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    Cisco Catalyst SD-WAN Managerの認証回避 脆弱性:CVE-2026-76504がサイバー攻撃に悪用、CVSS 9.8・CISA KEVに追加

    Ciscoは2026年9月30日、Cisco Catalyst SD-WAN Managerに存在する認証回避の脆弱性「CVE-2026-76504」を公表しました。深刻度はCritical、CVSS v3.1のベーススコアは9.8です。

    認証されていないリモートの攻撃者が、細工したHTTPリクエストを送信することで認証を回避し、adminユーザーの権限でAPIへアクセスできる可能性があります。

    Cisco Product Security Incident Response Team(PSIRT)は2026年9月、この脆弱性が実際の攻撃で悪用されていることを把握したとしています。Ciscoは修正版を公開しており、脆弱性そのものを解消するワークアラウンドはありません。

    米Cybersecurity and Infrastructure Security Agency(CISA)もCVE-2026-76504をKnown Exploited Vulnerabilities(KEV)Catalogへ追加しています。

    CVE-2026-76504のサマリー

    対象製品はCisco Catalyst SD-WAN Manager(旧vManage)です。
    CVE番号はCVE-2026-76504です。
    Ciscoの評価はCritical、CVSS v3.1は9.8です。
    弱点分類はCWE-177「Improper Handling of URL Encoding(Hex Encoding)」です。
    認証されていないリモート攻撃者が認証を回避し、adminユーザー権限でAPIへアクセスできる可能性があります。
    Cisco PSIRTは2026年9月に実際の攻撃での悪用を把握しています。
    影響はシステム構成にかかわらずCisco Catalyst SD-WAN Managerに及びます。
    Ciscoは修正版を公開しています。
    脆弱性を解消するワークアラウンドはありません。
    CISAはCVE-2026-76504をKEV Catalogへ追加しています。

    項目
    内容

    CVE
    CVE-2026-76504

    対象製品
    Cisco Catalyst SD-WAN Manager

    深刻度
    Critical

    CVSS v3.1
    9.8

    CWE
    CWE-177

    攻撃条件
    リモート、認証不要

    影響
    認証回避によりadminユーザー権限でAPIへアクセスされる可能性

    実悪用
    Cisco PSIRTが2026年9月に確認

    ワークアラウンド
    なし

    CISA KEV
    掲載済み

    URIエンコーディングの処理不備でAPIの認証を回避

    CVE-2026-76504は、Cisco Catalyst SD-WAN ManagerのAPIにおけるセッションベース認証管理の不備です。

    Ciscoによると、HTTPリクエストに含まれるURIエンコーディングの処理が適切ではなく、本来特定のAPIエンドポイントへのアクセスを制限するための認証ルールを回避できる問題があります。

    攻撃に成功した場合、認証されていないリモート攻撃者がadminユーザーとしてAPIへアクセスできます。

    CVSSベクトルは以下の通りで、ネットワーク経由で攻撃でき、事前の権限やユーザー操作を必要としない評価になっています。

    CVSS:3.1/AV:N/AC:L/PR:N/UI:N/S:U/C:H/I:H/A:H

    Ciscoは、この脆弱性がシステム構成にかかわらずCisco Catalyst SD-WAN Managerへ影響すると説明しています。

    Ciscoが実際の攻撃での悪用を確認

    Cisco PSIRTは、2026年9月にCVE-2026-76504が実際の攻撃で悪用されていることを把握しました。

    脆弱性はCisco Technical Assistance Center(TAC)のサポートケースを調査する過程で発見されています。

    Ciscoは、インターネットへ公開されているCisco Catalyst SD-WAN Managerについて侵害リスクがあるとしており、管理インターフェースやAPIへの外部アクセスを制限するよう案内しています。

