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    2010年公開の映画『踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ!』

    映画『踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ!』は、2010年7月に公開された劇場版「踊る大捜査線」のナンバリングタイトル第3弾。当時の実写邦画史上最大のヒットを生み出した前作『踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』(2003) から7年後に公開された作品だ。

    もっとも、その間には「THE ODORU LEGEND CONTINUES」として4本の長編がスピンオフ映画とスペシャルドラマとして公開されている。2005年5月公開の『交渉人 真下正義』、2015年12月放送の『逃亡者 木島丈一郎』、2005年8月公開の『容疑者 室井慎次』、2006年10月放送の『弁護士 灰島秀樹』だ。青島俊作が登場しない中で、「踊る」キャラクターたちが深掘りされていく展開を見せた。

    そして、満を持して公開された映画『踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ!』。今回は、本作をネタバレありで解説し、感想を記していこう。以下の内容は『室井慎次 生き続ける者』(2024) までの「踊る大捜査線」全シリーズのネタバレを含むのでご注意を。

    ネタバレ注意
    以下の内容は、映画『踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ!』および、『室井慎次 生き続ける者』までの「踊る大捜査線」全シリーズの内容に関するネタバレを含みます。

    『踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ!』ネタバレ解説&考察
    懐かしの面々と青島の新たな挑戦

    映画『踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ!』の舞台は2010年3月28日から31日までの4日間。前作『THE MOVIE 2』から7年後、室井慎次が逮捕されて潔白を証明した『容疑者 室井慎次』の5年後、『弁護士 灰島秀樹』の4年後に当たる。42歳になった青島は、ついに刑事課強行犯係の係長になっているが、任されている仕事は新しい湾岸署への引越しを取り仕切ることだ。

    7年が経過し、湾岸署の顔ぶれにも変化が起きている。魚住二郎は刑務課の課長になり、内田有紀演じる篠原夏美がついに強行犯係にやってきた。篠原はスペシャルドラマ『踊る大捜査線番外編 湾岸署婦警物語 初夏の交通安全スペシャル』(1998) の主人公になった捜査員で、同作では「女青島」と呼ばれており、『THE MOVIE 3』では青島とともにジャックされたバスに突入する姿も見せている。

    緒方薫演じる甲本雅裕も盗犯係から強行犯係へ。甲本はこの後、映画『室井慎次 敗れざる者』(2024) では警視庁捜査一課の所属となっており、2026年9月18日公開の最新作『踊る大捜査線 N.E.W. メトロポリスを駆け抜けろ!』にも登場する。

    恩田すみれは相変わらず盗犯係にいるが、前作から7年経ったこともあり、本作の青島&すみれは今までになく大人な雰囲気をまとっている。すみれは39歳。元気そうに振る舞っているが、前作で左胸を撃たれた後遺症は、これからの作品ですみれに重くのしかかっていくことになる。

    また、新キャラとして川野直輝演じる栗山孝治、滝藤賢一演じる中国から研修でやってきている王明才が登場。二人は最新作『N.E.W.』にも登場することが告知されている。なお、本作には柏木雪乃が登場しないが、映画『容疑者 室井慎次』では真下正義と結婚式を挙げることが明かされており、本作では雪乃は産休中ということになっている。

    そして、伊藤淳史演じる、和久さんの甥っ子・和久伸次郎も強行犯係へ配属される。和久さんを演じてきたいかりや長介は2004年に逝去。2005年公開の『容疑者 室井慎次』 の時点では和久さんは生きていることになっており、逮捕された室井に激励のメッセージを送っていたが、本作では和久さんも亡くなったことになっている。

    なお、和久伸次郎は室井が青島のもとで働けと口利きをして湾岸署にやってきたという。警察庁長官官房審議官は、『室井慎次 敗れざる者』の時点で沖田仁美が就いているポストで、新城は「人事は意のまま」と語っていた。室井は『容疑者 室井慎次』で広島県警に異動になったが、本作ではカムバックを果たしているどころか、もはや捜査本部にも参加しないポストになっている。

