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    (ブルームバーグ):企業の好業績を背景に日本株の上昇相場に広がりが出てきた。キオクシアホールディングスなど株高をけん引してきたAI関連銘柄が失速する中、多様な業種の出遅れ銘柄が再評価され、相場全体の底堅さにつながっている。

    東証株価指数(TOPIX)が3.8%上昇した8月は、構成銘柄の約75%が上昇。米S&P500種株価指数の51%やストックス欧州600指数の61%を上回った。日本株は7月も欧米に比べて値上がり銘柄の割合が高かった。


    株価を表示するスクリーン

    4-6月期はAI関連株の大幅高でTOPIXが14%高と急上昇したにもかかわらず、値上がりした銘柄は半数をわずかに上回る程度だった。ここにきて物色対象が広がったことで、日本株は少数のAI関連銘柄に左右されにくい相場へと変わりつつある。

    SMBC日興証券の伊藤桂一チーフクオンツアナリストは、「以前は半導体株のパフォーマンスが良すぎたために、それ以外のセクターはファンダメンタルズが良くても顧みられなかった」と指摘。半導体関連以外のファンダメンタルズを評価する動きが出ているのなら「望ましい変化だ」と話す。


    背景にあるのが日本企業の好調な業績だ。日本株ロングショート戦略のヘッジファンド、RFMの西村光彦最高経営責任者(CEO)は、時系列データを見ると、インフレと企業の営業利益率がシンクロ(同期)しているとして、値上げにより日本企業の利益が増大しているとの見方を示す。

    「中東情勢でインフレ不安が強まる中、それを逆手に取って業績を出した格好だ」と西村氏は分析。過去を振り返ると、本来繁忙期ではない4-6月期決算が良かった企業は7-9月期も好業績が続く傾向があるといい、「それを先取りする形で投資資金が流入している」とみている。

    AI向け設備投資の堅調が続けば関連株が再び上昇基調に入り、相場をけん引する可能性はある。しかし、現時点で特に値上がりが顕著なのはこれまで出遅れてきた銘柄だ。ブルームバーグのデータによると、過去1年間のパフォーマンスが下位20%の銘柄は7月以降、今月2日までに12%上昇。逆にパフォーマンス上位の銘柄は同じ期間に4%下落している。


    株価が回復しているのは、AIが事業に脅威をもたらすとの思惑で売られていたリクルートホールディングスなどのソフトウエア関連銘柄や、ホンダを含む自動車株、キッコーマンや山崎製パンといった食品関連銘柄、NTTに代表されるディフェンシブ銘柄などさまざま。一方、4-6月期に急騰したキオクシアHDや太陽誘電などは5割前後下げている。

    エントーチ・キャピタル・パートナーズの永田芳樹最高投資責任者(CIO)は、AI関連株への資金の集中が逆転し、下振れしていた銘柄に「資金が戻っているため需給が良い」と指摘する。「キオクシアHD株が暴落しても他が付いてくる」という安心感があるとして、市場心理は4-6月期よりも強いと話した。

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