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    Microsoftは9月24日(米国太平洋夏時間)、Windows 11の現行バージョン向けに8月27日公開のプレビュー更新プログラムを適用した一部のデバイスで、サインイン後に画面が真っ黒になる事象が発生していると明らかにした。デスクトップが正常に読み込めず、黒い画面が表示されるというもので、同社は今後のWindows Updateによる恒久対応までの暫定的な解決策を案内している。

    問題の引き金となったのは8月27日付のプレビュー更新プログラムだ。適用後にサインインすると、デスクトップを担うExplorer.exeの起動に失敗し、ユーザーは黒い画面しか見られない状態に陥る。Microsoftの調査では、仮想デスクトップ基盤であるAzure Virtual Desktop(AVD)ホスト上でFSLogixを利用している環境での発生が多く、特に既存のユーザープロファイルで再現しやすい傾向が確認されている。

    暫定対応は2つの方法

    この事象が発生した場合、まず手動でデスクトップを立ち上げる方法がある。画面が真っ暗な状態からCtrl+Alt+Deleteを押してタスクマネージャーを起動し、「ファイル」メニューから「新しいタスクの実行」を選択、explorer.exeと入力して実行すれば、デスクトップを強制的に呼び出せる。

    もう一つの対応策は、Microsoftが既に適用を始めている「Known Issue Rollback(KIR)」と呼ばれる仕組みを利用するものだ。KIRは問題の原因となる変更だけを巻き戻す機能で、インターネットに接続されたWindows 11デバイスであれば、最大24時間以内に部分的なロールバックが自動的に配信され、事象が暫定的に解消される。

    ただし、企業環境ではグループポリシーによってKIRが無効化されているケースがある。この場合、Microsoftが提供するWindows Installerを実行することで、本事象の原因のみをロールバックする特別なグループポリシーを設定できる。適用後には再起動が必要となる。

    相次ぐWindows 11の更新トラブル

    今回の黒画面問題は、2026年に入ってから続くWindows 11の更新プログラム関連トラブルの最新事例となる。市場関係者のまとめによると、同年1月のKB5074109では黒画面やOutlookクラシック版のPOPプロファイル設定エラー、AVDの認証不具合、ファイルエクスプローラーがdesktop.iniのカスタム設定を無視する問題が報告され、一部PCではブルースクリーンや起動失敗も確認された。

    3月のKB5079473ではMicrosoftアカウントへのログインが破損し、TeamsやOneDrive、Edge、Officeにまで影響が波及。11日後に帯域外更新のKB5085516で修正されたものの、同月のオプションプレビューKB5079391はインストールエラーのループを理由に撤回された。4月のKB5083769は一部PCでBitLocker回復画面を誘発し、複数回の再起動を要する事態となった。

    5月以降も問題は続いた。KB5089549はEFIシステムパーティションの空き容量が10MB未満のマシンでインストールに失敗し、ロールバックエラー0x800f0922が発生。6月のKB5094126はHP製ビジネスPCで起動失敗とBitLocker回復ループを引き起こし、48時間以内に150件超の報告が集まったほか、OneDriveの同期不良やごみ箱の不具合が複数のWindowsバージョンに及んだ。7月のKB5101650ではIntel製ドライバーとの競合によりDell製ビジネスPCで予期せぬシャットダウンや過熱、バッテリー消耗が発生し、MicrosoftはDellデバイス上で更新をブロックする措置を取った。

    直近の9月にはKB5124008の公開から数日で、リモートデスクトップの障害、USBオーディオの異常、LinuxおよびWSLアプリケーションのクラッシュ、Active Directoryドメインの問題、Excelのコピー機能の不具合、Explorer.exeのクラッシュ、AMD GPUの不安定化が確認された。9月14日には緊急更新KB5129195が投入されたが、すべての問題を解消するには至っていない。

    Windows 10との安定性の差が鮮明に

    対照的に、Windows 10の月次更新は2026年1月から9月までの9回のうち、大きな問題が確認されたのは1月と6月、7月の3回にとどまる。1月のKB5073724ではセキュアブートが有効で仮想化ベースのセキュリティを利用する一部PCでシャットダウンや休止状態への移行ができない問題が発生したが、2月のKB5075912で修正された。2月と3月の更新は特段の問題なく通過し、6月と7月はWindows 11と共通のパッチ基盤を採用していたためごみ箱の不具合やBitLocker問題の影響を受けたものの、その規模は限定的だった。9月のKB5122878は通常のセキュリティメンテナンス更新として問題なく配信されている。

    Windows 10は当初2025年10月にサポート終了を予定していたが、Microsoftは二度にわたって延長を決定。現在は拡張セキュリティ更新(ESU)プログラムを通じて2027年10月12日までセキュリティ更新を受け取ることができる。一方で、NVIDIA製グラフィックスカードを使用するゲーマーにとっては、Windows 10向けドライバーサポートの行方が引き続き留意点となる。

    今回の黒画面事象はプレビュー更新プログラムに起因するものであり、通常の月次セキュリティ更新を適用しているだけの環境では発生しない。とはいえ、企業のIT管理者にとっては、更新プログラムの適用前にテスト環境での検証を徹底し、KIRのグループポリシー設定状況を把握しておくことが、障害発生時の対応時間短縮につながる。Microsoftは恒久修正を今後のWindows Updateで提供する方針を示しており、影響を受ける環境では暫定策を講じつつ、追加の更新情報を注視する必要がある。

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