筆者は数多くのスマートフォンをレビューしており、たいていは次の端末へ簡単に切り替えられる。しかし、サムスンの「Galaxy Z Fold8」は思いがけない問題をもたらした。どうしても使い続けたくなったのだ。
6月に韓国のサムスン本社で初めて手にした瞬間から、この愛らしいパスポートサイズの折りたたみスマートフォンに夢中になった。コンパクトで、延々とSNSをスクロールしてしまう人には夢のような1台だ。内側のディスプレイは使い勝手がよく、横向きでの映画鑑賞にも、縦向きでのソーシャルメディア閲覧にも適している。しかも驚くほど薄くて軽い。厚さは開いた状態でわずか4.5mm、閉じた状態で9.7mm、重さは201gだ。ポケットに入っていることをほとんど意識せず、手に持った感触も心地よい。
機能性だけでなく、Galaxy Z Fold8は目を引き、持つ人の個性を印象付ける。人が集まる場に持って行けばたびたび注目の的となり、友人や通りすがりの人から感嘆の声が上がった。
スマートフォンメーカーはここ数年、極薄の「Galaxy S25 Edge」「iPhone Air」「Galaxy Z Fold7」や未来的な「HONOR Robot Phone」など、革新的なデザインの製品を次々と投入してきた。しかし、手のひらサイズのGalaxy Z Fold8ほど強く印象に残ったものは、なぜか1台もない。手にしたときの満足感が驚くほど高いうえ、これまで使ったスマートフォンの中でも特に実用的な機種の1つだ。おそらく最大の難点は、Appleのエコシステムから離れなければならないことだろう。
Appleは米国時間9月9日のイベントで、同じくパスポートサイズの折りたたみiPhoneを発表するとみられている。Galaxy Z Fold8は、注目度の高いこの製品の陰に隠れてしまうのか。それとも、折りたたみスマートフォンへの関心が再び高まることで恩恵を受けるのだろうか。
折りたたみiPhone登場へのお膳立て
Galaxy Z Fold8は決して完璧ではない。背面カメラは、約5000万画素の広角カメラと約5000万画素の超広角カメラの2つだけで、望遠カメラはない。4800mAhのバッテリーは十分に丸1日と少し使えるが、突出した性能ではない。2026年発売のスマートフォンとしては残念なことに、Qi2充電用のマグネットも内蔵していない。価格も非常に高く、1900ドル(日本では26万9880円)からとなっている。
しかし、Galaxy Z Fold8にはこうした欠点を補って余りあるものがある。使うこと自体を心から楽しめるデザインだ。5.5インチのカバーディスプレイでは、メッセージやメールを素早く送れる。コンパクトながら、窮屈に感じることはない。開けば7.6インチの内側ディスプレイが現れ、複数の作業を同時にこなしたり、動画をストリーミング再生したりするのに十分な広さを確保できる。Galaxy Z Fold8を横向きにすると、一般的な板状のスマートフォンとタブレットの中間のような端末に早変わりし、「Instagram」をスクロールしたり、「Googleドキュメント」でガンガン作業したりするのにうってつけだ。
うわさによると、仮称「iPhone Ultra」とされる折りたたみiPhoneも、同じような4:3のアスペクト比になる可能性がある。そうなれば、折りたためない高級スマートフォンと比べてカメラやバッテリー性能が抑えられるなど、携帯性を重視したデザインならではの弱点を抱えるかもしれない。それでも、iPhone UltraのデザインがGalaxy Z Fold8に似たものになれば、そうしたトレードオフを気にしない人もいるだろう。
「Appleの場合、消費者は価格に見合う最高の価値を得られなくても、目新しければさほど気にしない」。International Data Corporation(IDC)でクライアントデバイス担当バイスプレジデントを務めるFrancisco Jeronimo氏は、8月下旬に筆者へそう語った。「『iPhone Fold』について、消費者は仕様を比較しない。その形状を望むかどうか、それだけだ。折りたたみ式を求める人は、カメラ性能で妥協することもいとわないだろう」
発展途上にあるこの製品カテゴリーをAppleがどう変え、前進させるのかに注目したい。IDCは、折りたたみ端末の世界出荷台数が2026年に12%超増加し、Appleの参入がその成長を後押しすると予測している。また、Appleが2027年までに折りたたみiPhoneを1700万台以上出荷し、2027年末までに世界市場で40%近いシェアを獲得するとみている。
Appleはもしかすると、「Galaxy Z Fold8 Ultra」や「Pixel 11 Pro Fold」のような、従来型のブックスタイルの折りたたみ端末を発表して驚かせるかもしれない。どちらも米CNETのレビューで高く評価された優れたスマートフォンだが、デザインはより標準的であり、筆者はGalaxy Z Fold8ほどこれらの端末に頻繁に手を伸ばしてはいない。だからこそ、AppleがGalaxy Z Fold8に負けないほど筆者の関心を引きつける、もう1台の思わず手に取りたくなる折りたたみ端末を用意していることを願っている。
この記事は海外Ziff Davis発の記事を4Xが日本向けに編集したものです。
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