    『THE MOVIE 3』の注目ポイントの一つは、かつては脱サラした新人刑事というポジションだった青島が、これらの面々をどのように率いるのかという点だ。つまり、青島は「偉くなること」を室井慎次に託してきたが、ちょっとだけ偉くなった青島は、自分が「上」の立場になったとき、どんな上司になるのかという問いが投げかけられる。そんな中で、青島は和久さんが残した和久ノートの言葉とともに今回の事件に挑むことになる。

    3つの拳銃と鳥飼&小池

    湾岸署の引越しが進む中で、署から3つの拳銃が盗まれてしまう。犯人グループによる囮のバスジャック事件で、医療用メスが凶器に使われていたことから、『踊る大捜査線 THE MOVIE 湾岸署史上最悪の3日間!』(1998) で同じ凶器を使っていた日向真奈美の関与が示されている。

    そして、盗まれた拳銃が添えられた変死体が発見されたことで、湾岸署に捜査本部が設置される。本部長は『容疑者 室井慎次』で室井と対立した一倉正和だ。一倉は自身が支持した安住副総監が長官を目指す出世レースに敗れたため、自身もまだこのポジションにとどまっているものと見られる。

    一方、『交渉人 真下正義』で警視庁捜査一課の交渉課準備室課長だった真下は交渉課を外れたらしく、湾岸署をうろついている。後にすみれに聞かれ、ドラマ監修で交渉の手の内を全て明かしてしまい上に怒られたと話している。

    そして、捜査本部には小栗旬演じる鳥飼誠一が初登場。スペシャルドラマ『踊る大捜査線 THE LAST TV サラリーマン刑事と最後の難事件』(2012)、映画『踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望』(2012) と合わせて、『THE MOVIE 3』からの三作は鳥飼三部作と呼べる作品群でもある。

    本庁と所轄の調整役となるサーバントリーダーとして登場した鳥飼。青島はドラマシリーズでの室井相手以来の運転手を務めるが、鳥飼は自身の仕事を、本庁と所轄が揉めることを前提とした役職だと説明する。さらに鳥飼は、所轄を信じる室井はロマンを追いかけているようで利口とは思えないと吐き捨てる。明らかに室井の正義とは一線を引いた価値観を持つ人物なのだ。

    また、前作にも登場した小泉孝太郎演じる小池茂は、真下の後の交渉課課長になっている。真下に対して笑顔ではあるが、「どうしてここに? 元課長」と棘のある言い方をしている。本作の小池は鳥飼とともに犯人との交渉に臨むのだが、この展開は『THE FINAL』を観た後だと少し違って見えてくる。

    『THE FINAL』では、『真下正義』の2年後で『THE MOVIE 3』の4年前にあたる2006年に北品川少女誘拐殺人事件の存在が明かされた。鳥飼の姪が誘拐された事件で、交渉課を率いていた真下は上からの指示に従い犯人との交渉を打ち切り、鳥飼の姪は死ぬこととなった。この事件で小池は上司だった真下を憎むようになっており、表には出していないが鳥飼との絆を強めていたものと思われる。

    8人の“ヤツら”

    拳銃を盗んだ犯人グループからの要求は、「ヤツら」8人の犯罪者の解放だった。本作のタイトルにも入っている「ヤツら」とは、ドラマシリーズを含むエピソードで青島が関わった8人の逮捕者のことだ。

    ドラマシリーズからは、柏木雪乃の父を殺した田中文夫(出所済)、すみれのストーカーだった野口達夫、スペシャルドラマから古田新太演じる現金輸送車強奪犯(出所済)、強盗殺人犯の鏡恭一、放火殺人未遂犯の柏田郁夫(出所済)、『THE MOVIE』の副総監誘拐犯の坂下始、『THE MOVIE 2』の噛みつき魔の増田喜一、そして『THE MOVIE』の殺人犯・日向真奈美が顔を並べる。

