2026年10月
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    決算前の日本株は米国株に追随する? 好業績の主力株に資金シフト、AI銘柄は選別へ 野村證券ストラテジストが解説のイメージ

    米10年債利回り5%突破で何かが起きた?

    足元で日本と米国のバリューファクターのリターンが乖離しています。他のファクターをみても、株価モメンタム、時価総額、リビジョン、ヒストリカルベータ、売買代金など、主要ファクターでは特に9月中旬以降、日米の動きが乖離する例が目立ちます。

    9月中旬前後の動きとして、米国10年債利回りが節目とされていた5%に接近し、その後上回ったことが挙げられます。

    米国10年債利回りの推移(2026年7月以降)

    決算前の日本株は米国株に追随する? 好業績の主力株に資金シフト、AI銘柄は選別へ 野村證券ストラテジストが解説のイメージ

    (出所)Bloombergより野村證券市場戦略リサーチ部作成

    米国の長期金利が節目を突破したことで、一部の投資家が米国株で先んじて大胆なポジションシフトに動いた可能性もあります。金利の大幅な上昇を受け、バリューファクターやハイイールド債は下落しました。これは、相対的に足元の業績に安心感がある主力株へのポジションシフトを示唆しており、時価総額が大きい銘柄や株価モメンタムが高い銘柄への選好といえます。

    目先の日本株は、米国株のファクターの動きに追随する可能性が高いとみています。ロング(買い持ち)・ショート(売り持ち)勢がリスクを取りやすい状況になりつつあり、好業績銘柄主導の物色と高株価モメンタムの上昇がほぼ同義となる相場展開を想定していました。米国株で起きた動きは、日本株にも遅れて表れるとみています。

    AI“手のひら返し”銘柄は、より選別色が強まる局面へ

    ただし、こうした物色の持続性については見方が分かれるでしょう。テーマ型ETF(上場投資信託)への資金流入がみられなくなりました。このため、4~6月のように比較的長期にわたる一極集中相場を見込むのは難しいと考えています。したがって、当面は決算発表が本格化し始める10月第3週から第4週ごろまでを目安としたいと考えます。

    その理由は、AI“手のひら返し”銘柄の存在です。AI“手のひら返し”銘柄とは、AIの普及によって収益力や競争力が低下すると懸念されていたものの、実際にはAIによる代替リスクが高くなく、むしろAIの活用によって業績を拡大させる可能性がある銘柄を指します。下記には、BPR(純資産株価倍率)が割高で、過去12ヶ月の株価モメンタムが低く、過去3ヶ月のモメンタムが高い銘柄の超過リターンを示しました。これによると、7月以降、AI“手のひら返し”的な状況になる可能性がある銘柄群全体が上昇したことが分かります。

    グロース株について過去12ヶ月株価モメンタムが低く過去3ヶ月株価モメンタムが高い銘柄の累和超過リターン

    決算前の日本株は米国株に追随する? 好業績の主力株に資金シフト、AI銘柄は選別へ 野村證券ストラテジストが解説のイメージ

    (注)TOPIX500ユニバース。BPR割安度下位50%銘柄について、過去12ヶ月株価モメンタムに基づいて3分位に分けた時の下位3分の1銘柄を更に過去3ヶ月株価モメンタムに基づいて3分位に分けた時のモメンタム上位3分の1銘柄。2026年以降。
    (出所)QUICK、Bloomberg、IFISより野村證券市場戦略リサーチ部作成

    目先は、株価モメンタムファクターの米国へのキャッチアップなどにより、AI関連銘柄への資金シフトが短期的に進むとみています。その場合、これまで相対的に堅調だった銘柄群は、AI関連銘柄への投資の裏側で、いったんショートの対象となる可能性があります。ただし、これらの銘柄群ではAIが業績に及ぼす影響が次第に明らかになっており、今後は個別銘柄の選別が非常に重要になります。決算発表をまたいだポジションの維持には慎重でありたいと考えます。以下にはキャッチアップの可能性が高い銘柄、AI“手のひら返し”候補銘柄を示しました。

    【決算発表本格化序盤辺りまでの上昇を視野】高リビジョンかつ高株価モメンタム銘柄

    (注)TOPIX500ユニバース。リビジョン上位20%かつ過去12ヶ月株価モメンタム上位20%銘柄。PERはIFIS予想、来期優先。10月1日時点。
    (出所)QUICK、Bloomberg、IFISより野村證券市場戦略リサーチ部作成

    【ショートの決算またぎは慎重に】AI“手のひら返し”候補銘柄が多く含まれる銘柄群

    (注)TOPIX500ユニバース。BPR割安度下位30%銘柄かつ過去12ヶ月株価モメンタム下位40%銘柄かつ過去3ヶ月株価モメンタム上位40%銘柄。PERはIFIS予想、来期優先。10月1日時点。
    (出所)QUICK、Bloomberg、IFISより野村證券市場戦略リサーチ部作成

    (編集:野村證券投資情報部)

    編集元アナリストレポート

    日本株クオンツメモ – 決算発表に向けて物色は米株に追随か(2026年10月2日配信)

    (注)各種データや見通しは、編集元アナリストレポートの配信日時点に基づいています。画像はイメージ。

    ※本記事は、投資判断の参考となる情報の提供を目的としており、投資勧誘を目的として作成したものではございません。また、将来の投資成果を示唆または保証するものでもございません。銘柄の選択、投資の最終決定はご自身のご判断で行ってください。

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