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    3人の動きがつながって生まれた得点だった9・10月シリーズは4戦全勝。最後はニュージーランドに勝利して、キリンカップ優勝を果たした。(C)SOCCER DIGEST(サッカーダイジェストWeb)

     中村敬斗が左サイドで縦に仕掛けた瞬間、「行ける」と感じた。

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     日本が2-1で勝ったニュージーランド戦。決勝点となった2点目は、中村の突破から生まれた。

     相手のディフェンダーはカバーに行ける位置にいたのに、中へ戻った。中村はそれを見逃さず、一気に縦へ出てゴール前へボールを入れる。ニアには上田綺世が入り、その後ろに堂安律。最後は堂安が決めた。

     この2点目は良かった。中村の仕掛け、上田の動き、そして堂安のゴール前への入り方。3人の動きがつながって生まれた得点だった。

     ただ、相手の守備がもう少し良ければ、あそこまで簡単に縦へ行かせてもらえたかは分からない。カバーリングの選手が中村にしっかり寄せていれば、中村も一度、攻撃をやり直していたかもしれない。

     中村のドリブルは素晴らしかったし、上田のニアへの動きも、堂安の入り方も良かった。それでも、強豪国のディフェンダーならどう対応したかという視点は持っておきたい。

     その他にも、可能性を感じた攻撃がある。オフサイドになった上田の「幻の2点目」だ。

     見事な崩し方だった。中村の横パスから、佐野海舟、鎌田大地がダイレクトでつないで、中村のラストパスに抜け出した上田がネットを揺らす。サイドから個人で突破したのではなく、中央で何人かが関わりながら相手を崩し切る。わずかにオフサイドだったけど、こういう攻撃はもっと増やしたい。

     中央でこれを見せれば、相手は中を締めざるを得なくなる。そうなれば、今度はサイドが空く。中村や伊東純也が縦に仕掛けるスペースもできるし、ポケットも使いやすくなる。

     日本には、それができる選手がいる。特にこの試合で良かったのが、久保建英と堂安の関係だ。2人はポジションに縛られず、かなり自由に動いていた。久保が右にいると思ったら中央へ入り、時には左にも行く。堂安もそれに合わせて場所を変える。それでも2人が絡むと、相手を崩せる。

     この2人は以前から一緒に出た時の相性が良い。“止める・蹴る”の技術が高く、少しパスがずれてもきちんと収められる。相手も簡単には飛び込めない。ポジションを守らせるより、ある程度の自由を与えた方が2人の良さは出る。

     それができるのも、周りの選手がバランスを取っているからだ。鎌田や佐野が相手のカウンターを警戒しながらポジションを修正する。特に佐野は相変わらずボールを回収していた。そういう選手が後ろにいるから、久保と堂安も前で自由に動ける。

     一方で、課題はやはり「仕留めること」だ。

     日本は20本のシュートを打って2得点だった。積極的にシュートを打ったことは評価したいけど、もっと決められる場面はあった。先制点を挙げた上田にも追加点のチャンスがあった。ストライカーは何本かチャンスを外しても、最後に1本を決めることが大事だ。

     途中出場の塩貝健人には、少し気になる場面があった。カウンターで横にフリーの中村がいたのに、自分で仕掛けたプレーだ。結果を出したい気持ちは分かるけど、あそこは一度、中村を使って、自分がゴール前に入っていけばいい。

     代表では、自分が決めることだけがアピールではない。使うべき味方がいる時には使う。そういうプレーを重ねてチームメイトからの信頼にもつながる。自分で行くところと、味方を使うところ。その判断までを含めて、代表では見られている。

     そして、この試合で絶対に見過ごせないのが失点だ。

     きっかけは前田大然のパスミスだった。相手の激しいプレッシャーを受けて奪われたわけではない。フリーの状態からのミスだっただけに、周りも対応するのが難しかった。そのパスを奪われて、カウンターからゴールを割られた。

     もちろん、前田の良さは分かっている。切り替えは速いし、前からの守備もできる。ハードワークを惜しまない。あれだけ走ってくれる選手は相手からすれば嫌な存在だ。

     ただ“止める・蹴る”という部分はもっと求めたい。久保や堂安と比較すると、ボールコントロールの差がどうしても見える。プレミアリーガーに今さら求めるのは失礼かもしれないけど、前田がそこをもっと安定させられれば、今以上に怖い選手になれる。

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