そこでイケアは、コルクや木材などさまざまな素材でスツールの試作を始めた。ヴァールによると、ベースの半径を変えながら数多くの3Dプリントを行なったという。あるプロトタイプには底面が完全に丸いバージョンもあり、非常に不安定で、座る際にはかなり注意を払う必要があったが、ヴァールはそれを面白いと感じていたという。
レドベターは、スツールの座り心地が想像以上にいいことに驚いていた。
「実に快適ですね」と、彼は言う。「座り心地がよくて、さまざまな姿勢でのプレイに対応できます。『絶対に手に入れないと』と言う人がどれだけいることか。まさに人を笑顔にしてくれるプロダクトです」
ヴァールのチームはその後、Xbox Eliteワイヤレスコントローラーの交換可能なスティック上部にあるリングを模したラバーリングをベースに取り付けるなど、Xboxらしいディテールをさらに加えていった。スツールを組み立てるときには、注意深く見ないと気づかないようなサプライズも用意されている。
「このコレクションにゲーム的な要素を加えるため、プロダクトにサプライズを仕込むのが好きなんです」と、ヴァールは語る。「Xbox本体のどこかには『Hello from Seattle』(シアトルからこんにちは)という文字が隠されています。わたしたちも同じようなメッセージを仕込みました。スツールを組み立てるときに一度だけ目にする、『Hej from Älmhult』(エルムフルトからこんにちは)という言葉です」
エルムフルトは、イケアの発祥の地であるスウェーデンの小さな町だ。隠された挨拶以外にも、イケアはいたるところにイースターエッグを散りばめている。この新たなゲーミングコレクションは、10月1日より順次、店頭やオンラインで販売開始される。
今後、イケアとXboxがさらにコラボレーションする可能性も、レドベターは否定していない。実際、両チームには第2弾に採用できそうなアイディアがまだ残されている。「検討中のアイディアについては、いまは話すのを控えておきます。まだ議論の舞台に乗っている状態ですから」と、彼は語る。「言えるのは、すぐにつくる余裕がなかった素晴らしいアイディアが山ほどあったということだけです。どれも面白いものばかりなので、まだネタバレしたくないですね」
コラボレーションが相次ぐいまの時代にあって、レッドベターのイケアとの協業に対する興奮は、どこか新鮮に映る。彼の自宅には、ハーマンミラーやイームズの家具に混じって、棚や観葉植物の鉢など、数多くのイケア製品が置かれている。
「あまり知られていない事実があるのですが、1990年代後半にワシントン州レントンにイケアの第1号店がオープンしたとき、妻とわたしは列の先頭に並んでいたんです」と、レッドベターは語る。
「妻があまりにも興奮していたので、地元のニュース番組が彼女を取材したほどです。実は、わたしたちはイケアの大ファンなんですよ」
(Originally published on wired.com, translated by Miranda Remington, edited by Mamiko Nakano)
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