2026年9月
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    山岡 鉄秀

    ジャーナリスト、情報戦略アナリスト

    台湾有事の「2027年説」はどうなっているのか。ジャーナリストの山岡鉄秀さんは「問題は侵攻の予定日ではなく、侵攻可能な条件が揃うかどうかだ。中国側では、国家総動員法制と出入国管理が整備・強化され、習近平にNOと言える人材が消えた。そして抑止力となる米国側についても条件が整いつつある」という――。


    2026年9月13日、中国の習近平国家主席が、インドのニューデリーで開催された第18回BRICSサミットの「BRICSプラス/アウトリーチ」形式の会議に出席した

    写真=Alexander Kazakov/Sputnik/時事通信フォト

    2026年9月13日、中国の習近平国家主席が、インドのニューデリーで開催された第18回BRICSサミットの「BRICSプラス/アウトリーチ」形式の会議に出席した



    悲願の台湾統一へ、いつ動くか

    中国でいま起きていることを、一つ一つ別々のニュースとして読んではいけない。


    人民解放軍最高幹部の相次ぐ粛清。国防動員法の全面改正。国民の出国管理の強化。南シナ海から太平洋に向けた潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の発射。そして、その一方で進むイラン戦争による米軍の弾薬消耗と、西太平洋から中東への空母戦力の移動。


    これらを一枚の絵として重ね合わせたとき、きわめて不気味な構図が浮かび上がる。


    「習近平が2027年の台湾侵攻を決断した」と言うつもりはない。それは誰にもわからない。しかし、以前から警戒されてきた「2027年」という窓が、北京にとって従来よりはるかに有利な条件で開きつつある。そして習近平政権は、その可能性を明らかに視野に入れた国家体制をいま構築している。そう考えるべき材料が、この数カ月で急速に増えたのだ。


    軍最高指導部から「重鎮」が消えた

    8月28日、中国の全国人民代表大会常務委員会は、中央軍事委員会副主席だった張又侠と、同委員で統合参謀部参謀長だった劉振立を国家中央軍事委員会から正式に解任した。


    本来7人で構成される最高軍事指導部に残ったのは、習近平を含めてわずか2人である。異常、という言葉では足りない。


    なかでも張又侠の失脚は重い。張は習近平と同じ「紅二代」であり、父親同士にも革命世代からのつながりがあった。人民解放軍最高指導部では数少ない実戦経験者であり、長年にわたって軍内に強固な人脈を築いてきた人物である。彼が台湾侵攻に慎重だったという観測は以前から存在する。


    だが、断定できる事実が一つある。軍事の専門家として、習近平に「それは無理だ」「今やるべきではない」と面と向かって言えるだけの権威を持つ人物が、ほとんどいなくなった。この事実が何を意味するかについては、本稿の最後に立ち返りたい。


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