ちょっと昔のInnovative Tech
公開
2026年09月04日 12時00分
著者

山下(Seamless)
[ITmedia]
ちょっと昔のInnovative Tech:

2019年の開始以来、多様な最新論文を取り上げている連載「Innovative Tech」。ここではその番外編として“ちょっと昔”に発表された世界中の個性的な研究論文を独自視点で厳選、解説する。執筆は研究論文メディア「Seamless」(シームレス)を主宰し、日課として数多くの論文に目を通す山下氏が担当。イラストや漫画は、同メディア所属のアーティスト・おね氏が手掛けている。X:@shiropen2
韓国のソウル大学校などに所属する研究者らが2022年に発表した論文「Consumption of 85% cocoa dark chocolate improves mood in association with gut microbial changes in healthy adults: a randomized controlled trial」は、カカオ含有量85%のダークチョコレートを毎日食べ続けるとどうなるかを検証した研究報告だ。

カカオ85%のチョコレートのイラスト(絵:おね )
実験では、20~30歳の健康な男女48人を、「カカオ85%のチョコレートを食べるグループ」「70%を食べるグループ」「食べないグループ」の3つに分けた。
チョコレートを食べるグループは、1日3回、10gずつ(合計30g)を3週間にわたって毎日摂取した。最初と3週間後、心理テストで気分の状態を測り、便のサンプルから腸内細菌の変化を調べた。
その結果、カカオ85%のチョコレートを食べたグループでのみ、ネガティブな感情が減少した。なおポジティブ感情には有意な変化がなかった。
一方で、カカオ70%のグループでは、カカオに含まれるポリフェノールなどの成分量が85%に比べて約4割少なかったためか、有意な低下は確認されなかった。
気分が改善したカカオ85%のグループの腸内を詳しく調べると、腸内細菌の種類が増えていた。特に「Blautia obeum」という種類の細菌が増えていた。この細菌は、抗うつ効果をもたらす酪酸を作り出す性質を持っている。
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Innovative Tech
2019年にスタートした本連載「Innovative Tech」は、世界中の幅広い分野から最先端の研究論文を独自視点で厳選、解説している。執筆は研究論文メディア「Seamless」(シームレス)を主宰し、日課として数多くの論文に目を通す山下氏が担当。イラストや漫画は、同メディア所属のアーティスト・おね氏が手掛けている。
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