2026年11月
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    インターナショナルマッチウィーク期間に行われた愛媛FCとのJリーグ ヤマザキビスケット ルヴァンカップ 1stラウンド2回戦。FC東京にとって名称をリニューアルしたリーグカップ戦の初戦となるゲームに向けて、アウェイのニンジニアスタジアムへと乗り込んだ。

    ともにポゼッションを基軸とするチーム同士の対戦。東京は押し込みながら即時奪回を狙っていくが、愛媛が巧みな立ち位置でパスコースを生み出して主導権を握る時間帯が続く。

    だが、そこを田中颯選手のファインセーブなどでうまく耐え抜くと、前半16分に東京が一瞬のスキを突いて試合を動かす。

    左サイドでボールを持った高宇洋選手が空間を使った柔らかい浮き球パスをゴール前へ送り、ここに走り込んだ佐藤恵允選手がうまくバウンドを合わせて左足で蹴り込んでゴール。この日のファーストシュートをきっちりと決め切り、青赤が1点のリードを奪った。

    これで試合運びに余裕の出た東京は、速攻と遅攻を臨機応変に織り交ぜながら攻め手を強めていく。

    前半19分に室屋成選手が負傷交代するアクシデントに見舞われながらも、最終ラインからの多彩なビルドアップで決定機を演出。鮮やかな攻撃で完全に試合の流れをつかんだ。

    序盤に好セーブを披露していた田中颯選手は、前半終了間際に訪れたピンチでも横っ飛びから左手一本で弾き出すビッグセーブを見せてゴールを許さず。さらに至近距離からのシュートも超絶反応で防ぎ、守備でチームを盛り立てていく。

    後半に入っても試合の流れは変わらない。石原広教選手のヘディングがファウルと判定されてノーゴールとなる不運もあったが、それでも変わらず攻め続けた後半14分に長倉幹樹選手がスルスルと持ち上がって右足を振り抜き追加点。これでリードを2点に広げた。

    終盤には新加入のダニ ゴメス選手が短時間ながら青赤デビューを飾り、チームはうまくボールをつないで時間を使いながらタイムアップ。公式戦4試合連続のクリーンシートでしっかりと3回戦進出を勝ち獲った。

    勝利は巡ってくるものでも与えられるものでもない。自分に絶対に必要なものだと考えて努力を重ね、自ら勝ちとっていくもの──。この哲学がしっかりとチームに浸透した青赤は現在、公式戦11戦無敗。6試合連続のクリーンシートと結果を残すことができている。

    過密日程の8連戦に臨んでいるチームが3試合目に迎えるのは、水戸ホーリーホックとのJリーグ ヤマザキビスケット ルヴァンカップ3回戦。水戸は今シーズンからリーグ戦のホームゲームを主に水戸信用金庫スタジアムで開催しているが、この試合はケーズデンキスタジアム水戸で行われる。ハーフシーズンの明治安田J1百年構想リーグでアウェイゲームを戦ったスタジアムとして記憶に新しいところだ。

    半年前に行われたアウェイゲームは1-1のタイスコアからPK戦の末に勝利。序盤から積極的なプレスで自由を奪われ、中央を固められ、強風にも悩まされて、東京らしいサッカーを展開することができなかった。何とか勝点2を手にしたものの、水戸のタイトな守備に苦しめられた印象が強く残る試合だ。

    今回の対戦でも相手の厳しいディフェンスをどう上回っていくかがポイントになるだろう。しかし、もちろん青赤もしっかりと進化している。対戦相手の出方に応じて戦えるだけの柔軟性を手にして臨機応変なサッカーを展開。前からくるなら相手の矢印を折りながら剥がしていく。もちろんシンプルにスペースを突く形も得意のパターンだ。引きこもって守りを固められても、マンツーマンで向かってきても、相手にズレを生じさせるトライを粘り強く繰り返すことでゴールと勝利を重ねられるようになった。

