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    【画像】日本のフィジカルAIと米国のPhysical AIは別物!日本に期待される〝強み〟、世界的投資家が見たテックの現在地

     台湾出身のベンチャー投資家、鄭博仁(マット・チェン)は指摘する。

     マットは連続起業家として活動した後、2015年にベンチャーキャピタル「心元資本(チェルビック・ベンチャーズ)」を創業した。先日、クローズ(出資者募集の終了)した第6期ファンドを含め、運用資産総額(AUM)は5億ドルを超えている。

     物流テックの米Flexport、後払いサービスの日本Paidy(米PayPalが買収)など、これまでに15社ものユニコーン企業を見いだしてきた。世界のベンチャー投資業界でも名の知られた投資家だ。

     現在は東京をベースとし、日本のスタートアップ企業への関心を高めるマットにどうしても聞いてみたかった話がある。それがフィジカルAIだ。

     米半導体大手エヌビディアのジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)は、物理世界を理解し関与するフィジカルAIがAIの次のステージであり、日本には主導的な役割を果たす機会があると強調している。「時の人」の言葉を励みとして、日本では急激にフィジカルAIへの期待が高まっている。

     だが、気になるのが日本と米国との距離感だ。日本語で語られているフィジカルAIと英語で語られているPhysical AIは同じものなのだろうか。違うとすればなぜなのか、日本は本当にフィジカルAIの「主役」なのか。世界のテックを熟知し、日本にも接点を持つマットに聞いた。

    真逆のアプローチで同じゴールを目指す

     米国はAIの次のステップとしてフィジカルAIを認識しているという。国際カンファレンス「NVIDIA GTC 2025」では次のように整理されている。

     2010年代に発展したディープラーニングによって画像や音声を認識できるようになったのが知覚AI。そこからChatGPTをはじめとするテキストや画像、動画などを作り出せる生成AIへと発展した。さらに単発の回答ではなく、自律的に計画し複雑なタスクをこなすエージェント型AIが生み出されている。

     この次は物理世界を認識し関与するフィジカルAIへと発展するというのが米国で主流の考え方だ。「つまり、米国ではAIの流れからフィジカルAIを考えている。ですが日本はロボティクスからの連続という発想だ。つまりフィジカルにAIをくっつけるという、米国とは真逆のベクトルにある」とマットは指摘する。

     国際ロボット連盟(IFR)によると、日本は世界の産業用ロボット生産の38%を占める最大の生産国で、製造業も高度に自動化されている。トヨタに代表される自動車産業なども、こうした製造業の高度化を武器として成長してきた。この日本の強みをAIで進化させるのが日本のアプローチだというわけだ。

     そう考えると、日米のフィジカルAIの「見た目」の違いも理解しやすい。人型ロボットのように、AIの能力を生かす新たな器を作ろうとする動き。一方で、工場ですでに働いているロボットにAIを組み込み、できる仕事を増やそうとする動き。

     もちろん、日米をきれいに二分できるわけではない。それでも、何を出発点にするかという違いは、目指す製品の姿にも表れるのだろう。

    「アプローチの違いは、目的意識の差から生じたものだ。AIに体を与えるという技術的探索に重きを置く米国と違い、日本は現状の優れたオートメーションをより効率的な方法で拡大することを重要視している。ファンシーなロボットにダンスさせるような遊び心は日本にはあまり見られない」とマットは話す。

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