2026年10月
    月 火 水 木 金 土 日
     1234
    567891011
    12131415161718
    19202122232425
    262728293031  

    惑星はどのように生まれ、成長するのか──。この答えを知るためには、生まれて間もない「若い惑星」を観測することが欠かせない。

    これまでに確認された約6,000個の太陽系外にある惑星の大半は、トランジット法(恒星の手前を惑星が横切る際のわずかな減光を捉える手法)などで発見された、誕生から数十億年を経た古い惑星である。一方、生まれたばかりの太陽系外惑星は、惑星を形成する材料であるガスや塵の円盤(原始惑星系円盤)に埋もれていることから、その姿を直接捉えることは困難だった。

    こうしたなか、チリのディエゴ・ポルタレス大学の博士課程学生アンドレア・ベルナルディらの研究チームが、地球から約450光年離れた恒星「Elias(エリアス) 2-24」の周囲に、形成からわずか100万年未満と推定される史上最年少の系外惑星を確認したと発表した。

    惑星を“隙間”から探す

    研究チームは今回、原始惑星系円盤に隙間や空洞といった構造をもつ7つの恒星に着目し、ハワイのW.M.ケック天文台に蓄積された観測データを調べ直した。成長中の惑星が円盤に隙間を切り開くと考えられることから、ベルナルディらはその隙間に狙いを定めてElias 2-24bを確認したのである。

    観測に用いられたケック天文台の「コロナグラフ」は、中心の恒星からの光を遮断し、周囲にある暗い天体由来の光を浮かび上がらせる装置だ。研究チームは2018年と20年に取得された観測データを解析し、かねて惑星の候補とされていた光点の位置を比較した。その結果、この光点が背景にある無関係な星や観測装置のノイズではなく、Elias 2-24と重力的に結びついた天体、すなわち惑星であるという結論に至ったのだ。

    この惑星「Elias 2-24b」は、主星のElias 2-24から約55天文単位(1天文単位は地球と太陽の平均距離)離れた位置を公転している。質量は木星の1.9〜4.0倍程度が上限とされ、実際にはこれより小さい可能性が高い。米航空宇宙局(NASA)は木星とほぼ同じ質量であると説明している。主星の年齢が100万年未満であることから、Elias 2-24bの年齢も同様に100万年未満と見積もられている。

    これまでに直接の観測で確認されていた最年少の系外惑星は、恒星「PDS 70」および「WISPIT 2」を周回する惑星で、いずれも誕生から500万年以上が経過している。今回の成果はこれらの記録を大幅に更新するものだ。

    これまで発見されたなかで最も若いとされる太陽系外惑星「Elias 2-24b」が、主星を取り巻くガスと塵の円盤内で成長を続けている様子のイメージ。

    Video: W. M. Keck Observatory/Adam Makarenko惑星形成モデルに見直しを迫るか

    Elias 2-24の円盤に隙間が存在することは、さかのぼること約10年、チリのアルマ望遠鏡の観測によって知られていた。その後、ヨーロッパ南天天文台の超大型望遠鏡がこの隙間に光点を検出しており、それが本当に惑星であるかどうかの議論が続いていた。

    ここで問題となったのが、惑星の形成モデルである。標準的な理論のひとつである「コア集積モデル」では、固体のコア(核)が成長して周囲のガスを引き寄せることで巨大惑星が誕生すると説明される。形成にかかる時間は計算の条件によって幅があるものの、NASAによると木星サイズの惑星が太陽から木星までの距離(約5天文単位)で形成されるまで約500万年を要する。さらに遠方であれば、より長い年月が必要とされてきた。

    Share.

    Comments are closed.