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    2026年9月22日(現地時間) – NVIDIAは、ゲーム開発者向けの最新情報として、「DLSS 5」の3Dガイド付きニューラルレンダリング(3D-Guided Neural Rendering)の開発者向けコントロールと採用事例、キャラクターAI基盤「NVIDIA ACE」のアップデート、レンダリング技術群「RTX Kit」の新バージョン、そして「RTX Mega Geometry 2.0」を発表しました。

    発表の概要

    今回の発表は、開発者向けの最新情報をまとめたもので、グラフィックス技術とゲーム内AIの双方にわたり、大きく3つの主要領域で構成されています。

    DLSS 5: 開発者向けコントロールの機能詳細と、『NBA 2K27』における細部調整事例の紹介。NVIDIA ACE: ゲーム内キャラクター向けの音声認識・音声合成モデルの追加と、ローカル推論SDKの機能拡張。RTX Kit / RTX Mega Geometry: 「RTX Kit 2026.3」として10種類のSDKを更新。RTX Mega Geometry 2.0では、高密度メッシュ向けのLODストリーミングに対応。

    このうちDLSS 5は、GeForce RTX 50シリーズ向けに9月4日(日本時間)から提供が始まっており、『NBA 2K27』が最初の対応タイトルとなっています。この内容はすでに記事にまとめていますので、そちらをご覧ください。

    ここでは、NVIDIA ACEとRTX Kit / RTX Mega Geometryについてを中心にお伝えします。

    DLSS 5の開発者向けコントロールとNBA 2K27での調整事例

    DLSS 5は、ゲームエンジンが描画したフレームを土台として、ライティングや質感の微細なディテールをAIによって補強する技術です。対応GPUはGeForce RTX 50シリーズで、1フレーム入力・1フレーム出力のリアルタイムパイプラインにより最大4K解像度まで動作します。

    仕組みの全体像、対応環境、NBA 2K27でのパフォーマンス、および有効化の方法については、以前の記事にまとめています。詳しくはこちらの記事をご覧ください。

    提供されるコントロールとしては、用途に応じたモデルの選択と使い分けをはじめ、「Structure Intensity(形状強度)」「Tone Intensity(トーン強度)」による効果の微調整、さらにセマンティックAIマスクとゲームエンジン側マスクによる精密な適用範囲の指定が備わっています。

    従来のラスタライズ描画を入力とした場合でも見た目の質感は向上しますが、レイトレーシングやパストレーシングによって計算された高精度なライティングなど、よりリッチな元データを与えることで、AIによる推論結果の正確性と説得力が大幅に向上します。

    NBA 2K27を開発したVisual Conceptsは、全体のトーンとスタイルのコントロールに加えて、ピクセル単位で補強量を調整するマスクを使っているとのことです。選手の肖像を尊重しながら、キャラクターのディテールを追い込んでいます。詳細は以下をご覧ください。

    NVIDIA ACEとIn-Game Inferencing SDKのアップデート

    NVIDIA ACEは、自律した知識を持ち、プレイヤーと自然に対話できるゲーム内キャラクターを構築するためのAIモデルおよびツール群です。今回のアップデートでは、音声周りのパイプラインと推論フレームワークが拡張されました。

    これらの高度なモデル群をゲームのグラフィックス描画と並行してローカル環境でリアルタイム動作させるための基盤が、NVIDIA In-Game Inferencing(NVIGI)SDKです。C++によるインプロセス実行設計により、ローカルAIモデルを遅延なく組み込むことが可能です。

    追加された主要モデル

    NVIDIA Nemotron Speech 3.5 Streaming: パラメータ数6億(600M)の音声認識(ASR)モデル。ストリーミング構成を採用し、高い認識精度を維持しながら遅延を最小限に抑えてプレイヤーの発話を文字起こしします。Qwen3 TTS: パラメータ数6億(600M)の音声合成(TTS)モデル。極めて自然で高品質な音声を生成し、キャラクター性に応じたカスタムファインチューニングにも対応します。

    In-Game Inferencing SDKの主な更新内容

    RTX Sparkへの対応(Developer Preview): 薄型ノートPCや高効率デスクトップ向けに設計されたNVIDIAの最新AI・グラフィックスプラットフォーム「RTX Spark」を先行サポート。対応モデルの拡充: GPTプラグインに「Gemma4」を統合。新プラグインとサンプルの追加: Stable Diffusionプラグインと実践的なサンプルコードを収録。推論パフォーマンスの改善: 最新のllama.cppの最適化を取り込み、実行効率を向上。NVIDIA In-Game Inferencingは、グラフィックス処理と並行してAIモデルをローカル実行するための統一的なプラグイン構成を提供