    Ciscoが公開した侵害痕跡では、URIエンコードされた文字を含むj_security_check関連の不審なアクセスが確認ポイントとして示されています。

    管理者は、次のログで未知または許可されていないIPアドレスからの関連アクセスがないか確認するよう案内されています。

    serviceproxy-access.log
    vmanage-server.log

    Ciscoは、侵害の可能性を調査する場合、Cisco TACへ問い合わせることも推奨しています。

    修正版は20.9.10.1、20.12.8.2など

    Ciscoが公表している最初の修正版は次の通りです。

    Cisco Catalyst SD-WAN Software
    最初の修正版

    20.9より前
    修正版リリースへ移行

    20.9
    20.9.10.1

    20.12
    20.12.8.2

    20.15
    20.15.6.1

    20.18
    20.18.4.1

    26.1
    26.1.2.1

    26.2
    26.2.1

    Cisco SD-WAN Cloud(Cisco Managed)については、クラウド版Release 20.15.605で修正済みとしています。Ciscoによると、この環境では利用者側での対応は必要ありません。

    利用中のバージョンが修正版より前の場合は、互換性を確認したうえで修正版へのアップグレードが必要です。

    ワークアラウンドなし、オンプレミス環境では外部公開を制限

    Ciscoは、CVE-2026-76504を解消するワークアラウンドはないとしています。

    オンプレミス環境については暫定的な緩和策として、インターネットなど信頼されていないネットワークからCisco Catalyst SD-WAN Managerへ直接アクセスできない構成とし、アクセスが必要な場合も既知の信頼できるホストだけに制限するよう案内しています。

    Cisco Catalyst SD-WANのコントロールコンポーネントをファイアウォールなどのフィルタリング機器の背後に配置し、管理系通信を必要な送信元に限定することも推奨されています。

    ただし、これらは脆弱性そのものを修正する対応ではありません。Ciscoは修正版へのアップグレードを強く推奨しています。

    CISAもKEVへ追加、実悪用を前提に対応

    CISAはCVE-2026-76504をKnown Exploited Vulnerabilities(KEV)Catalogへ追加しました。

    KEVは、実際の攻撃で悪用された証拠がある脆弱性をCISAが掲載するカタログです。

    米連邦政府機関に対する是正期限は2026年10月3日とされています。

    Cisco自身も実悪用を確認しているため、企業の情報システム部門でもCVSSだけでなく、インターネット公開状況と実悪用の有無を含めて対応優先度を判断する必要があります。

    2026年にはCisco Catalyst SD-WANの別の脆弱性も実悪用

    Cisco Catalyst SD-WANでは2026年、別の認証回避脆弱性についても実際の攻撃での悪用が確認されています。

    CVE-2026-20127では、Cisco Catalyst SD-WAN ControllerやManagerなどのピアリング認証に問題があり、認証されていないリモート攻撃者による管理権限取得につながる可能性がありました。

    セキュリティ対策Labでは、Five Eyes各国の当局が連携して対応を呼び掛けた経緯を以下の記事で整理しています。

    Five EyesがCisco Catalyst SD-WANのゼロデイ悪用に緊急対応(CVE-2026-20127)

    情報システム部門が確認したい対応

    Cisco Catalyst SD-WAN Managerを利用している組織では、少なくとも次の順で確認します。

    Cisco Catalyst SD-WAN Managerの利用有無と稼働バージョンを確認する
    Ciscoが示す修正版より前のバージョンであれば更新計画を確認する
    管理インターフェースやAPIがインターネットへ公開されていないか確認する
    外部公開が必要な場合はアクセス元を信頼できるホストへ制限する
    Ciscoが示したログを確認し、不審な認証関連アクセスの有無を調査する
    侵害の疑いがある場合はログや診断情報を保全し、Cisco TACなどと連携して調査する

    今回の脆弱性では、修正版へ更新するだけでなく、修正前にインターネットへ公開されていた環境について侵害痕跡を確認する必要があります。

    出典

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    投稿者:三村

    セキュリティ製品を手がける上場企業にて、SOC(セキュリティオペレーションセンター)運営およびWebアプリケーション脆弱性診断の営業に8年間従事。その後、システムエンジニアへ転身し、MDMや人事系SaaSの開発に携わる。


    8年の実務経験と開発者としての知見を活かし、「セキュリティ対策Lab」ではダークウェブ調査、セキュリティインシデントの分析、および高度なセキュリティ対策解説の執筆・編集を統括しています。


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