「 驚かせよう 」と 近づいた 水上バイクが、友人の女性(22歳)を 轢いた 事故
水上バイクの事故は仲間内で起こることが多い
7月20日午後0時半ごろ、兵庫県赤穂市の恋ヶ浜の沖合で、22歳の女性が、友人の21歳の男子大学生が操縦する水上バイクに轢かれた事故が起こった。
搬送時、女性は心肺停止の状態で病院に搬送され、意識はなかったという。
約2週間後の翌8月2日、女性が搬送先の病院で死亡した。
司法解剖の結果、死因は「頭がい骨を損傷したことによる多臓器不全」ということである。
今月10月7日、業務上過失致死などの疑いで、この男子大学生が書類送検された。
姫路海上保安部によると、死亡した22歳の女性は、水上バイクを操縦していた21歳の男性を含む友人5人でビーチに遊びに来ていた。
男性が運転していた水上バイクは、レンタルショップで借りたものであった。
水上バイクを運転中に、波打ち際にいた知人女性らの近くを時速30キロメートルで走った際、誤って22歳の女性の頭部にぶつけて重傷を負わせたものである。
取り調べに対し、男性は「驚かせようとして、被害者らに近づきました」などと話しているという。
水上バイクの事故の一番の原因は、「 操縦者の知識や技量不足 」
本誌は、水上バイクの事故の一番の原因は、「 操縦者の 知識や技量不足 」だと考えている。
昔と違い、年間を通して水上バイクを乗っている人は少ない。夏の間の「数回だけ」という人が最も多い。
そういう人は、何年、水上バイクに乗っていても「腕前的にはビギナー」である。
さらに、最近の水上バイクは高性能なため、「自分は操縦が“上手い”」と 勘違いさせてくれる乗り物でもある。安定性もいいし、座ってアクセルを開けるだけで走り出す。急停止はできないが、ブレーキも付いている。
単に前進するだけなら、免許を手に入れたその日からフルスロットルで走ることができる。
「曲がれない」「停まれない」を知らない人が多すぎる
今回の事故ではないが、夏の水上バイクでよく見られる行為がある。それは、水上バイクに乗った人が、他人に向かって「水を浴びせかける」ものだ。
水をかけられた側も嬌声を挙げているが、実は非常に恐ろしい行為である。
時速30kmといっても、重量400kgもの大きな乗り物が自分に向かって迫って来るのだ。笑いごとではない。
水上バイクは、水を吸い込んで走る「ジェット推進」という構造上、水を吸い込み続けないと推進力がなくなり、ハンドルを切っても曲がらない。曲がるためには、アクセルを開けて推進力を得る必要がある。
しかも、水は抵抗力が大きく、すぐに曲がらないし、すぐには止まらない。自分が「どの位置で曲がれるか」「どの位置で止まるか」は、ある程度、上級者にならないと分からない。
結果的に、回避するだけの技量がなければ、”ぶつかる”しかない。そんな可能性を知っている上級者は、絶対に人の近くを走らないし、「水をかけよう」などと近づくこともしない。
それは、この乗り物が「どれだけ繊細な船体コントロールが必要か」、それが「どれほど難しいか」を知っているからだ。
水上バイクの事故の場合、 今回のように“知人同士”によるものか、“単独事故”が大半である。
仲間同士だと、どうしても非日常の解放感で気持ちが浮かれがちになる。「友人だから」という軽い気持ちで ふざけただけで、相手に大ケガをさせるだけでなく、最悪、死なせてしまう。くれぐれも、事故を起こさず、節度ある遊び方を心がけて欲しい。
