2026年9月
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    第2休息日明けのブエルタ・ア・エスパーニャ第16ステージは、予想通り集団スプリントで決着。ファンアールトの圧巻のリードアウトからマシュー・ブレナン(イギリス、ヴィスマ・リースアバイク)が今大会4勝目をマークし、イギリス開催の2027年ツール・ド・フランスへの意欲を語った。
    9月8日(火)第16ステージ
    コルテガナ〜ラ・ラビダ(パロス・デ・ラ・フロンテラ) 181.1km(丘陵)

    スイスの高級腕時計ブランド、チューダーをつける選手たち photo:CorVos小児がん患者とその家族を支援するバスクの団体「ASPANOGI」のステッカーを指さすビルバオ photo:CorVos

    コルテガナを出発した選手たち photo:A.S.O.
    第16ステージ コルテガナ〜ラ・ラビダ image:A.S.O.
    第81回ブエルタ・ア・エスパーニャの終着地点であるグラナダまであと6日。最後の休息日を挟んで迎えた第16ステージはコルテガナをスタートし、今大会最西端となるラ・ラビダにフィニッシュする丘陵ステージ。前半は細かいアップダウンが続くがカテゴリー山岳は登場せず、後半は一転して平坦路がフィニッシュまで続く。

    この日も気温40度を超える灼熱のなか、大会8日目からマイヨロホを着続けるエンリク・マス(スペイン、モビスター)を先頭にレースはスタート。逃げ切りの可能性は限りなく低いものの、一縷の希望に懸けて逃げを打った選手は5名。その中には今大会5度目の逃げとなり、総合エースなきチームにステージ優勝をもたらしたいケヴィン・ヴェルマーク(アメリカ、UAEチームエミレーツXRG)や、パリ五輪ロードレースの銀メダリストにして、コフィディスへの移籍が発表されているヴァランタン・マドゥアス(フランス、グルパマFDJユナイテッド)が入った。

    第16ステージで逃げた5名
    ケヴィン・ヴェルマーク(アメリカ、UAEチームエミレーツXRG)
    ヴァランタン・マドゥアス(フランス、グルパマFDJユナイテッド)
    シモン・ダルビー(デンマーク、ウノエックス・モビリティ)
    ヤシャ・ズッタリン(ドイツ、ジェイコ・アルウラー)
    ローランド・テールマン(スイス、チューダープロサイクリング)

    ケヴィン・ヴェルマーク(アメリカ、UAEチームエミレーツXRG)ら5名による逃げ集団 photo:A.S.O.
    クリストフ・ラポルト(フランス)を欠くヴィスマ・リースアバイクがプロトンを牽引した photo:CorVos
    一方のメイン集団は、リーダーチームであるモビスターではなく、今大会のスプリントステージではお馴染みとなったヴィスマ・リースアバイクが先導した。今大会有数のフラットコースとあって、平均時速45km/hを上回る高速レースと化したこの日、残り50kmを切るとプロトンの牽引にはコフィディスやレッドブル・ボーラ・ハンスグローエも選手を送り、逃げとのタイム差を一気に縮めた。

    横風は決定的な影響を及ぼさず、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエが一段と牽引ペースを上げ、残り23.5kmで逃げの5名を引き戻した。その後、小さな村に入ると、狭くなった道でイヴォ・オリヴェイラ(ポルトガル、UAEチームエミレーツXRG)が落車。くわえタバコの観客に抱き起こされると、無事にレースに復帰している。

    村を抜け、再び開けたコースに出るとレッドブル・ボーラ・ハンスグローエとヴィスマ・リースアバイクが再加速し、プロトンは一時分裂する。後方ではマグナス・コルト(デンマーク、ウノエックス・モビリティ)が一時遅れを取ったものの、残り11kmでプロトンに復帰。そして再びひとつになった大集団はフィニッシュラインの引かれたラ・ラビダに突入した。

    残り23.5kmで捉まった5名の逃げ集団 photo:A.S.O.
    逃げを捉えてもなおプロトン先頭でハイペースを刻んだレッドブル・ボーラ・ハンスグローエ photo:A.S.O.
    プロトンはスーダル・クイックステップを先頭に残り1kmを通過。残り500mの緩い最終左コーナーでは押し出されるようにコルトが先頭に出る。意図せず先頭に立ったことに首を振り、周囲を見るコルト。その横から、マイヨプントス(ポイント賞ジャージ)を着るワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)が、背後にマシュー・ブレナン(イギリス)を従えて飛び出した。

    胃腸トラブルが報じられ、第14ステージでリタイアしたクリストフ・ラポルト(フランス)を欠くヴィスマ・リースアバイクだが、そんな不利をものともしないファンアールトが集団先頭に立ってリードアウトを開始する。そして残り150mでブレナンが腰を上げると、背後につくブライアン・コカール(フランス、コフィディス)を横に並ばせない圧巻のスプリントを披露。リードアウトを終え、上位フィニッシュを狙ってもがくファンアールトの眼前で、ブレナンが今大会4勝目を決めた。

    今大会4勝目を飾ったマシュー・ブレナン(イギリス、ヴィスマ・リースアバイク) photo:CorVos
    ファンアールトと勝利を喜ぶマシュー・ブレナン(イギリス、ヴィスマ・リースアバイク) photo:CorVos
    フィニッシュの直後に右手の4本指を立てたブレナンは、「感情はいまも(1勝目と)変わらないよ。本当に信じられない。ここでは1勝するのが目標だったのに、もう4勝だからね。チームとしてはこれで6勝かな。あまりに勝ちすぎて、もう数えられなくなってきた」と冗談混じりに喜びを語った。さらに「ファンアールトのリードアウトに対抗できる選手はそういない。クリストフ(ラポルト)を失ったのは残念だったけれど、1人少ない状況でもこれだけのことができるのは信じられないよ」とチームメイトを称賛した。

    グランツール初出場の選手が区間4勝を挙げたのは、2017年ジロ・デ・イタリアでフェルナンド・ガビリア(コロンビア、現カハルラル・セグロスRGA)以来のこと。またガビリアが翌年のツール・ド・フランス開幕ステージを制していることを受け、ブレナンは「来年のツールはイギリスで開幕する。イギリスでグランデパールが行われると知った2年前から、チームには『ぜひスタートラインに立ちたい』と伝えているんだ。そしてワウトやクリストフのような選手たちにも一緒にいてほしい。ここでやっていることを再現できれば、第1ステージでマイヨジョーヌを狙うことだってできると思う」とスコットランドで開幕し、イングランドを経てウェールズへと続く2027年ツールへの意欲も語った。

    来年のツールへの意欲も語ったマシュー・ブレナン(イギリス、ヴィスマ・リースアバイク) photo:A.S.O.
    完璧といえるリードアウトを披露したワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク) photo:A.S.O.
    区間2位はコカールで、3位はフィト・ブラーツ(ベルギー、ロット・アンテルマルシェ)。ファンアールトは区間6位に入り、15ポイントを加算。4勝を飾ったブレナンが189ポイントなのに対し、ファンアールトは282ポイント。難しい状況のなかでも、最終的なマイヨプントス獲得に向けて順調に突き進んでいる。

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