マクラーレンのチーム代表アンドレア・ステラは、2026年F1第17戦シンガポールGPのスプリントで接触したランド・ノリスとオスカー・ピアストリについて、「到底容認できない」と非難。両ドライバーと内々で話し合いを行い、個人よりもチームの利益を優先する原則「パパイヤルール」を改めて徹底させると説明した。
4、5番手を走行していた2台は、20周のレースの最終周に同士討ちを演じた。そのままの順位でフィニッシュすればチームとして計9ポイントを獲得できるはずであったが、実際には1ポイントに終わった。
この結果、コンストラクターズ選手権3位につけるマクラーレンは、レッドブル・レーシングの接近を許すこととなった。両チームのポイント差は11点にまで縮まった。
ステラ、同士討ちに「到底容認できない」
マリーナベイ市街地コースのターン5で、ノリスは4番手を走るピアストリのイン側から追い抜きを試みた。コーナー進入時には一時的に横並びに近い位置まで進んだものの、エイペックスでスペースがなくなり接触。ピアストリはリタイヤし、ノリスは走行を続けて8位でフィニッシュした。
10月10日(土)の予選後、ステラは、優勝にこそ手が届く状況ではなかったと認めつつも、スプリントでは「まとまったポイントを獲得できるはずだった」と振り返り、次のように続けた。
「それなのに、マクラーレン同士で接触し、事実上レースを失った。ランド(ノリス)は1ポイントを獲得できたが、それでは全く足らない。2台があのように接触することは、到底容認できるものではない」
そのうえで、両ドライバーとはチーム内で話し合うとし、「チームの利益は我々個人の誰よりも遥かに大きいということを改めて伝える」と説明した。
「どんなエゴも、どんな個人も、マクラーレンF1チームの利益を上回ることはない。いつものように、こうした話し合いを通じてチームはさらに結束し、より強くなると確信している」
マクラーレンは、両ドライバーがタイトルを争った2025年シーズンを通じて、順位を争う際の接触を禁じる「パパイヤルール」を繰り返し持ち出した。
2人は昨年のシンガポールGPでも接触する場面があった。この件についてチーム側は、ノリスに責任があると判断。ノリスは残りのシーズンで非公開のチーム内制裁を受けた。だがこの措置は、アメリカGPのスプリントでピアストリがノリスに接触したことで、すぐに撤回された。
スチュワード無処罰も、ノリス「叱られた」
今回の接触についてスチュワードは、「どちらにも全面的または主たる責任はない」との判断を下し、ペナルティを科さないことを決定したが、チーム内部ではノリスにより多くの責任があったと判断されたようだ。
マクラーレンは今回、スプリントから予選までの間に両ドライバーを交えた話し合いの場を設けた。ノリスは「チームとして全員で話した。僕は謝った。でも、皆がそれ以上のことを知る必要はない」と語り、「叱られた」とも明かした。
さらに、「分かると思うけど、この件で喜んでいる人はいない。僕もそうだし、オスカー(ピアストリ)もそうだ。誰もこんな結果を望んじゃいなかった。お互いに、もっと上手くやれたことがあった。それについて話をしたんだ」と説明した。
ピアストリも「当然、こういうことは起きていいものじゃない。誰もが、自分たちの置かれた立場を理解している。だから大丈夫だ。これまでどおり一緒に頑張っていく」と語った。
ステラは、今回の同士討ちを「深刻」に受け止めているとしたうえで、ドライバー達からの「謝罪を求めているわけではない」と語り、求めているのは「今回のことを踏まえて、どうすれば一緒にチームの利益を追求し、守り、さらに高めていけるかという視点だ」と説明した。
マクラーレンは次戦アメリカGPまでの間にも、再び話し合いを行う予定とみられている。
