3D制作におけるUV展開は、モデル制作の後工程を支える重要なプロセスのひとつだ。近年では、リアルタイムコンテンツやWeb、AR向けのアセットなど用途が広がり、UVの品質だけでなく、限られたテクスチャ領域を効率よく使うための管理や、制作パイプラインへの組み込みやすさも求められている。
そんな中、UV編集に特化したツールとして展開されてきたRizomUVの最新版「RizomUV 2027」が登場した。
今回のアップデートでは、ユーザーの作業スタイルに合わせてレイアウトを変更できる新しいワークスペースをはじめ、UV処理の高速化、リアルタイムでのUV更新、シーン単位での管理、テクスチャ密度のコントロールなど、日々のUV編集を効率化する機能が追加された。
さらに、PythonによるスクリプティングやHeadless Mode、RizomUVLinkのマルチプラットフォーム対応など、制作パイプラインへの組み込みを想定した機能も強化されている。
ここでは、RizomUV 2027の主なアップデートを紹介していこう。
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作業環境とUV編集を柔軟にカスタマイズ

▲ Layout Preset Managerを使えば、パネルやツールバーの設定を含むカスタムワークスペースのレイアウトを保存・復元できる
作業スタイルに合わせて構築できる新ワークスペース
今回のアップデートでまず注目したいのが、ワークスペースの刷新だ。
RizomUV 2027では、各パネルを自由に移動・ドッキング・分離できるようになり、フローティングウィンドウとして別のモニターに配置することも可能になった。不要なカラムを折りたたんでビューポートを広く確保するといった使い方にも対応する。

▲ 2画面にまたがってワークスペースを配置することで、3Dモデル、Scene Outliner、UVレイアウトを横並びで確認することもできる
作業環境はプリセットとして保存でき、ツールバーの設定も含めて復元可能。プロジェクトや作業内容に応じて複数のレイアウトを使い分けることも可能だ。
また、ツールバー自体もカスタマイズできるようになった。よく使うコマンドを追加し、ドラッグ&ドロップで配置を変更できるほか、設定をファイルとして書き出して別のワークステーションへ移すこともできる。

▲ カスタマイズ可能なツールバーによって、よく使うコマンドをまとめ、作業スタイルに合わせて配置できる
さらに「Ctrl+K」による検索機能も追加された。ショートカットからツールや設定、パネルを検索し、その場所を直接確認できるため、メニューから目的の機能を探す手間を減らせる。

▲「Unwrap」で検索した状態。検索候補として、「Unwrap」を含むものが上部に表示されている
こうしたUI周りの改善によって、RizomUVをユーザー自身のワークフローに合わせて構築しやすくなった。
UV編集をよりスムーズにする処理・操作系の強化

▲ 1万以上のUVアイランドを持つ岩のアセット。最大5倍の高速化は、最大5倍の高速化は、大きなUVアイランドに対するOptimize処理に適用される
UV展開の処理速度も強化されており、特に「Optimize」アルゴリズムは、大きなUVアイランドに対して最大5倍の高速化を実現している。
RizomUV 2027では、シーン内のアイランドを並列処理するとともに、各アイランドの処理も最適化。高密度なアセットから、多数のアイランドを含む大規模なシーンまで、処理速度と操作時のレスポンスが向上している。
また、「Live Update」を有効にすると、エッジコンストレイントの追加・削除に応じてUVをリアルタイムに再計算できるようになった。操作のたびに処理を適用する必要がなく、コンストレイントを調整しながら結果を確認できるため、試行錯誤を伴うUV編集にも向いている。


▲ Live Updateを有効にすると、エッジ拘束を追加した際にUVアイランドの形状が即座に変化し、編集しながら結果をリアルタイムに確認できる。
境界線を整える「Align Borders」も追加された。UnfoldやOptimizeの処理時にアイランドの境界をU/V軸に沿って整列でき、不規則な境界を自動的に整えられる。


▲ Align Bordersの無効時(画像上)と有効時(画像下)。UnfoldまたはOptimizeの実行時に、対象となるアイランドの境界がU軸・V軸に沿って直線化される。
UVアイランドをより効率よく配置できるほか、テクスチャスペースの無駄を抑えることにもつながる。
そのほか、ビューポート上でカーソルを合わせたプリミティブやシームの対応エッジをプレビューできる機能や、Packing時のパディング、タイル境界をまたぐアイランドを視覚的に確認できる表示も追加された。エッジのアンチエイリアス表示や表示色・太さのカスタマイズにも対応し、UVの状態を確認しやすくなっている。
大規模なシーンとテクスチャ管理に対応
シーン全体を扱いやすくする「Scene Outliner」
アセットが複雑になるほど、UV作業では「どのオブジェクトを編集しているのか」を把握することも重要になる。
そこでRizomUV 2027に追加されたのが「Scene Outliner」だ。OBJやFBXから読み込んだオブジェクト、マテリアル、ポリゴングループを一覧から管理できる。

