
阿部慎之助氏
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5月に長女への暴行容疑で逮捕され、不起訴となった巨人・阿部慎之助前監督(47)が球団に復帰する可能性が11日、浮上した。役職はフロント含めて未定。山口寿一オーナー(69)に辞任を申し入れ、涙の謝罪会見を行ってから約5カ月。球団創設92年で初のシーズン途中の監督退任(選手兼任を除く)という重い事態から、復帰の道筋が見えてきた。
涙の謝罪から5カ月。阿部前監督が球団に復帰する可能性が出てきた。役職はフロントを含めて未定で、今後、詳細を詰めていくとみられる。
3年契約3年目だった今季は勝利と育成を掲げて、2年ぶりのV奪回を目指した。だが、交流戦開幕前日だった5月25日夜、都内の自宅で長女への暴行容疑で現行犯逮捕。翌26日に山口寿一オーナーと面会し辞任を申し入れた。「伝統ある巨人軍の監督の名を汚した」と謝罪されたオーナーは「暴力を振るった事実は重く、監督を続けることは許されないと判断しました」と厳しく断罪。その後の球団事務所での会見では大粒の涙をこぼし頭を下げた。
その後、6月9日に書類送検され15日に不起訴が決定。代理人を通じて「私自身の未熟さによるもので、全ての非は私にあります。大切な家族に大きな負担をかけることになり、猛省しております。まだ今後のことは考えられませんが、家族と向き合う時間を大切にしながら過ごしてまいります」とのコメントを発表していた。
シーズン中の現役監督の逮捕。伝統球団にとっては92年の歴史の中で初めてのシーズン途中での監督退任という異例の事態に、批判の声は相次いだ。一方、騒動直後から「阿部慎之助氏の監督復帰を求める会」が立ち上がり、オンラインでの署名活動も展開。13万筆を超えた署名と要望書が球団に提出された。
それを受けて7月、山口オーナーは「大変多くの方々から励ましを頂いたのは本当にありがたい。阿部さん本人も大きな力になっていると思います。ただ、監督の人事をどうするかは、また別物」と発言。現場から復帰を望む声も少なくなかった。その中で、阿部前監督の反省の姿勢などを慎重に見極めながら、再チャレンジの機会が与えられる運びになったとみられる。
交流戦からは橋上監督代行が指揮を執り、“阿部イズム”を継承した上で、阪神とシーズン最終盤まで優勝争いを展開したが、この日CSファーストSでDeNAに敗れた。阿部前監督は反省の日々を過ごす中で、常に試合結果をチェック。動向を気にかけていた愛する球団のため、誰よりも尽力する覚悟を持っている。
▽阿部前監督の今シーズン辞任 5月25日に自宅での長女への暴行容疑で現行犯逮捕され、26日未明に釈放。姉妹のけんかを止めようとした際、長女から言い返されたことに腹を立てたことが原因だったが、同日午前中に山口オーナーに辞任を申し入れて受理された。その後は橋上オフェンスチーフコーチが監督代行を務めることが決定。6月9日に書類送検され、同15日に東京地検が総合的考慮により起訴猶予として、不起訴処分に。9月上旬には一部メディアの単独インタビューを受け「恩返しの続きをしなければならない」などと答えていた。
◇阿部 慎之助(あべ・しんのすけ)1979年(昭54)3月20日生まれ、千葉県出身の47歳。安田学園から中大を経て、00年ドラフト1位で巨人入団。強打の捕手として活躍し、12年は首位打者、打点王、最高出塁率に輝き、MVPと正力松太郎賞を受賞。17年に通算2000安打を達成した。19年に現役引退。通算成績は2282試合で打率.284、406本塁打、1285打点。00年シドニー五輪、08年北京五輪、09、13年WBC日本代表。20年に巨人2軍監督、22年から1軍コーチを経て、24年に監督就任。1メートル80、88キロ。右投げ左打ち。
