RQ-4B墜落が問い直す「サイバー・エスコート」、無人機時代の自衛隊に問われる備え
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2026.9.16(水)
アメリカ 安全保障
米グアムのアンダーセン空軍基地で滑走路を移動する米空軍のRQ-4Bグローバルホーク(2024年9月17日、米空軍のサイトより)
三沢基地を離陸、約2時間40分後に鳥取県沖で消えた
9月15日午前10時20分頃、三沢基地を離陸した航空自衛隊所属の大型無人偵察機「RQ-4B」グローバルホーク1機が、その約2時間40分後、鳥取県沖の日本海で消息を絶った。
航空自衛隊によると、午後0時55分以降、機体の通信装置との接続不良が発生。午後0時58分頃、鳥取県沖北約50キロの洋上で通信が途絶え、レーダーから航跡が消失した。
その後、午後2時19分頃に海上保安庁のヘリコプターが浮遊物を発見。午後2時25分頃には航空自衛隊のF-15J戦闘機、午後3時12分頃には救難捜索機U-125Aも浮遊物を確認した。
航空自衛隊は午後5時20分頃、U-125Aが撮影した写真から浮遊物を当該機の一部と推定。その後、海上自衛隊のミサイル艇「はやぶさ」が午後6時頃に撮影した浮遊物の写真を確認し、午後7時50分頃、当該機が墜落したと断定した。
9月16日午前0時時点で、部外への被害情報は確認されていない。
グローバルホークは米国製で、防衛省は2017年度予算で、1機分の機体組み立て経費などとして168億円を計上している。
航空自衛隊は2022年3月に1機目を受領し、12月、三沢基地にRQ-4Bを運用する偵察航空隊を新編した。その後、2026年3月の部隊改編でRQ-4Bを運用する第502飛行隊は警戒航空団に編入された。
2023年6月には3機目が三沢基地に到着し、当初計画していた3機体制が整った。航空自衛隊が導入したRQ-4Bの墜落は今回が初めてである。
今回、航空自衛隊は「訓練中ではなかった」とする一方、飛行目的については「運用の細部にかかわる」として明らかにしていない。
グローバルホークは広域における情報収集・警戒監視などを目的とした無人航空機であり、センサーや通信システム、運用方法には当然、公開されていない情報が多い。
したがって、現時点で墜落原因を断定することはできない。以下はあくまで公開情報を前提に、元航空自衛隊幹部として、秘密にかかわらない範囲で考えられる論点を整理したものである。
まず気になるのは、通信装置との接続不良が確認された午後0時55分頃から、航跡が消失した午後0時58分頃まで、わずか約3分だったことである。
RQ-4Bには、地上との通信が途絶えた場合にも、あらかじめ設定された経路を自律的に飛行し、状況に応じて帰投する機能が備わっている。
実際、2021年に米ノースダコタ州で起きた米空軍RQ-4Bの事故では、地上側のワークステーションに異常が発生した後、機体が自律的に事前設定された経路で基地への帰投を開始したことが、米空軍の事故調査報告書で明らかになっている。
したがって、通信途絶そのものが直ちに墜落につながる航空機ではない。
一方で、今回の約3分という時間だけから、異常の内容を特定することもできない。
グローバルホークは最大高度約6万フィート(約1万8300メートル)で飛行できる高高度無人機だが、航空自衛隊は事故当時の飛行高度や速度を公表していない。
そのため、「高高度から3分間で海面まで降下することは通常あり得ない」と断定することも、「3分だから空中分解や外部からの操作だった」と結論づけることも、現段階ではできない。
機体側の重大な機械的・電気的故障、操縦・制御系統の異常、機体構造の破損など、まず調査すべき要因はいくつもある。
