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コラムニスト・独身研究家
国立社会保障・人口問題研究所が9月11日、最新版の「出生動向基本調査(独身者調査)」を発表した。独身研究家の荒川和久さんは「結婚相手に求める年収がインフレした。背景には、子育て支援偏重の少子化対策が生んだ“残酷な格差”がある」という――。

写真=iStock.com/AntonioGuillem
※写真はイメージです
「800万円の普通の年収でいいです」
女性が結婚相手の男性に求める条件といえば、「経済力(年収)」というのが定説でした。
国の基幹調査である出生動向基本調査(独身者調査)でも、女性が「結婚相手の条件で重視・考慮する点」として「男の経済力」の割合は、1992年88.7%から2025年90.3%にかけて9割前後で終始一貫しています。一方で、男性が「女の経済力」を求める割合は1992年時点ではわずか26.7%に過ぎず、「結婚相手の経済力を求めるのは女性」というのは事実でもありました。
だからこそ、ネット系の婚活記事では常に「結婚相手の男に求める年収条件」が取りざたされ、そのたびに話題になります。
2019年にテレビ番組でも報道されて大きな話題になったのが「高望みはしません。年収500万円くらいの普通の男でいいです」発言です。これが物議を呼んだのは、当時でも年収500万円以上の25~34歳独身男性は3割にも満たず、「普通」どころか「上位3割に該当し、十分「高望み」だったからです。
しかし、その後も「男の年収条件」はインフレし続け、600万、700万と上昇し、ついに2026年には「800万円の普通の年収でいいです」発言になってきています。年収額はあがっても常に枕詞で「普通」がつくのですが、800万円は到底「普通」ではない。もはや数%しか存在しません。当然、マッチングするはずがありません。
そんな中で、男側の意識も近年大きく変わりつつあります。
26.7%に過ぎなかった男性の「女の経済力」を求める割合が、2025年の調査では55.6%にまで増加しました。1992年対比で、実に倍以上になっています。いまだ男女差はあるとはいえ、もはや男の過半数が「女の経済力」を求めるようになったことは大きな変化でしょう。
