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     「Linux」コミュニティー(筆者自身も含む)は長年、「今年こそLinuxデスクトップが主役の年になる」と言い続けてきた。

     これは(特に初期の頃は)、単なる希望的観測に過ぎないこともあった。ところが、ここ数年、その可能性がますます現実味を帯びてきているように思える。

     そこで本記事では、筆者がそう考える理由を5つ紹介する。ちなみに、ここで挙げるのは、「セキュリティ、自由、価格」といったありきたりなものではない。

    1. 「Snapdragon X2」のサポート

     Qualcommは、先ごろ公開した開発者ブログにおいて、Snapdragon X2シリーズで「Debian」と「Ubuntu」をサポートする計画を発表した(Debianは2026年中、Ubuntuは2027年前半にそれぞれ対応する予定)。これは決して小さなニュースではない。考えてみてほしい。ARMアーキテクチャー(Snapdragon CPUなど)は、バッテリー持続時間の長さ、AIとの親和性の高さ、そして、Appleが「Appleシリコン」で示した成功も追い風となり、コンピューターメーカーの間で急速に人気が高まっている。そのため、Snapdragon CPUを搭載したコンピューターが今後ますます製造されることになるだろう。それは確実だ。

     Linuxについては、Qualcommは「Oryon CPU」コアと「Hexagon NPU」でサポートを開始する予定だ。その後、Debianをベースとした、ボタン1つでLinuxを導入できるインストーラーをリリースする計画である。つまり、Linux対応のデバイスが増えるだけでなく、インストールが今よりさらに簡単なディストリビューションも登場することになる。現時点でも、Linuxのインストールは「Windows」よりも簡単なため、それを考慮すると、Linuxを使わない理由はさらに少なくなるだろう。

    2. AI(あるいはAIの非搭載)

     今どきのWindowsや「macOS」搭載コンピューターに関して筆者が耳にしたことのある最大の不満の1つは、AIが深く統合されていることだ。削除や無効化ができないほどコンピューターに深く組み込まれたAIを、誰もが望んだり、信頼したりしているわけではない。そうしたAIは、プライバシーを侵害するだけでなく、電力インフラに過度な負荷をかけ、環境にも悪影響を及ぼすため、一線を越えているとみなすユーザーもいる。Windowsで「Copilot」を完全に無効化するのは容易ではなく、一部のユーザーはそのことにいら立ちを感じている。また、MicrosoftもAppleも総力を挙げてAIに取り組んでいる。

     このことも、筆者が今後1年でLinuxを利用する人が増えると考える大きな理由の1つである。AIを避けたいユーザーは、AIと本質的に結び付いていない唯一のOSであるLinuxにますます目を向けるようになるだろう。ただし、AIが統合されたLinuxディストリビューションも存在することには留意しておく必要がある。幸い、WindowsやmacOSと違って、Linuxの場合、AI搭載のディストリビューションにするか、非搭載のディストリビューションにするかをユーザー自身で決められる。

    3. データの所有権

     ユーザーのデータは誰のものなのだろうか。一部のアプリやサービスの利用規約をよく読めば、データはユーザーのものではないと書かれている。本来なら、ユーザーのデータの所有権は100%ユーザーに帰属すべきだ。残念ながら、大企業は必ずしもそうは捉えておらず、ユーザー自身やユーザーのデータを商品にしたいと考えている。これは、WindowsやmacOSだけでなく、「Google Workspace」や「Microsoft 365」「iCloud」をはじめとした多くのサービスにも当てはまる。

     Linuxの場合、ユーザーのデータは、一切の例外なく全てユーザーのものである。Linuxでは、ユーザーが明示的に許可しない限り、テレメトリーを収集したり、送信したりすることはない。ユーザーに関するさまざまな情報を結び付けてプロファイルを作成することもない。ユーザーが自分のデータを保存しようが、削除しようが、編集しようが、Linuxは気にしない。ユーザーのデータはユーザーのものなので、好きなようにできる。もちろん、使用しているCPUやGPU、マザーボードなどをより正確に把握するために、ハードウェアに関する情報を収集するディストリビューションもあるが、それを許可するかどうかは、ユーザーが決められる。さらに、Linuxは、データディレクトリー(またはユーザーアカウント)を強引にクラウドサービスに接続させようとすることもない。ユーザーが希望すれば、接続することも可能だが、必須ではなく、勧められることもない。

     ユーザーがLinuxコンピューターで作成したり収集したりしたデータは、その1つ1つが、第三者ではなくユーザー自身のものだ。その原則がすぐに変わることはない。

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