
武井壮
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タレント・武井壮(53)が出演した22日放送のNHK「ファミリーヒストリー」(火曜後7・30)が話題となっている。
番組では武井のルーツを紹介。さらに9歳の時に両親の離婚により生き別れとなった母・京子さんの行方を追ったもので、昨年死去していたことが明らかになったが、武井の母への思いと、遺品の中にひっそりと忍ばせた母の思いに感動の声が上がった。
NHKは公式サイトで武井の「母の行方にたどり着くまで」を「放送を終えた今だからこそお伝えできる制作秘話」として担当ディレクターの話で説明した。
同番組を11年担当する矢野哲治ディレクターは、武井と打ち合わせをした際に「1カ月猶予をください」と言い調査を開始した。だが、消息はわからず「もう少しお時間をください」と願い、取材を続けたという。
ようやく探し当てたものの、母は昨年闘病の末に亡くなっていたことが判明。33年前に再婚をした男性も、子供がいることは知らされてはいなかったという。
最初は取材を断った再婚相手の男性だが、武井がSNSなどで母に恨みなどはなく、慕っているという文章を投稿しているのを読み、取材を受けてくれることになった。また、当初は理由に気付かなかったが、京子さんの遺品の中に、雑誌を切り抜いた武井の写真が2枚あったことも、気持ちを変えた理由のひとつだった。番組では、その後、武井が再婚相手の男性とともに墓参りに行く様子も公開された。
矢野ディレクターは、「母が亡くなっていたことについて、武井さんに事前に伝えるかどうか悩まれましたか?」という問いに「いつ、どういうタイミングで武井さんにお伝えするかは、スタッフ内でも何度も議論しました。何年も前に亡くなっている、というなら話は別ですが、京子さんは、我々が武井さんと最初にお会いした日の2日前に亡くなられていました。亡くなった事実を告げずに取材を続けることが倫理的に正しいことなのかどうか、悩み続けました。なかなか答えは出ませんでしたが、それでも、武井さんにお母さまが亡くなられたという事実だけを、何の背景もないまま投げ出すようにお伝えすることだけはしたくないと思っていました」と言う。
「お母さまが抱えていた思いをたどりながら真実に迫り、武井さんが前を向いて生きていけるような事実と一緒に、母の死をお伝えできないかと」取材を重ねた結果、最終的に、写真の切り抜きの話を聞き、再婚相手の男性がインタビューに応じてくれることが決まったことで「VTRにまとめて、番組の収録で武井さんに初めてお伝えするのが最も良い方法だと確信しました」と決断。
番組では武井は雑誌切り抜き写真のエピソードを知り号泣したが、その後「心の中の大きなトゲが取れた。これからも強く、すがすがしい気持ちで生きていける」と語ったという。
もう少し早ければ、母に会わせることができたかもしれないと思ったものの、後日、武井は「もし母が生きていたら、僕はきっと会わないという選択をしたと思う。だからこの形でよかったんです」と語ったと明かした。
矢野ディレクターはその言葉の意味を「もし母がひとりぼっちで苦しく、つらい思いをしているなら何かできることをしたいけれど、元気で幸せに暮らしているならそれでいい、その邪魔はしたくない」という思いがあったのだろうと推察。武井は「収録後はすっきりとした気持ちで、毎日を過ごせている」と語っているとした。