    音声認識、大規模言語モデル(LLM)、音声合成、画像生成が同一SDKのプラグインとして標準化されたことで、「プレイヤーの声を聞き取り、思考し、声で返答する」という知的NPCの一連の処理を単一のフレームワーク内で完結させやすくなりました。

    一方で、これらを美麗なグラフィックスレンダリングと同一のGPU上で共存させる以上、VRAM容量の確保やミリ秒単位の処理時間配分についてはタイトル側で慎重な設計が求められる点に留意が必要です。

    RTX Kit 2026.3とRTX Mega Geometry 2.0

    RTX Kitは、プログラマブルシェーダー内でのAI推論・学習、膨大なデータを持つシーンにおけるリアルタイムパストレーシング、さらにフォトリアルなデジタルヒューマンのレンダリングを支える統合技術スイートです。

    GitHubで公開されたRTX Kit 2026.3のリリースノートによると、今回のアップデートで合計10種類ものSDKが更新されています。

    SDK名称バージョン主な変更内容DLSS SDKv310.9.1DLSS Ray ReconstructionのTransformerモード(Preset F)を追加。不具合修正と全体的な安定性を向上。NVIDIA Realtime Denoisers SDKv4.17.3不具合の修正とデノイズ処理パフォーマンスの改善。Opacity MicroMap SDKv1.9.2動作の安定化および不具合の修正。RTX Character Rendering SDKv1.4.0遠景におけるヘアのBCSDFサンプリング精度およびエネルギー保存の計算を改善。RTX Dynamic Illumination SDKv3.1.0レンダリングサンプルにDLSS Ray Reconstructionを統合。ReSTIR PTの処理効率を改善。RTX Mega Geometry SDKv2.0.0高密度で非構造的なメッシュを対象に、2つ目のジオメトリパス「Cluster LOD」を追加。RTX Neural Shading SDKv1.4.0DX12 Linear Algebra API(Shader Model 6.10)に対応。RTX Neural Texture Compression SDKv0.10.0 BetaDX12 Linear Algebra API(Shader Model 6.10)に対応。RTX Texture Filtering SDKv1.3テクスチャ拡大表示時の品質を向上させる「Collaborative Texture Filtering(CTF)」を新規追加。Streamline SDKv2.14.1DLSS Multi Frame GenerationのDynamicモードにおいて、V-Syncおよびフレームレートリミッターとの併用に対応。不具合修正と安定性向上。

    NVIDIAの公式技術ブログでは、リリースノートに加えて以下の技術補足が示されています。

    Neural Texture Compression: DirectXシェーダー内部で行われるニューラルテクスチャの展開処理において、GeForce RTXのTensorコアをダイレクトに活用可能になります。Windows ARM64: Neural Texture CompressionおよびTexture Filteringが、新たにWindows ARM64環境に対応しました(GitHubのリリースノートには記載がなく、ブログ側で追記)。

    なお、リリースノート上の記述では「DX12 Linear Algebra API(Shader Model 6.10)」と簡潔に記載されているのみですが、公式ブログの解説では、対応先がDirectX 12 Agility SDKのプレビュー版であることが明記されています。Neural Texture Compression自体も現在ベータ版の位置づけとなっているため、実際の商用タイトルへの本格的な組み込みは、DirectX側およびSDK双方の正式リリースを待って進められる見通しです。

    このほか、フレーム生成フレームワークであるStreamline SDKのアップデートにより、DLSS Multi Frame GenerationのDynamicモードとV-Sync(垂直同期)や各種フレームレートリミッターとの併用が可能となりました。

    RTX Mega Geometry 2.0

    今回のRTX Kit 2026.3における最大のハイライトといえるのが、RTX Mega Geometry SDKのバージョン2.0です。従来のジオメトリパスに加えて、2つ目のパスとなる「Cluster LOD」が新たに実装されました。

    これにより、高密度かつ非構造的な複雑メッシュを対象に、連続的なLOD(詳細度)クラスタの動的ストリーミングが可能になります。この技術がどこまで細かいジオメトリを扱えるかは、新たに公開されたテクスチャ付きglTF版の「Zorah」(githubページから入手可能)で示されています。

    Cluster LODの一番の特徴は、シーンの元ジオメトリをすべてVRAMに載せなくてよくなった点にあります。あらかじめベイクした三角形クラスタを毎フレーム連続的なLOD階層から選び、必要な分だけVRAMへストリーミングします。そのため、扱える詳細度の上限は、メッシュの数ではなくメモリの予算で決まります。

