2026年9月
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    昨日公表された総務省統計局「統計トピックスNo.149 統計からみる高齢者の現状」によれば、2025年65歳以上の人口は3624万人。そのうち70歳以上は2911万人で、総人口の23.7%にあたります。

    高齢者が占める割合は、年々過去最高を更新しています。長くなっていく老後をどのような家計で過ごしていくかは、多くの世帯にとって身近なテーマではないでしょうか。

    そこで今回は、そんな70歳代の蓄えに、あらためて目を向けてみます。夫婦などの世帯と、おひとりさまの世帯とに分けて、70歳代の金融資産がどれくらいあるのかをみていきます。

    あわせて、いまや珍しくなくなった「70代で働く」という選択が、老後の家計にどう関わってくるのかも考えます。数字は不安をかき立てるためのものではなく、これからの見通しづくりに役立てる気持ちで眺めていきましょう。まわりの平均は、ひとつの目安くらいに受けとめておくのがちょうどよさそうです。

    70歳代は、仕事の一線を離れ、年金と蓄えで日々を支える時期にあたります。まずは、同じ年代の世帯がどれくらいの金融資産をたくわえているのかを、二人以上世帯とひとり暮らしに分けてみていきましょう。

    世帯の人数によって、必要になるお金は変わります。金額の大小だけでなく、平均とあわせて「まん中の世帯」を示す中央値もみると、自分の暮らしに近い姿がつかみやすくなります。

    1. 70歳代の貯蓄額は、二人以上と単身でどれくらい?

    J-FLECが2025年に行った調査によると、70歳代がたくわえている金融資産は、夫婦などの二人以上世帯で平均2416万円、ひとり暮らしの単身世帯で平均1489万円でした。金融資産とは、預貯金に保険や投資信託・株式などを合わせた蓄え全体のことです。暮らしを支える人数がちがうため、二人以上世帯のほうが大きくなるのは自然な姿といえます。

    ただし、平均は一部の大きな資産をもつ世帯に引き上げられます。蓄えの少ない順に世帯を並べ、ちょうど中央にくる世帯の金額を示す中央値でみると、二人以上世帯で1178万円、単身世帯で500万円でした。平均との差は、二人以上でおよそ2倍、単身ではおよそ3倍にひらきます。

    世帯によって水準が変わるのは、支える人数や現役時代の働き方などがそれぞれ異なるためです。ひとり暮らしの中央値500万円という数字も、毎月の年金という下支えがあることを考えれば、その金額だけで先行きを判断する必要はありません。大切なのは、他人とくらべることよりも、自分の世帯の暮らしに見合った蓄えかどうか、という視点でとらえることです。

    金額だけをみると心細く感じる方もいるかもしれませんが、これらはいずれも、蓄えがない世帯も含めて計算した数字です。そして、70歳代の家計を支えるのは蓄えだけではありません。近ごろは、年金を受け取りながらも働き続ける方が増えていて、その収入が暮らしの助けになっています。次に、70代の「働く」姿に目を向けてみましょう。

    70歳代の蓄えは、二人以上世帯で中央値1178万円、ひとり暮らしで500万円ほど。数字にひらきがあるのは、それぞれの世帯が歩んできた道のりや働き方がちがうからです。総額の大きさをそのまま豊かさの差ととらえるより、自分の世帯の形に見合った蓄えかどうか、という目でみるほうが役に立ちます。

    そしていま、70代の家計を語るうえで欠かせないのが「働き続ける」という選択です。次のページでは、高齢者の就業がどこまで広がっているのかを、総務省の統計からみていきます。蓄えを取り崩すペースは、働いて得る収入によっても大きく変わってくるからです。同じ金額の蓄えでも、収入が続くかどうかで、もちこたえる年数はずいぶん変わってきます。だからこそ、70代の家計は、蓄えの残高だけでは語りきれないのです。

     

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