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    レノボ・ジャパン「Lenovo Legion 5a Gen 11 (15.3型 AMD Ryzen AI 400 シリーズ)」

     「ゲーミングPCにとって大事なのは性能」。これは事実だが、大事なのは性能だけではないと筆者は考える。より大事なのは「ゲームプレイ時の体験の質」だ。

     ことゲーミングノートPCだと、キーボードやディスプレイなど、ユーザーが実際に手にする、目にする部分が統合されている。もし性能が高かったとしても、たとえばディスプレイの見栄えがイマイチだったりするとゲームプレイ時の体験の質は下がってしまう。

     今回レノボ・ジャパン(以下、レノボ)から、AMD Ryzen AI 9 465を搭載するゲーミングノート「Lenovo Legion 5a Gen 11 (15.3型 AMD Ryzen AI 400 シリーズ)」(以下、Legion 5a Gen 11)が筆者のもとに送られてきた。総合的に高いレベルのゲーム体験を提供できるマシンらしい。

     ということで、「配信修行僧」としてゲームをプレイするだけでなく、ちょっと凝った配信活動もしている筆者が、個人の配信環境を本機で再現しつつ本製品を検証してみた。スペック表からだけでは推し量れない部分についてもしっかり調べていく。

    配信修行僧ことPC Watch編集長の若杉Legion 5a Gen 11の足回りを確認

     冒頭でゲーミングPCにとって大事なのは性能、と書いたが、それは性能があってのこと。足回りとしての性能がないことには体験も提供できない。

     では、Legion 5a Gen 11どういったマシンなのか?先に結論を述べると、位置付けとしてはミドルレンジクラスだが、各所にレノボ独自の工夫が盛りこまれ、ゲームやゲーム配信を快適にこなすことができる。

     この「快適に」というのがポイントで、レノボ独自の冷却機構や、AI Engine+というAIを用いてファンの制御を自動化するチップなどを単に搭載するだけではない。熱でゲームがカクつかない、手元が熱くならないなど、ユーザーが不快に感じるであろう点を可能な限り排除し、快適なパッケージににまとめ上げている。

     スペックについては、まず、評価機はCPUにAMDのRyzen AI 9 465を採用している。AMD Ryzen AI 400 シリーズ プロセッサの中でも上位に位置づけられる製品で、CPUコア数は10コア、最大クロックは5GHzとなっている。

     Microsoftが規定するCopilot+ PCに求められる40TOPSを超える50TOPSの性能を誇るAIエンジンも内蔵している。

    評価機はAMDのRyzen AI 9 465を搭載本体背面

     ゲームにとって重要なGPUにはGeForce RTX 5060 Laptop GPUを採用。NVIDIAのGPUの中ではミドルレンジとなるが、最高画質にしなければAAA級タイトルも快適に動かせる性能を持つ。

     特にDLSS 4に対応したタイトルであればAIフレーム生成の併用によって、GeForce RTX 3060と比べると6倍前後のフレームレートを実現できる。

     このほか、メモリは32GBのDDR5(16GB×2)、ストレージは512GBのNVMe SSDを搭載していた。

     ディスプレイは2,560×1,600ドット(16:10)/HDR 1000 TrueBlack、DCI-P3 100%、165Hz表示対応となっている。

     OSは、Windows 11 Homeを搭載。本製品はCopilot+ PCに準拠しているため、Web会議の品質を高めるWindowsスタジオエフェクトのほか、通常コピペできないウィンドウからもコピペできる「クリックして実行」や、過去に開いたウィンドウの情報を記録し、検索性を向上するリコールといった、Windows 11が搭載する最新のAI機能も活用できる。

     このスペックを眺めるだけでも、中画質程度ならほぼすべてのゲームが快適に動くことが容易に想像できる。ただし、実際にゲームプレイで負荷がかかったときの体験がどうなのかは、この後見ていく。

     なお、オプションでAMD Ryzen AI 7 450、GeForce RTX 5050/5070 Laptop GPU、メモリ16GB、SSD 1TB/2TBといった構成も選べる。

    左側面に有線LANとUSB 3.2 Gen 2×2 Type-C(USB PD、DisplayPort Alt Mode対応)2基右側面にUSB 3.2 Gen 1、音声入出力、カメラのプライバシーシャッター背面に電源コネクタ、USB 3.2 Gen 1 2基、HDMIキーボードはテンキー付き実ゲームとベンチマークによるLegion 5a Gen 11の性能検証

     続いて基本性能を見てみよう。今回は、3DMark、エーペックスレジェンズ、マーベル・ライバルズ、サイバーパンク2077、STREET FIGHTER 6 ベンチマークツール、黒神話: 悟空を用いた。いずれも解像度は2,560×1,600ドットで実行し、画質設定は基本的に中程度にしてある。