    今回の犯人グループは、「優れた犯罪者は優れた警察官と出会う」というセオリーをもとに青島が逮捕したものたちの釈放を求めている。つまり、青島は今や犯罪者にも名の知れた名刑事の一人になっているのだ。

    一方で青島は、健康診断の結果、レントゲンに15ミリほどの影が見つかり、どんどんともう長く生きられないのでは、という思い込みに囚われていく。青島とすみれは、死を意識した時に互いに伝えられていないことがあるのではないかと考えるようになる。今回の件をきっかけに、二人の距離はまたぐっと縮まるのだ(7年間も何をしていたんだという感じではあるが)。

    青島は、すみれからの「生きてるうちは青島くんらしく生きなさいよ」という言葉、和久が残した「死ぬ気になれ、その時だけ生きられる」という言葉によって、再び前を向く。和久さんがつけていた指導員の腕章、「踊る」のテーマ、見つかったコート、そして青島のダッシュ。いよいよ捜査が動き出すというワクワク感が演出されている。

    パソコンに強い青島の機転もあり、医療刑務所に出入りしていたソーシャルワーカーの須川圭一が日向真奈美と深い仲にあることが発覚。無期懲役にもかかわらず、書類を偽装して日向真奈美を外出までさせていたことも明らかになる。なお、映画『室井慎次 敗れざる者』では、日向真奈美の娘である杏が登場。日向真奈美が獄中で出産していたことが明かされたが、その相手は須川圭一と見られている。

    『踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ!』ラストをネタバレ解説&考察
    日向 vs 室井

    映画『踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ!』のラストでは、犯人グループによって新湾岸署が封鎖。外部からの攻撃を防ぐための最新のセキュリティによって、すみれをはじめとする警察官たちは署内に閉じ込められてしまう。

    囚人を釈放しなければ建物の中にガスを撒くという須川たち。本庁で釈放を迫られる室井は、池神長官からの「総選挙も近い」という言葉に反発するが、池神は「最終的には政府与党の判断だ」「この部屋に正義はないよ。あるのはそれぞれの立場と都合だけだ」という名言で室井を黙らせるのだった。ちなみにフジテレビ映画にしては珍しく与党批判ともとれる展開だが、『THE MOVIE 3』が公開された時の政権与党は民主党だった。

    一方、青島と鳥飼は木島とともに須川の部屋に突入。そこには日向真奈美を象徴するクマのぬいぐるみや、日向真奈美からの手紙の束があったが、鳥飼は仕掛けられた罠にハマり、爆弾で左目を負傷してしまう。そしてこの経験は、鳥飼がより犯罪者を憎むようになる要因になる。

    鳥飼はすぐに復帰し、室井に囚人を釈放した上でSATに射殺させるという方法を提案。上に立つ者は、素早い判断力に長けているか、残酷な心を持っていないとやれないという自身の権力像を提示する。顔半分を負傷したこの時の鳥飼は、まるで「バットマン」のトゥーフェイスのよう。正義と悪の二面を抱える怪物になってしまったのだ。

    釈放を要求された8人のうち、出所していなかったのは4人で、鏡恭一はキリスト教に入信して釈放を拒否、野口達夫は精神を病んで話が理解できず、増田喜一と日向真奈美が釈放されることになる。なお、ここで立て続けに鏡恭一役の稲垣吾郎、野口達夫役の伊集院光、増田喜一役の岡村隆史が登場している。

    そして、『THE MOVIE 3』終盤のハイライトの一つが、日向vs室井である。「仲間が迎えに来るのか、逃げられるとは思わないが」「釈放を拒否することもできる」と語りかける室井は、実際には日向真奈美をSATの狙撃から助けようとしていると思われる。

    それでも、2024年公開の「室井慎次」二部作では、日向真奈美は警察を退職した室井慎次を刑務所内から苦しめることになる。その理由は「幸せそうだったから」だと見られており、『THE MOVIE 3』でのわずかな接点から室井は標的にされてしまったのだ。

