日本時間10月11日(日)21時にスタートが予定されている2026年シーズンのF1第17戦シンガポールGPの決勝レース。ここでは、降格ペナルティ適用後のスターティンググリッド、予選結果からの変更点、そして予想されるタイヤ戦略と天候状況についてまとめる。
スターティンググリッド:16台変動
現時点では、グリッド降格ペナルティに伴い、合計16台のスタート位置が予選順位から変動する見通しだ。
予選6番手のジョージ・ラッセル(メルセデス)は、パワーユニット(PU)交換に伴う40グリッド降格ペナルティを受け、21番手からスタートする。
アイザック・ハジャー(レッドブル・レーシング)は予選でタイムを記録できなかったが、スチュワードから出走許可を得て、最後尾22番グリッドに着く。
一方、現時点で国際自動車連盟(FIA)からの発表はないが、予選17番手のフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン・ホンダ)も決勝に向けてPUを交換する予定であり、グリッド後方に回る見通しだ。
フロントロウに並ぶのは、ジュニア時代から幾度となく最前列を分け合ってきたマックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)とシャルル・ルクレール(フェラーリ)だ。
以下は暫定スターティンググリッド。正式版との差異が生じた場合は更新される。各ドライバーの予選結果からの変動も併せて記載する。
Pos
No
Driver
Team
Qualifying
1
3
M.フェルスタッペン
レッドブル
1(-)
2
16
C.ルクレール
フェラーリ
2(-)
3
44
L.ハミルトン
フェラーリ
3(-)
4
12
A.K.アントネッリ
メルセデス
4(-)
5
1
L.ノリス
マクラーレン・メルセデス
5(-)
6
81
O.ピアストリ
マクラーレン・メルセデス
7(+1)
7
10
P.ガスリー
アルピーヌ・メルセデス
8(+1)
8
30
L.ローソン
レーシングブルズ・RBPT
9(+1)
9
41
A.リンブラッド
レーシングブルズ・RBPT
10(+1)
10
27
N.ヒュルケンベルグ
アウディ
11(+1)
11
87
O.ベアマン
ハース・フェラーリ
12(+1)
12
31
E.オコン
ハース・フェラーリ
13(+1)
13
55
C.サインツ
ウィリアムズ・メルセデス
14(+1)
14
5
G.ボルトレート
アウディ
15(+1)
15
43
F.コラピント
アルピーヌ・メルセデス
16(+1)
16
14
F.アロンソ
アストンマーティン・ホンダ
17(+1)
17
23
A.アルボン
ウィリアムズ・メルセデス
18(+1)
18
18
L.ストロール
アストンマーティン・ホンダ
19(+1)
19
11
S.ペレス
キャデラック・フェラーリ
20(+1)
20
77
V.ボッタス
キャデラック・フェラーリ
21(+1)
21
63
G.ラッセル
メルセデス
6(-15)
22
6
I.ハジャー
レッドブル
RT
レースの模様はフジテレビNEXTおよびFODで完全生配信・生中継される。
タイヤ戦略:ソフト軸の1ストップが本命
Courtesy Of Audi
雨で濡れたピットレーンを赤いレインライトを点灯させて走行するニコ・ヒュルケンベルグ(アウディ)を含むF1マシン、2026年10月10日(土) F1シンガポールGPスプリント(マリーナベイ市街地コース)
土曜日のスプリントではオーバーテイクがあまり見られず、展開が落ち着いた後は比較的単調なレースとなったが、より長い距離を走る決勝では、タイヤの性能差と交換のタイミングが順位を左右することになる。
実際、昨年のレースで記録されたオーバーテイクは計21回だが、その大半は各車のタイヤ性能の差が拡大したラスト20周に集中した。
ミディアム→ソフトが最有力
例年通り、ドライコンディションであれば今年も1ストップ戦略が主流となりそうだ。
マリーナベイ市街地コースは、路面とコースレイアウトの両面でタイヤへの負荷が小さく、デグラデーションが大きな問題にならないことから、柔らかいコンパウンドを中心とした戦略が採用される可能性が高い。例外的な状況を除き、ハードが積極的に選ばれる理由は今のところ見当たらない。
ピレリのシミュレーションで本命とされるのは「ミディアム→ソフト」だ。推奨されるピットウインドウは28~34周目。次善策は「ソフト→ミディアム」で、この場合の推奨交換時期は26~32周目となる。
ピレリのモータースポーツ・ディレクターを務めるダリオ・マッラフスキは、こう語る。
「スタートでは、C5(ソフト)が最も興味深い選択肢となるだろう。ソフトは序盤により高いグリップを得られるため、多くのドライバーにとって第一候補になるはずだ。デグラデーションが低いため、第1スティントを長く引っ張り、有利にタイヤを交換できるレースの中立化(セーフティーカーの導入など)を待つという考え方も可能になる」
11番グリッド以降は全車が、そしてトップ10組の中では、フェルスタッペン、マクラーレン勢、ニコ・ヒュルケンベルグ(アウディ)が、それぞれ新品ソフトを少なくとも1セット温存している。
後方勢はハード始動も選択肢か
一方、変則的な戦略を採る可能性があるのは、PU交換によるペナルティを受けるラッセルや、最後尾からスタートする見通しのハジャーだろう。
マシンの競争力は高いが、追い抜きは難しい。こうした状況では、集団の中での周回を避け、クリーンエアーの中でマシンのポテンシャルを生かしてタイムを刻んでいく方法が有効だ。
そのため、ハードタイヤでスタートして第1スティントを延ばし、他車がピットストップを行ったところでペースを上げて差を縮め、終盤にフレッシュなタイヤを使って順位を上げる選択肢が考えられる。
デグラデーションが小さい分だけアンダーカットの効果は限定的となるが、逆にオーバーカットは機能する可能性がある。
ハードを使う場合、「ミディアム→ハード」であれば推奨交換時期は25~31周目となり、「ソフト→ハード」であれば23~29周目となる。
ハードを使う1ストップ戦略は、ソフトとミディアムを使う1ストップ戦略より約5秒遅いとされるが、それでも2ストップよりは5秒速いと見込まれている。
決勝当日の天気と降水確率
以上はドライレースの場合の選択肢であり、雨が降れば意味をなさない。土曜のスプリントはウエットレースとなったが、決勝はどうか。
日曜日のシンガポールは、午前と夕方に雷雨が予想されているが、夜にかけて雨の可能性は低下していき、レース開始予定時刻である現地時間20時の降水確率は30%となっている。
もっとも、レース中に降雨がなくても、スタートまでに雨が降れば路面のラバーは流され、グリップは完全にリセットされることになる。