    試合中の修正力が上がっている点も見逃せない。先週末の明治安田J1リーグ第9節浦和レッズ戦では、後半に選手それぞれが的確なサポートと判断を見せてクオリティがアップ。「攻撃は最大の防御なり」という格言どおりのサッカーで3点を奪って圧倒し、しっかりと試合をクローズして勝利を手にした。

    今シーズンは開幕戦を除いた公式戦全試合で後半にゴールを決めており、うまくいかない時間でも決して焦ることはない。安斎颯馬選手が「0-0は僕たちにとっては全然OKな展開」と話すように、積み上げてきたものが“立ち戻るベース”となって試合を進めることができているのはポジティブな部分と言える。

    今回の水戸戦も難しい試合になる可能性を視野に入れながら、冷静に試合を進めていけばいい。クリーンシートを続けていることすらも、選手たちは「いつかは失点することがある」と理解しており、地に足を着けた戦いで一つずつ前進していく覚悟を固めている。もちろん中2日、中3日という連戦で疲れていることは想像に難くないが、松橋力蔵監督は「選手たちはみんな良い表情をしていますし、良い会話が飛んで、良い緊張感を持つこともできている」と全員で一戦一戦を大事に捉えて前に進めている手応えを感じている様子だ。

    今大会の1stラウンドは一発勝負のノックアウト制で行われるため、展開によっては15分ハーフの延長戦、さらにはPK戦も含めて決着をつけることになる。フレッシュなメンバーも含めた総力戦。青赤軍団が“Jの聖杯”に向かって、また一つ上のステージをめざしていく。

    Q、タイトな守備をしてくる水戸ホーリーホックとの対戦に向けて、チームにはどのようなフィードバックをしましたか。
    A、明治安田J1百年構想リーグのホームでの試合は自分たちのリズムでしたし、スコアもしっかりとれたというところもあります。守備のところは失点をゼロで抑えられている部分もあるので、そこはしっかりと続けることと、やはりこういうケースが出ると危ないよというところ、本当に自分たちがやれることを徹底してやれるように、今日のミーティングでもしっかり話をしました。

    Q、中2日や中3日と連戦が続くなかで、選手たちの表情や雰囲気をどのように受け止めていますか。
    A、良い表情をしていますよ。みんな疲れていると思いますが非常に良い表情をしていますし、良い会話がされています。そのなかで緊張感もしっかりと持っています。今みんなが「ここで」という思いもあると思いますし、本当にまた一戦一戦をどれだけ大事に捉えられるかというところが重要になります。そこをみんなもしっかりと受け止めてやっていってくれると思います。

    Q、選手たちに浸透している「勝利が必要だ」という言葉など目線が合ってきていると思います。
    A、僕自身もいろいろ学んでいくなかで、人間は弱気になると「欲しい」という気持ちというか、「ここで勝てれば」とか、他力なところに目が向きがちですが、先を見るのではなくて、自分たちが目標としているものをどうやって自分たちで勝ち得ていくかというところで、「勝利が必要なんだ」という言葉を使いました。自分たちに必要なものだからこそ努力しますし、『欲しい』というのは人から与えられる可能性もありますけれど、そうやって得たものは喜びも一瞬だと思うんですよね。もちろん試合に勝利すれば嬉しいですが、帰り道にはその想いはどこかに飛んでいます。その意識が『欲しい』なのか『必要』なのかで重みが全然違いますし、どこまでも続けられるんじゃないのかなという思いが伝わればと思って使っていました。

    Q、途中でピッチに立った選手が活躍するという良いサイクルに入っている点について、どのように捉えていますか。
    A、どの選手が出ても活躍できるということは本当に大きいです。だからこそ目線というよりも、選手一人ひとりが「次は俺だ」という意気込みでやってくれていると思いますし、今の組織のなかから漏れないというか、一人ひとりがそういう戦いに挑んでやってくれています。それをサポートする仲間という部分もあると思いますし、ある意味では本当にセルフィッシュにならなければいけないところもあると思います。しかし、それは勝手気ままにということではなく、本当に「一人はみんなのために、みんなは一人のために」というのが、すごく良い形でできているのではないかなと思います。