    日向真奈美の本当の狙い

    日向真奈美は羽田空港から中東への逃亡を要求。室井は鳥飼を通して、日向真奈美の護送を青島に担当させる。青島ならば日向真奈美を殺させないという信頼があったのだろう。渋る鳥飼に「官房審議官としての命令だ」と、正しい権力の使い方をする室井さん。「青島、お前に託す」という名言も飛び出すハイライトとなっている。

    青島は、青島の死が近いと思っているすみれの涙ながらの「死んじゃいや」という言葉を受けながら、日向真奈美の護衛に向かう。青島は、相変わらず所轄を見下している一倉に「俺に部下はいない、いるのは仲間だけだ」と返すが、これが人の上に立った青島の答え。つまり青島は、部下に指示を出すボスではなく、仲間とともに戦うリーダーなのだ。

    またも日向真奈美と対峙した青島は、日向真奈美が須川圭一を洗脳していたことを知る。須川はただの操り人形で、今回の事件の主犯は、青島に捕まってから11年もの間脱獄を考えていた日向真奈美だったのだ。

    ここで日向真奈美は、須川圭一にやったこととして、カウンセリングのたびに微笑み、涙して愛の手紙を書き、週末を共にしたという内容とともに、「オムライスを作ってやった」ことも明かしている。『室井慎次 敗れざる者』では、日向真奈美の娘の杏が室井たちにオムライスを作る場面がある。

    栗山はネットカフェにいた犯人グループを掲示板で挑発し、反論させることでIPアドレスをゲット。篠原が湾岸署で聞いた音に気づいて犯人グループを特定、王さんが犯人グループを制圧するというチームプレイを新生チームが披露する。

    時間が間に合わず、増田喜一の釈放は中止されたことで、いよいよ青島と日向真奈美に絞られる。一方、湾岸署のセキュリティ解除には捕まえていたクラッカーを投入。鳥飼が一流企業への就職を成功報酬として約束すると、電源を切ってセキュリティ解除に成功。実際にこのクラッカーは『THE LAST TV』でV-CUBE社に就職して再登場している。

    だが、新湾岸署の人質は囮でしかなかった。日向真奈美の本当の狙いは、『THE MOVIE』で青島に阻止された、“湾岸署での死”を実現することだった。明日から湾岸署は移転となるため、ここで死ぬには今日しかないというのが日向真奈美の考えだったのである。

    日向真奈美はただ死にたいわけではない。旧湾岸署には爆弾が仕掛けられており、信者が見守る中で爆発とともに死ぬことで、社会が破壊と死に向かって動き出すことを求めていた。だが青島は、和久さんにとってもそうだったように、被疑者を逮捕するのが自分たちの誇りだと考え、日向真奈美を助け出そうとするのだった。

    一方の鳥飼は、「死にたい奴は死ねばいい」と漏らす。これは図らずも日向真奈美と同じ思想である。日向真奈美はこの直前に青島に自分の死が死にたい人間の背中を押すという旨の発言をしている。

    ラストの意味は?

    爆発の中、青島は日向真奈美を連れ出すと、信者たちの前で日向真奈美を逮捕。刑事に助けられた上で逮捕された教祖の姿を突きつけた格好だ。一方で日向真奈美は「圭一はまだいるぞ、至るところに」と発言。この発言は、「室井慎次」二部作でレインボーブリッジ事件の犯人をコントロールする展開へと繋がっていく。

    須川圭一が逮捕される際に、青島は「君、どこかで?」と声をかける。森廉が演じた須川圭一は、テレビシリーズ第1話で万引きしようとして湾岸署に連れてこられていた少年である。須川は更生してソーシャルワーカーになったものの、そこで日向真奈美と出会って洗脳されてしまったのだった。

    新湾岸署のオープンを迎えた翌日、鳥飼は青島に、「殺すべきだった」「悪党は即刻処刑」と、極端なことを言ってのける。けれど確かに、日向真奈美はこの後も室井慎次を苦しめることになる。最後に怪我をした顔の左側がカメラに向けられる演出が印象的だ。

