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    土葬希望、きっかけは「野糞」

    信原さんは2年ほど前、人間の排せつ物を最も簡単な方法で土に還す「野糞」を実践している人と、研究調査の一環で話す機会があった。「野糞」自体が強烈なインパクトだったが、虚心坦懐に彼から話を聞くうちに興味をそそられたという。

    「自然からいただいた命を自然に返すという循環の考えに、強く共感したんです。遺体も循環させるんだ、と。その時からです、死んだら土葬にしてほしいと思うようになったのは」

    ただ、自らの土葬希望を周りには詳しく話していない。

    「強く希望すると、今の日本では社会的な混乱を招くリスクがあります。一人ひとりが選択肢を少しずつ広げていく形で、土葬が自然に受け入れられる社会に、ゆっくり進むのが適切ではないかと思います」

    「『私も土に還りたい』という声も聞きました。前向きに考える人たちが多かった印象です」

    世界では火葬以外に関心 日本でも変化の兆し?

    ただ、微妙な変化の様子も見える。

    東京大学大学院人文社会系研究科の堀江宗正教授による死生観調査では、「地中への土葬を希望する」との項目に対し、「ややそう思う」「とてもそう思う」と答えた人は、2019年の14.2%から2024年には20.4%に増えた。2024年の調査対象1047人のうち、イスラム教の信奉者は0.2%に過ぎず、土葬志向はイスラム教徒だけでは説明できない。散骨や樹木葬、共同納骨などへの支持も広がっており、背景には宗教だけでなく、「家墓」の衰退、墓の継承負担、葬送の個人化という社会の変化があるとみられるという。

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