一度見たら忘れない、日本の個性派建築(Photo:ELLEdigital)
街を歩いていて、ふと足を止めてしまう不思議な建物。日本には、私たちが知っている建物の姿を鮮やかに裏切る、ユニークな建築が点在している。宙に浮いていたり、カラフルな迷宮のようだったり。四角い箱という建物のルールを飛び出したその姿は、眺めるだけで純粋にワクワクさせてくれる。建築家の遊び心やこだわりが、そのまま形になったような4つの場所。常識にとらわれない自由なデザインの世界を、さっそく覗いてみよう。
顔の家/京都
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京都の衣棚通、京町家が並ぶ一角に突如として現れる巨大な「顔」。1974年、建築家・山下和正がグラフィックデザイナーの自宅兼事務所として設計した「顔の家」だ。見る人の記憶に深く留まることを意図したその大胆な造形は、誕生から50年もの間、変わりゆく京都の街を静かに見守り続けてきた。かつては人々を驚愕させたであろうその姿も、今では地域のシンボルとして、当たり前のように日常の風景へと溶け込んでいる。
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現在は「studioかおのいえ」が運営するショップ&ギャラリーとして、新たな息吹を吹き込まれている。1階の店内には、文具やインテリア、アーティストの一点ものなど、自分だけの「好き」を見つけるためのこだわりの品々が並ぶ。2025年6月には小さな「FACE CAFE」も加わり、より親しみやすい場所へと進化した。時代にむやみに同調することなく、独自の世界観を大切にするこの空間は、観光客も地域の人々も心地よく迎え入れてくれる。
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<写真>1階ギャラリーでは、企画展やワークショップなどを不定期で開催している。
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顔の家
住所/京都府京都市中京区衣棚通二条上ル堅大恩寺町740
三鷹天命反転住宅 イン メモリー オブ ヘレン・ケラー/東京都
撮影:加藤健 提供:荒川修作+マドリン・ギンズ東京事務所
荒川修作とマドリン・ギンズが長年の研究を経て構築した「三鷹天命反転住宅」は、東京西郊外で異彩を放つ。瀬戸内寂聴が“極彩色の死なない家”と称した通り、内外装を彩る14色の色彩と、一つとして同じものがない9つの住戸が特徴だ。ここは単なる住居ではなく、身体が中心となるよう設計された実験的な環境。日常を過ごす場所を捉え直すことで、人間の潜在的な感覚を呼び覚ます“死なないための家”として、建築界や芸術界に大きな衝撃を与え続けている。
