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    AIの進化により、ゲーム開発のグローバル化が加速している。日本市場で成功してから海外へ進出するのではなく、開発段階から世界を見据える企業も増えてきた。一方、海外展開で課題となるのが「決済」だ。国や地域ごとに異なる決済手段はもちろん、規制や税制、不正利用への対策などにも対応しなければならない。世界を目指す日本のゲーム企業をPayPalはどう支えるのか。PayPal日本事業統括責任者の余伝道彦氏に聞いた。

    協力:PayPal

    PayPal 日本事業統括責任者 余伝道彦氏

    PayPal 日本事業統括責任者 余伝道彦氏

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    ゲーム開発は「最初からグローバル」へ

     2025年、8年ぶりに東京ゲームショウへ出展したPayPal。PayPal日本事業統括責任者の余伝道彦氏は会場で、日本のゲーム産業が持つ力を改めて実感したという。その後の1年間は、さまざまなゲーム関連企業と対話や協業を重ねてきた。その中で余伝氏が感じている大きな変化が、ゲーム開発のグローバル化だ。

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     「以前は日本向けにゲームを作り、その後、海外へ展開するという段階を踏むことが多かったと思います。しかし今は、最初からグローバル市場を見据えて開発することが主流になりつつあります。AIの活用によって言語の壁も越えやすくなってきました」(余伝氏)

     ゲームを世界へ届けるためのハードルが下がる一方、国境を越えた瞬間に複雑になるものもある。それが「お金」の問題だ。

     「国によって規制や税制は異なり、消費者が日常的に使う決済手段も違います。近年注目を集めるアプリ外課金についても、国によって制度や普及状況は異なる。ゲームそのものはグローバルを前提に作れるようになりましたが、各国固有の決済に対応することが、海外展開を進めるうえで重要になっています」と余伝氏は話す。

    「決済」もゲーム体験の一部

     では、ゲーム企業が海外へ進出するとき、PayPalはどのような価値を提供できるのか。

     余伝氏が最初に挙げるのが決済体験だ。

     「決済もゲーム体験の一部です。せっかくゲームに没入しているのに、決済タイミングでその没入感が途切れてしまうと離脱されかねません。そのままスムーズに決済し、ゲームを続けてもらえることが大切です」(余伝氏)

     2つ目が、国や地域によって異なる決済手段への対応だ。日本で一般的な決済方法が海外でも同じように使われているわけではなく、決済事情は国や地域によって大きく異なる。例えば日本ではクレジットカードが広く使われているが、ドイツではEコマースにおけるクレジットカードの利用は1割程度で(※1)、銀行口座や後払い決済などが広く利用されている。決済手段の違いは、単なる利便性の問題ではない。ある調査では、希望する決済方法が利用できない場合、77%の消費者が購入を断念する可能性があるという結果も出ている(※2)。海外へ進出するゲーム企業にとっては、「その国でゲームが受け入れられるか」だけでなく、「その国のユーザーが普段使っている方法で支払えるか」まで考える必要があるということだ。

    ※1 出典:Worldpay「The Global Payments Report 2026」
    ※2 出典:Airwallex「Cross-border eCommerce: Key trends and strategies for global success」

     そして3つ目が、安心・安全だ。オンラインで繰り返し決済が発生するゲームでは、不正利用への対策が欠かせない。PayPalは膨大な取引データを活用し、不正の兆候を検知するほか、「買い手保護制度」「売り手保護制度」といった仕組みを提供している。

    売り手も買い手も望むのに「決済できない」ことが起こり得る

     海外市場へ展開するほど、規制対応やデータ保護、不正利用対策など、決済を取り巻く環境は複雑になる。そこで重要になるのが、安全性を高めながらも、本来問題のない取引まで止めてしまわないことだ。

     「ゲーム会社は売りたい、ユーザーも買いたいと思っている。それなのに決済が成立しないということが、越境取引では起こります」(余伝氏)

     そこでPayPalでは、エンタープライズ向けの高度なリスク管理基盤を活用。膨大なデータを分析することで、不正の兆候を早期に検知すると同時に、正当な取引を必要以上に止めない仕組みを整えている。こうした取り組みの結果、PayPal Checkoutを通じた国際間のカード決済では、承認率が市場平均と比べて7%高いという実績がある(※3)。

    ※3 出典:PayPal「The complete guide to international payment methods (2025)」

     ゲームでは同じユーザーが繰り返し購入することも多く、一つひとつの決済がスムーズに成立するかどうかは、継続率やLTV(顧客生涯価値)、売り上げにも影響する。PayPalでは、決済の受付だけでなく不正対策まで一体的に提供することで、ゲーム企業側の運用負荷軽減も支援している。

    10万社のゲーム事業者、3300万人のユーザーがPayPalを利用

     PayPalは、ゲーム業界でもグローバルに幅広く利用されている。2024年7月から2025年6月までの1年間だけでも、10万社以上のゲーム関連事業者がゲームや関連商品の販売にPayPalを利用した。ゲームカテゴリーでPayPalを利用した消費者は3300万人以上に上る(※4)。

    ※4 2024年7月~2025年6月の期間におけるPayPalの社内データ

     「海外展開を考えている企業には、進出先の市場動向や消費者の特徴など、ビジネスを展開するうえで必要となるさまざまな情報を提供しています。利用される決済手段だけでなく、ゲームを取り巻く環境や考慮すべき点も国や地域によって異なります。こうした知見を生かし、海外展開を支援できることも私たちの強みです」(余伝氏)