     3DMark Speed Wayのスコアは2,581、Steel Nomadのスコアは2,275だった。各ゲームの平均フレームレートは、エーペックスレジェンズが151.8fps、マーベル・ライバルズが93fps、サイバーパンク2077が92.9fps、STREET FIGHTER 6 ベンチマークツールはFIGHTING GROUNDが59.97fps、BATTLE HUBが107.6fps、WORLD TOURが88.64fps、黒神話: 悟空が71fpsだった。

     ゲーム性能は、いずれも60fpsを大きく超えており、アクションゲームだけでなく、シューティング系ゲームでもスムーズな描画が可能だ。

     ただし、これは「Legion Space」という管理ソフトで性能を「バランス」にした状態のスコアだ。Legion 5a Gen 11では、これを「パフォーマンス」に変更するとGPUがオーバークロックされ、性能を引き上げられる。

     変更は簡単でFn+Qを押すだけで、静音、バランス、パフォーマンスを切り替えられる。モードに応じて電源ボタンのLEDの色が変わるので、今どのモードなのかが一目で分かる。

     ということで、パフォーマンスモードに切り替えると、3DMark Speed Wayは2,933、Steel Nomadは2,735、エーペックスレジェンズは164.4fps、マーベル・ライバルズは105fps、サイバーパンク2077は104.05fps、STREET FIGHTER 6 ベンチマークツールは59.87fps/112.73fps/100.68fps、黒神話: 悟空は80fpsへと向上した。

     手軽に性能が上がるので利用しない手はないだろう。

     加えて、DLSS 4のフレーム生成に対応しているゲームはこれを有効にした状態でも計測してみた。結果として、マーベル・ライバルズは165fps、サイバーパンク2077は207.95fps、黒神話: 悟空は110fpsにまで飛躍した。

    DLSS 4フレーム生成オン

    マーベル・ライバルズの結果サイバーパンク2077の結果黒神話: 悟空の結果

     フレーム生成をオンにすると、原理上若干の遅延が発生するためシューティング系ゲームでは滑らかさと反応の良さとがトレードオフになるので、オンにするのが最善とはいえない場合もある。

     今回試したゲームではフレーム生成を使わなくても高い性能を発揮できているが、今後登場するゲームが重い場合、あるいはゲームを高画質設定にしたことで60fpsを切るような場合でも、この機能を使うと描画が滑らかになる。

    Legion 5a Gen 11がもたらすユーザー体験: 安定した冷却性能

     さて、ここまでLegion 5a Gen 11の性能を見てきた。では、肝心なユーザー体験はどうなのか?

     ベンチマークソフトは、各ソフトによって計測時間が異なるが、基本的に短時間で終わる。しかし、実際にゲームをプレイするときは数時間ぶっ通しでやることもある。そういったときに重要なのが十分な冷却性能があるかどうかだ。

     もし冷却性能が低いと、ゲームを長時間プレイし、システムの負荷がしきい値を超えたときに、チップの暴走を抑えるために強制的に周波数を引き下げ温度を下げようとする。これがサーマルスロットリングというものだ。サーマルスロットリングが発生すると、さっきまで快適だったゲームが、急にカクつくことになる。これではゲーム体験はだいなしだ。

     Legion 5a Gen 11はどうなのか?3DMarkのストレステストを実施してみた。これは長時間にわたってベンチマークを実行し、システム全体に負荷をかけ続けるテストだ。

     結果として、Legion 5a Gen 11では、CPU/GPUとも温度が一定レベル維持できており、テストの終了まで一切クロックや平均フレームレートが落ち込むことがなかった。

    3DMark Steel Nomad Stressテストの結果。最初から最後まで温度が安定し、サーマルスロットリングが起きていない

     この背景にはレノボによる先進的なFalconファン、再設計されたエアフロー、そしてAIスマートチューニングが制御する3D銅製ヒートパイプなどがある。スペック表や表からは見えにくいこれらの工夫が、安定したゲーム体験を提供しているというわけだ。

    排熱機構のイメージ図

     また、チップ温度を一定に抑え続けることで、キーボード面が熱くなりにくいのも重要な点だ。今回は簡易的にスマホ内蔵の温度計で測った結果だが、アイドル時39℃前後だったキーボード面の温度は、3DMarkのストレステスト時に「K」周辺こそ43℃くらいまで上昇したが、「S」周辺は39℃前後のまま温度が上がらなかった。

     これは排熱がしっかりしているだけでなく、熱源が「S」周辺、すなわちシューティング系ゲームをやるときに手が触れる位置の下に来ないよう基板がレイアウトされているからだ。

     そして、ディスプレイがOLEDというのも、ゲーム体験を高めるのに一役買っている。普段筆者は液晶モニターを利用しているのもあって、Legion 5a Gen 11のOLEDパネルを見ると、黒の引き締まり、そして全体的な発色の良さから、同じゲームでも一瞬リメイク版をプレイしてるような錯覚に陥る。

     実際、単にOLEDを採用しただけでなく、DisplayHDRの中でも上位にあたるTrue Black 1000に準拠し、Pantone Color validated、Pantone SkinTone Validated、DCI-P3にも対応しており、その鮮やかさは折り紙付きだ。

