDBでは、集計期間と推測される8月24日から30日までにリリースされたゲームを、アダルト作品を除いて765本と集計している。
ところで、Steamでは「商業的にある程度の成功を収めたゲーム」に対して、「プロフィール機能」を解放するとされている(SteamWorks)。年間を通した分析では、2024年にこのプロフィール機能が解放されていないゲームは80%にのぼり、多くのゲームが「あまり遊ばれていない」可能性があるという報告があった(関連記事)。また、2025年にリリースされたゲームについて1000件以上のレビューを獲得した作品は全体のわずか約3%であるというアナリスト分析も存在(関連記事)。新作が十分な商業的成功を収めるハードルの高さを示す数字だ。
一方で、Steam運営元のValveからは3月に10万ドル(約1600万円)の売上を上げたタイトルの本数は2020年から右肩上がりであるというデータも示されている(関連記事)。またBidaux氏の分析では、720本のうちおよそ4分の3の作品が十分なレビューを獲得できていないものの、1週間足らずで1000件以上のレビューを獲得した作品も10本存在することが明らかにされた。新作のリリース数は日々増加傾向にあり、プレイヤーからの注目を集めるための競争が激化しているとはいえ、一定以上の売上を獲得するヒット作は増えている模様。Steam市場そのものの成長にともなって、ゲーム開発者を取り巻く構図がどのように変化するかは注目される。