    シーンが予算を超えた場合の挙動も考えられています。メモリプールが逼迫すると、許容するピクセル誤差を自動で引き上げます。そのため、読み込みと破棄を繰り返す状態(スラッシング)には陥らず、粗めのLODに落ち着きます。また、既存のテッセレーションパスとはマテリアルテーブル、TLAS、シーングラフを共有しているので、1つのシーンで2つのパスを併用できます。

    Cluster LODのそのほかのポイント

    glTF/GLBを読み込むだけで動作: 最初の読み込み時にクラスタをベイクし、ジオメトリごとにキャッシュします。ベイクのコストがかかるのは初回だけです。インスタンス数に強い: BLASの共有・キャッシュ・マージが標準で有効になっており、インスタンス数が増えても加速構造の構築コストが比例して膨らまないようにしています。カリングとの連携: 視錐台カリングとHi-Zオクルージョンカリングの結果を、LODの選択に反映します。VRAM予算の管理: サンプルアプリに、テクスチャ・Cluster LODプール・テッセレーションのメモリ予算を一括で調整し、VRAM使用量と比較できるウィンドウが追加されました。

    RTX Mega Geometryは、今後登場予定の期待作『Gears of War: E-Day』にも早期採用される予定です。この機能の導入により、大幅な画質の向上と高フレームレートの維持、さらにはコントローラー操作の応答性改善につながります。

    開発元であるThe CoalitionのスタジオテクニカルディレクターKate Rayner氏とレンダリングリードMike Perzel氏が、同作におけるRTX Mega GeometryとDLSSの統合アーキテクチャについて解説した技術動画も公開されています。動画では、同作がUnreal EngineタイトルとしてはじめてRTX Mega Geometryを搭載すること、そしてNaniteで使っているのと同じ詳細度のジオメトリを、レイトレーシングにも使えるようになることが語られています。

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    Gears of War: E-Dayの紹介

    PC向けの最適化とライティング

    RTX Mega Geometry

    パフォーマンスと応答性

    PC向け機能とまとめ

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    『Gears of War: E-Day』は、Gears of Warシリーズの最新作です。ローカストが初めて地上に現れて攻撃を始める「エマージェンス・デイ」を描く、シリーズの原点に立ち返った物語です。Unreal Engine 5でゼロから開発しており、アートもシステムも一新して、これまでにない映像品質を目指しています。

    Xboxのシリーズとして知られていますが、開発チームはPCも重要なプラットフォームと位置づけ、PCを念頭に置いて開発しています。NaniteとLumenを多用した高密度ジオメトリに加え、Mega Lightsを採用する最初期のタイトルの1つになります。

    ハードウェアによるレイトレーシングのライティング、シャドウ、反射に対応しています。

    テレビの光がシーンに反射する環境光りながら走り回り、動的な影とリアルタイムGIを落とす敵「ティッカー」銃のマズルフラッシュ明滅するライトによる緊張感の演出撃ったガラスのリアルタイム反射と透過

    こうした表現は、ベイクしたライティングでは実現できないものです。

    最上位の「Ultra」「Ludicrous」設定では、レイのサンプル数を増やすとともに、RTX Mega Geometryを使います。Unreal EngineのタイトルとしてはじめてRTX Mega Geometryを搭載します。

    これまでは、ラスタライズで描けるNaniteの詳細度と、レイトレーシングで扱える詳細度に差がありました。Mega Geometryを使うと、Naniteと同じ詳細度のジオメトリをレイトレーシングにも使えます。その結果、植物の影、岩の表面、有刺鉄線のような細かい形状が、よりシャープに正しく描かれます。

    DLSSなどのアップスケーリング技術を使えば、低解像度で描いた画像を機械学習で高解像度に変換できます。フル解像度では難しい高度なグラフィックス技術を使う余地が生まれます。

    また、Dynamic Multi Frame Generationで高いフレームレートを出すとともに、NVIDIA Reflexで遅延を減らして操作の応答性を高めています。対戦要素の強いマルチプレイでは、滑らかなフレームレートと入力遅延の少なさが重要になります。

    PCならではのカスタマイズにも力を入れています。HDRやフレームレートと解像度のバランスなど、プレイヤーが自分で選べるようにしています。

    21:9のウルトラワイドにネイティブ対応(最大32:9)リアルタイムで描くカットシーンもウルトラワイドで表示レビューなどで長く使われることを想定したベンチマーク機能

    レイトレーシングのライティング、RTX Mega Geometry、DLSS、Reflexを組み合わせ、映画のような映像をハイエンドゲームにふさわしいリアルタイム性能で体験できるようにしています。

    利用および提供状況について

    技術提供状況のまとめは以下のとおりです。

    What’s New for Game Developers: DLSS 5 with 3D-Guided Neural Rendering, NVIDIA ACE Updates, and New RTX Kit Capabilities

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