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     例えば同じ欧州でも国によって決済事情は異なる。さらに、展開する商材がゲームなのか、アニメやフィギュアなどの物販なのかによっても有望な市場は変わる。どの国へ進出するかだけでなく、その市場でどんなユーザーに、何をどのような形で販売するのかまで考える必要がある。世界各地で蓄積してきた知見を基に、企業のグローバル展開を支援できることもPayPalの強みとなっている。

    アプリ外課金、「手数料」だけではない可能性

     海外展開と並び、ゲーム業界で大きなテーマとなっているのがアプリ外課金だ。モバイルプラットフォームのアプリ内決済を経由せず、自社サイトなどで決済するアプリ外課金には、手数料を抑えられる以外にもメリットがある。アプリ外の自社サイトであれば、ゲーム会社が独自のコンテンツやキャンペーンを用意するなど、ユーザーとの接点そのものを設計できる。つまりアプリ外課金は、決済手段を変えるだけでなく、ゲームの世界観を生かした体験を提供する場にもなり得る。

     一方、自社でサイトを構築し、ユーザーを誘導するためのコンテンツやマーケティング施策まで設計するには、相応のリソースが必要になる。そのため、これまでは大手企業が先行しやすかった。こうした課題に対する取り組みの一つが、S8 Plusとの協業だ。

     S8 Plusでは、ゲーム企業が自前ですべての仕組みを構築しなくても、アプリ外課金に取り組めるプラットフォーム「Game8 Store」を提供している。また、月間5億PVを誇るゲーム総合情報サイト「Game8」と連携するなど、ユーザーを誘導するマーケティング面の機能も備える。この取り組みにPayPalも決済パートナーの一社として参画。S8 Plusとの協業を通じて、ゲーム会社がより取り組みやすいアプリ外課金の環境づくりを支援している。

    2026年の東京ゲームショウはPaidyと共同出展

     ゲーム企業との関係をさらに深めるため、PayPalは2026年も東京ゲームショウへの出展を決めた。今年の大きな特徴が、グループ会社であり、「あと払いペイディ」を提供しているPaidyとの共同出展だ。

     「今年は、PayPalとPaidyの連携によって、より多様な決済手段を提供できることを打ち出したいと考えています」(余伝氏)

     ペイディの分割手数料無料の「分割あと払い」(※5)は、購入時に代金を一括で支払うことに心理的なハードルを感じるユーザーに対しても、選択肢を広げることができる。

    ※5 口座振替・銀行振込のみ手数料無料

     さらに利用者層にも違いがあるという。

     「PayPalは日本では30~40代の方を中心に親しんでいただいています。一方、あと払いのペイディは20代などのより若い世代を中心に利用されています。両方をご導入いただくことによってユーザー層が広がるのも大きなメリットだと考えています」(余伝氏)

     今年の東京ゲームショウでは、前年好評だったカプセルトイなどの企画を継続しながら、新たにクイズ企画なども準備。ビジネス関係者だけでなく一般のゲームファンにもPayPalを知ってもらう機会を増やしていく考えだ。

    日本のゲームが世界で戦うために

     PayPalが日本のゲーム市場を重視する理由について、余伝氏はこう語る。

     「日本のゲーム業界はグローバルで競争力を発揮している産業で、PayPalとしてそこをぜひ支援していきたいと考えています。世界で戦っていく上で障壁の一つとなるのが決済です。世界200以上の国と地域で決済を提供しているPayPalだからこそ、できる寄り添い方があると思っています」

     AIの進化によって、世界へゲームを届けるハードルは下がりつつある。だからこそ次に問われるのは、そのゲームを世界のユーザーが安心して、普段使っている方法で購入できる環境を整えられるかだ。決済体験、各国の決済事情への対応、安心・安全、そしてアプリ外課金やPaidyとの連携による新たな選択肢。決済を単なる「支払い」の仕組みではなく、ゲーム企業の成長とユーザー体験を支えるものへ。PayPalは日本のゲーム企業が世界で戦うための土台を、決済の側から支えようとしている。

    ゲーム企業の海外進出に役立つグローバル市場の情報を公開

    PayPalでは、ゲーム企業の海外展開に役立つ情報を公開している。グローバル市場での決済に関する情報に加え、ゲーム市場攻略のヒントをまとめたe-bookや、ゲーマーの価値観・購買行動を読み解くレポートも用意。海外進出を検討する際の参考にしたい。

     特設ページはこちら

    PayPal、東京ゲームショウ2026に出展

    PayPalは、2026年9月17日~21日に開催される東京ゲームショウ2026に出展する。ブースでは、ゲーム事業者向けのグローバル決済ソリューションやアプリ外課金への対応、国内外の導入事例などを紹介。来場者参加型のクイズや、ノベルティ・景品が当たる企画も予定している。

    9月18日にはTGSフォーラムにて、日本事業統括責任者・余伝道彦氏が登壇。「ゲーム収益を最大化する決済戦略-アプリ外課金とグローバル展開の実践知(仮)」をテーマに、ゲーム企業の収益拡大につながる決済戦略について語る予定だ。

    昨年の出展の様子

    昨年の出展の様子

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    会期:2026年9月17日(木)~9月21日(月・祝)
    場所:幕張メッセ
    PayPalブース:Hall10-E07 グローバル決済ソリューションの紹介、アプリ外課金への対応、国内外の導入事例紹介、来場者参加型クイズ企画
    TGSフォーラム:9月18日(金)14:30~15:00幕張メッセ 国際会議場302 PayPal日本事業統括責任者 余伝道彦氏登壇

    TGSフォーラムは事前申込制です。お申込みはこちら。終了後のお申込みはできませんのでご了承ください。

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