Googleは、Gmail、Googleドキュメント、Google Keepを音声で操作できる新機能「Gmail Live」「Docs Live」「Keep Live」の提供を開始した。受信トレイから必要な情報を探したり、話した内容を基に文書やメモを作成したりできる。
Gmail LiveとKeep LiveはGoogle AI Plus、Pro、Ultraの各加入者、Docs LiveはProとUltraの加入者が利用できる。個人向けでは英語から展開され、Gmail LiveとDocs LiveはAndroidとiOS、Keep LiveはAndroidで提供される。Google Workspaceの法人顧客向けにも近日中の提供が予定されている。
■Gmail、ドキュメント、Keepを音声で操作
Googleは9月3日、Gmail、Googleドキュメント、Google Keepに会話形式の音声機能を導入すると発表した。2026年5月のGoogle I/Oで予告していた機能で、9月第1週から対象となる加入者への展開を始めた。
Gmail Liveでは、検索語を入力する代わりに、受信トレイの内容について音声で質問できる。「フライトの搭乗ゲートはどこか」「今週、子どもの学校では何があるか」と尋ねると、Geminiが関連するメールを探し、内容をまとめて回答する。
単発の音声検索にとどまらず、直前の文脈を保ったまま追加の質問をしたり、会話の途中で話題を切り替えたりできる。画面には会話の文字起こしと、回答の根拠となったメールへのリンクも表示される。Gmailアプリの検索バーに追加されるLiveアイコンから起動する。
Docs Liveは、口頭で伝えたアイデアを整理し、文書の初稿作成を支援する機能である。Googleドキュメントのモバイルアプリで「音声で作成」を選び、まとめたい内容を話すと、Geminiが考えを整理して文書の構成を組み立てる。
ユーザーが許可した場合は、Gmail、Googleドライブ、Google Chat、Webから関連情報を取り込み、内容を踏まえた文書を作成できる。利用する情報の概要を確認したうえで、特定の情報の追加や書式の調整を音声で指示することも可能だ。
Keep Liveは、まとまりのない状態で話したアイデアを、整理されたメモやリストに変換する。買い物リスト、仕事のアイデア、忘れたくない用件などを続けて話しても、内容に応じて複数のメモに分けられる。
既存のメモを音声で更新することもできる。すでに買い物リストがある場合に商品名を話すと、そのリストへ項目を追加するといった使い方が想定されている。
■Docs LiveはGoogle AI Pro以上
利用できるプランは機能によって異なる。Gmail LiveとKeep Liveは、Google AI Plus、Google AI Pro、Google AI Ultraの加入者が利用できる。Docs LiveはGoogle AI ProとGoogle AI Ultraに限定される。
米国での月額料金は、Google AI Plusが4.99ドル(約778円、1ドル=156円換算)、Google AI Proが19.99ドル(約3118円)である。このため、AI PlusからDocs Liveを利用できるAI Proへ変更すると、月額料金は約4倍となり、差額は15ドル(約2340円)になる。
Google AI Ultraには利用枠などが異なる複数のプランがあり、月額99.99ドル(約1万5598円)からとなる。各プランの価格や利用可能な特典は国や地域によって異なるため、日本で契約する場合は国内向けのGoogle One画面に表示される条件を確認する必要がある。
Google AI Plusを利用している場合でも、受信トレイを音声で検索するGmail Liveと、話した内容からメモを作るKeep Liveは利用できる。一方、複数の情報源を参照しながらGoogleドキュメント上に初稿を作成する機能には、Google AI Pro以上が必要となる。
■Geminiのリアルタイム音声認識を活用
今回の3機能には、GoogleのGemini Audioモデルが活用されている。Google DeepMindのモデルカードでは、リアルタイムの音声認識モデル「Gemini 3.5 Transcribe Live」の提供先として、Gmail、Googleドキュメント、Google Keepが挙げられている。
Gemini 3.5 Transcribe Liveは、音声を継続的に受け取り、低遅延で文字情報へ変換するストリーミング型のモデルである。発話の途中に間が入った場合や、話し手が言い直した場合も処理し、会話形式の操作やリアルタイムの音声入力に利用できる。
Googleによると、Gemini 3.5 Transcribeシリーズは85を超える言語を自動検出でき、発話中の言い直しへの対応、フィラーの除去、文章の自動整形、固有の専門用語を認識させるカスタム語彙などを備える。
Googleが引用したArtificial Analysisの評価では、ストリーミング版の平均単語誤り率は4.0%だった。この数値は複数のデータセットを用いた評価結果であり、日本語だけを対象に測定した認識精度ではない。今回のGmail Liveなどの個人向け展開も英語から始まるため、日本語で利用できる時期は明らかになっていない。
■モバイルでの利用を想定
今回の音声機能は、移動中や手を使いにくい場面での利用と相性がよい。空港を歩きながらGmailに搭乗ゲートを尋ねたり、通勤中にプロジェクトの概要を話して文書のたたき台を作ったりする用途が考えられる。
Googleは、Workspaceのアプリを受動的な道具から、利用者と一緒に作業を進める存在へ発展させる構想を示している。Gmail Liveは情報の検索、Keep Liveは発話内容の整理、Docs Liveは文書の作成というように、今回はアプリごとの役割に応じた音声操作を導入した形だ。
個人向けでは、Gmail LiveとDocs LiveがAndroidとiOSに対応する。Keep Liveは提供開始時点ではAndroid向けとなる。いずれも英語で展開され、日本語への対応時期やWeb版、デスクトップ版での提供予定は発表されていない。
Google Workspaceの法人顧客向けには、3機能すべてを近日中に提供する予定である。法人向けの具体的な提供時期や契約条件は、今回の発表では明らかにされていない。
音声で受信トレイを調べたり、メモを整理したりすることが中心ならGoogle AI Plusで利用できる。話したアイデアを基に、GmailやGoogleドライブにある情報も取り込んだ文書を作成したい場合は、Docs Liveを利用できるGoogle AI Pro以上が選択肢となる。
元記事: Google Workspace Launches Voice AI; Docs Live Costs 4x More Than Gmail Live