    Q、フラットな競争が行われているからこそ、開幕戦以外のすべての試合で後半に得点が入っている点について、どのように捉えていますか。
    A、僕の采配がすべて良い方向に行くなんていうことはまずないですし、それを良い方向に見せてくれているのは選手なので、そこは本当に選手たちに感謝したいです。どんどんそこについていってほしいなと思っています。 

    仲川輝人選手

    Q、カップ戦でまた頂点をめざす戦いが始まりますが、どのような試合にしたいですか。
    A、一発勝負なので、毎試合言っていますが、前半で試合を決められるような展開を望んでいます。なかなかそううまくいかないことの方が多いですが、今のところ先制点は自分たちで奪えているので、その先制点の大事さというのは次の試合でもキーポイントかなと思います。

    Q、先制点をとれない時間が長くても、焦れない戦い方ができている点も今のチームの強みだと感じます。
    A、失点をゼロで抑えられているところ、特に守備に関しては全員が連動してしっかり守れているというところは一番評価できるので、ここは継続していきたいです。それがあるからこそ、良い攻撃ができているというのはありますね。

    Q、天皇杯3回戦の湘南ベルマーレ戦では、待望のシーズン初ゴールを決めましたが、ご自身としては出番がきたらどのようなプレーをしたいですか。
    A、ゴールというのが一番誰もが分かる結果なので、そこをめざして戦いたい。ですが、プレスバックだったり、相手の芽を摘む守備というのは前線からやっていかないと、良い守備から良い攻撃が実現できません。相手のプレー時間を短くする上で、前線からの守備だったりプレスバックでマイボールにするというところは、この前の湘南戦の時もうまくできていました。そういったところを、僕だけではなくてチーム全体でやれれば、主導権を握る時間帯が自ずと増えてくると思います。

    Q、得点という部分で、ファン・サポーターのみなさんは仲川輝人選手のゴールを待っていると思います。
    A、荷が下りたので、ここから得点がとれるのではないかなと思いますし、身体のコンディションも良いです。前に前にというアクションがこの前の浦和レッズ戦の佐藤恵允選手のゴールのようにリンクしていると感じます。そういった姿勢はキープしつつ、最後は結局シュートを打たないと何も起きないので、自分自身もその姿勢を崩さずに戦いたいです。

    大森理生選手

    Q、カップ戦で頂点をめざす戦いが始まりますが、どのような試合にしたいですか。
    A、本当に連戦が続くので、まずはチーム全体で一つずつ勝っていくというところで、リーグ戦もカップ戦も含めて戦っています。1試合1試合変わらず勝利をめざしてやっていきたいです。

    Q、チームとしては非常に良い流れですが、今のチームの雰囲気や勢いはどのように感じていますか。
    A、得点シーンに表れているように、本当にみんながアグレッシブに、前向きに、スムーズにゲームができていると思うので、すごく良い手応えを感じています。

    Q、先日の試合ではサイドバックで出場していましたが、複数ポジションをこなすうえで、自分のなかではどのように整理してプレーしていますか。
    A、この連戦でチームに貢献するというところで、しっかり自分の役割をこなすというのは1番大事なことですし、勝利にも、クリーンシートにもつながっているので、すごいやりがいを持ってプレーできています。

    Q、サイドバックで出場する時、意識していることはありますか。
    A、素晴らしい選手が揃っているし、攻撃のところでは流動性があるので、しっかりチームメイトにボールを預けていればゴールまでいけているし、愛媛FCとの試合では実際に得点にもつながりました。自分のできるプレーと、ボールを預けて受け直してというところのすみ分けを意識してプレーすることが重要だと感じています。

    Q、今年のはじめには「1番下からのスタート」と話していたなかで、天皇杯3回戦の湘南戦ではキャプテンマークを巻かれていました。今のご自身の立ち位置をどう感じていますか。
    A、まずピッチに立って、しっかり直接勝点に貢献するというところでいうと、やっとピッチに立ち始めてきたので、まだまだここからです。チームの流れも調子も良いですし、自分自身もとても良いコンディションとモチベーションでサッカーができているので、続けていきたいです。


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