    そして青島はラストで室井と再会。今回の二人は、シリーズ史上最も離れた場所で共闘していた。偉くなっていっている室井は、「もう捜査はしない、私がすべきことは政治だ」と青島に返す。青島も仲間を率いるようになり、室井も次のステージへと進んでいるのだ。

    最後に青島が「室井さん、楽しいですか?」と聞くと、室井は車の窓を閉めてから「へっちゃまげな」と返答する。毎回恒例の室井の秋田弁で、「大きなお世話だ」という意味だ。

    一方、真下正義は湾岸署の新しい署長に就任したことが明らかになる。雪乃との間に二人目の子どもが生まれたことも明かしている。署長になった真下とその子どもについては、『THE FINAL』で再び焦点が当てられることになる。

    『THE MOVIE 3』のラストを飾るのは、青島×すみれだ。すみれは「青島くんのために流した涙、返して」と詰め寄ると、青島は「どうやって?」と言い、目から目に返すような仕草を見せる。するとすみれはテンパって「もういい」と返し、謝ってもらう代わりに今夜奢ってもらうと返すが、そこには青島の姿はなかった。青島は青空の下で生きている実感を噛み締めて、『踊る大捜査線 THE MOVIE 3』は幕を閉じる。

    『踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ!』ネタバレ感想&考察
    新たなヴィランの登場

    映画『踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ!』は、前作から7年が経過して新しい立場に立つ青島の姿が中心に描かれた。少し物足りなさを感じるのは、沖田と新城が不在で、青島と室井も距離があるという点だ。けれどそれもまた、それぞれのキャリアの上では必要なプロセスなのだろう。

    一方で、小栗旬が演じる鳥飼という強烈なキャラクターを警察側で登場させた功績は大きい。青島は自身よりも年下で極端な考えを持つ警察の人間、という新たな敵との対峙を迫られることになる。本作は、『THE MOVIE 3』『LAST TV』『FINAL』と、鳥飼が増長していく三部作の序章として観ることもできるのだ。

    鳥飼は、関東中央医療刑務所で日向真奈美と面会した際に、その目を見て吸い込まれていくような様子を見せた。青島は「目見ない方がいいっすよ」と助言したが、結果的に鳥飼は自身が抱える闇の部分を肥大化させていくことになる。

    純粋悪とも言える日向真奈美と、悪を憎むあまりに極端な思考を持つようになった鳥飼という二人のヴィランは、これまでの「踊る大捜査線」のラブコメ&サラリーマン刑事というコンセプトとは別のベクトルで、シリーズに深みを与えることになった。

    その後につながるキャラクターたち

    また、2024年の「室井慎次」二部作から2026年の『N.E.W.』公開の流れを踏まえると、『THE MOVIE 3』は、シリーズ後半の出発点として重要な作品であったとも言える。日向真奈美が獄中から他者を操る展開は、娘・杏や信者たちを操った「室井慎次」二部作へつながる。

    緒方は捜査一課へ進み、『N.E.W.』では、和久伸次郎は八重洲署刑事課長、王明才は元湾岸署の研修生として再登場する。真下正義は警察庁長官官房審議官補佐となり、息子の真下勇気は捜査一課管理官になっている。

    そして青島自身も、2024年の時点では警視庁の捜査支援分析センターに所属していることが明かされ、2026年の『N.E.W.』では警視庁捜査一課の刑事として帰ってくる。係長になっても現場を走り続けた青島だが、今度はどのような形で若い捜査員たちと向き合うのか。

    和久さんから青島へ、青島から伸次郎や篠原たちへ。そして室井から、室井の意志を受け取った者たちへ。懐かしい「ヤツら」の解放は阻止されたが、『踊る大捜査線 THE MOVIE 3』は、過去から受け取った意志を未来へと解放する作品だったのかもしれない。

    映画『踊る大捜査線 N.E.W. メトロポリスを駆け抜けろ!』は2026年9月18日(金) 全国公開。

    公式サイト

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