     もちろんOLEDで気になる焼き付き防止機能も搭載する。

    高品位なOLEDパネルにより鮮明なグラフィックスを堪能できる視野角も広い

     没入感の観点では、スピーカーの音質にも触れないわけにはいかない。本製品はAIを活用した3Dオーディオである「Nahimic by SteelSeries」を採用している。実機でゲームをプレイしたり、動画を再生すると、一般的ノートPCとは一線を画す深みのある音に驚かされる。

     ゲームプレイ時はヘッドフォンやイヤフォンを付けることも多いだろう。一方、筆者もそうだが、普段動画を見るときはスピーカーで鳴らしてリラックスして視聴する。本製品ならわざわざ動画用に外部スピーカーを購入しなくても大丈夫だ。

    ノートPCとして十分な音質を確保配信修行僧の凝りすぎたOBS環境でも動作

     続いて、配信修行僧の視点からも検証した。筆者がOBSを使ってどういう演出をしているかは筆者の連載を参照してもらうとして、今回、Legion 5a Gen 11に筆者のOBS環境をほぼそのまま再現してみた。

    筆者のOBS環境をLegion 5a Gen 11上で再現してみた

     ぱっと見で分かる通り、ゲーム画面は3次元に少し傾けている。そして、筆者の体がゲーム画面に重なるようにレイヤー処理しており、これがCPU/GPUともに結構負荷が高い。

     どれくらい負荷が高いかというと、元々の環境ではこれ以外にも多数のプラグインを入れていることもあり、GeForce RTX 4080を搭載したデスクトップPCでも、下手なゲームよりOBSの方がシステム負荷が高く、配信PCとゲームPCは分離しているほどだ。

     すべての機能を再現しているわけではないとはいえ、ノートPCでこのOBSを動かしながらゲームまで動かすのはかなり厳しいのではと想像していた。

     結果としては、エーペックスレジェンズを動かしながらだと、レンダリングおよびエンコードで数%のフレームドロップが発生していた。もちろんフレームドロップが発生しないのが理想だが、この程度なら配信していて視聴者は気付かないレベルだ。

    エーペックスレジェンズを動かしながら筆者の環境を再現したOBSを動かすと、数%のフレームドロップが起きたが、これはむしろ数%でよく済んでいると解釈した方がいい

     また、ゲーム自体のフレームレートはOBSを使っていないときの約165fpsから約108fpsへ落ち込んでいた。しかしここでは、落ち込んでもゲームが快適に動いていると感じる60fpsをはるかに超える、100fpsを維持できていることに注目すべきだ。

     繰り返すが、筆者のOBS環境は相当重い部類だ。その中でこの結果はかなり健闘しているといっていい。

     もう1つ本製品を使った配信に関して取り上げておきたいのが、マイクのノイズキャンセリング機能だ。

     先に述べた通り、本製品の冷却性能は高い。だが、しっかりと排熱するため、高負荷時はファンの回転音がある程度大きいのも事実だ。

     採用しているチップや、本体の性能を考えると同クラスの製品として騒音は抑えられている方だが、このまま配信すると、常時そこそこの音量でファンノイズが配信に載ってしまう。

     そこで使いたいのがLegion Spaceに搭載されているノイズキャンセリング機能だ。これを使うと、ファンノイズはほぼゼロにすることができる。物理的なファンノイズをソフトウェア技術で解消することで、配信の品質を上げることができる。

     配信をするなら、本製品に限らず基本的にはノートPC内蔵マイクではなく、外付けのマイクを使うことを勧める。だが、Legion 5a Gen 11ならまずは内蔵マイクで配信デビューしたとしても対応できる。

    まとめ: Legion 5a Gen 11は幅広いゲーマーに勧められる1台

     以上の通り、Legion 5a Gen 11は、ミドルハイレンジのパーツを採用することで、しっかりとAAA級タイトルも快適に動かせる性能を実現。同時に、独自の排熱設計を始めとしたさまざまな工夫を盛り込むことで、ゲームやゲーム配信時に高品位なユーザー体験を提供している。

     レノボによると独自のAI Engine+というハードウェアにより、CPU、GPU、冷却システムなどを自動で最適化することで安定したパフォーマンスを実現。細かい設定や調整を自分で行なう必要がなくなりパフォーマンスも安定し、長時間ゲームプレイに集中できるという。

     また、Windows Hello対応の顔認証カメラの搭載や、高耐久なボディ、前世代からの薄型/軽量化など、ゲーミングノートではそこまで重視されないセキュリティやモビリティにも気を配っているあたり、世界トップクラスのシェアを誇るメーカーの持てる知見をしっかりと注ぎ込んで開発されたと感じる。

     試用機の構成だと価格は38万7,685円(2026年9月時点)で、納得性が高いのに加え、PC Game Pass 3カ月分も付属する。プラス2,420円でBluetoothゲーミングマウスが付属(なしも選択可能)するので、届いてすぐシューティング系ゲームも遊びやすい。

     Legion 5a Gen 11は幅広いゲーマー層にお勧めできる製品だ。

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