▲ Scene Outlinerでマテリアルを選択している状態。コントローラー上の対応するパーツがハイライトされており、複雑なアセットでも目的の箇所を見つけやすくなる。
マテリアル単位での分離表示や、ポリゴングループの選択、グループの境界エッジの選択なども行えるほか、選択した要素をタイルやグループへ振り分けることも可能だ。
複数のパーツやマテリアルを含むアセットでも、シーン内を個別に探しながら操作するのではなく、一覧から対象を確認・選択できるため、UV編集を効率化できる。
テクスチャの「密度」をコントロール
テクスチャ領域の使い方にも、新たな機能が追加された。
RizomUV 2027では、「Density」や「Protect」マップをアンビエントオクルージョンから生成できるようになった。
たとえば、奥まった部分や視認性の低い部分のテクセル密度を下げ、視認性の高い部分にはより多くのテクスチャ領域を割り当てるといった調整が可能になる。
DensityマップはUnfoldやPackingにも利用でき、Density Brushでペイントすると、ペイント中にUVをリアルタイムで最適化できる。さらに、ブラシは3Dビュー上でもボリュームブラシとして直接使える。また、DensityマップはPacking時の各アイランドのベーススケールにも反映されるため、テクセル密度に応じたUVのサイズ調整にも利用できる。
さらに、ポリゴン単位でColor IDを設定する機能や、表示中のテクセル密度に応じてポリゴンを塗り分けたUVスナップショットの出力にも対応。UVの配置を確認するだけでなく、限られたテクスチャ解像度をモデルのどの部分に割り当てるかを調整するなど、テクスチャ領域の管理にも活用できる。
複雑なアセットの編集を支える選択機能を強化
UV編集では、必要なエッジを正確に選択することも重要な作業のひとつだ。
RizomUV 2027ではエッジ選択機能も強化され、シームをまたいだエッジループの選択や、カットをまたいだ平行方向のエッジ選択に対応した。
Shortest Path選択も刷新され、処理速度が向上したほか、方向や直線性を考慮した選択が可能になっている。
Scene Outlinerからマテリアルやポリゴングループの境界エッジを直接選択できることも含め、複雑なハードサーフェスモデルなどで発生しがちな細かな選択作業を効率化する。

▲ 水色のエッジは、シームをまたいで選択された状態を示している。機械のような複雑な形状のモデルでも、手動で繰り返し選択する手間を減らせる。
制作パイプラインへの組み込みを強化
UVデータを保持したまま他ツールと連携
制作現場での利用を意識したファイル周りの改善も行われている。
RizomUV 2027では、UVコンストレイント、ピン、ブラシマップ、対称面といった設定をFBXファイル内に保持できるようになった。別のアプリケーションとの間でデータをやり取りする際にも、UV作業の設定を維持したまま往復できる。
また、glTF 2.0のインポート/エクスポートにも対応。リアルタイム、Web、ARなどで利用されるアセット形式との互換性を高めている。
大規模なFBXについても、シーン全体ではなく必要なオブジェクトだけを選択して部分的に読み込めるようになった。USDと同様、必要なデータだけを扱える。
Python/Headless Modeで制作工程を自動化
RizomUV 2027では、スタジオの制作パイプラインへの組み込みを想定した自動化機能も強化されている。
新しい「Headless Mode」では、画面を表示せずにRizomUVのスクリプト機能を実行できる。バッチ処理やビルド工程、レンダーファームとの連携など、自動化された制作環境での利用を想定した機能だ。
スクリプト言語にはPythonを採用。組み込みのPythonインタープリタやスクリプトエディタに加え、操作内容を再実行可能なスクリプトとして記録するコマンドログも用意されている。
また、DCCツールとの連携を担う「RizomUVLink」は、従来のWindowsに加えてmacOSとLinuxにも対応。Python 3.9~3.13をサポートし、変更通知によって外部ツール側がRizomUVの状態変化を検知できる仕組みも導入された。
BlenderなどのDCCツールとの連携から、制作パイプラインやレンダーファームでの自動化まで、同じスクリプティング環境を利用できる。
macOSではApple SiliconとIntel Mac向けのネイティブビルドを提供。Linux向けにはポータブルなAppImageが用意され、RHEL、Rocky Linux、AlmaLinux 8/9、Ubuntu 24.04以降などの環境で利用できる。
X11とWaylandの双方に対応し、VFX Reference Platformに準拠したPython 3.13環境を採用。OSを問わず、同じスクリプティング環境やRizomUVLink、ヘッドレスモードを利用できる構成となっている。
個人のUV作業効率からスタジオのパイプラインまで


▲ 緑色のアウトラインは、UVアイランドの周囲に設定されたパディングを示している。これにより、アイランド同士の間隔を視覚的に確認できる。
RizomUV 2027では、UV展開そのものの高速化に加え、作業環境のカスタマイズ、複雑なシーンの管理、テクスチャ密度の調整、制作パイプラインの自動化まで、UVワークフロー全体をカバーする機能が追加された。
自由度の高いワークスペースやLive Updateによって日々の編集を効率化する一方、Scene Outlinerや選択機能の強化によって、複雑なアセットの管理や編集もサポート。さらに、Python、Headless Mode、RizomUVLinkによる自動化機能によって、スタジオの制作パイプラインへの組み込みにも対応する。
個々のアーティストの作業環境から大規模な制作パイプラインまで、UV制作を取り巻くさまざまなワークフローに対応するアップデートとなっている。
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RizomUV 2027は、15日間の無料トライアルを実施中。
今回紹介した新機能やワークフローも、実際の制作環境で確認することが可能だ。
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UV作業はどこまで速くなる? 最新RizomUVを現場目線で見る
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“テクスチャ制作の課題”を専門的に解決するツールとして現場で支持されてきたRizomUVを紹介した記事。
https://cgworld.jp/special-feature/2603-rizomuv.html
