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    eスポーツのトッププロ向けゲーミングモニター「ROG Swift OLED PG259QWS Ace」を発表したASUSのゲーミングブランドROG。“ミリ秒”のさらに向こう側で戦う選手が快適にプレーできるよう、リフレッシュレート720Hz、応答速度0.02ミリ秒という超ハイスペックを実現した。そんな同機種はグローバルで展開するものの、日本向けの工夫が随所に見られる。ASUSのPaul Kuo氏とGavin Tsai氏が製品戦略とこだわりを明かす。

    ASUS シニアディレクター ディスプレイ事業部のPaul Kuo氏(写真左)と同社シニアプロダクトディレクターのGavin Tsai氏(写真右)

    ASUS シニアディレクター ディスプレイ事業部のPaul Kuo氏(写真左)と同社シニアプロダクトディレクターのGavin Tsai氏(写真右)

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     台湾のPCメーカーであるASUSが展開するゲーミングブランド「ROG」(Republic of Gamers)は、2026年で誕生20周年を迎えた。それを記念して、マザーボードやグラフィックスカード、ポータブルゲーム機、フルタワーデスクトップPC、Mini PC、ゲーミングチェアなど、特別仕様の周年記念製品群をリリースする。

     2026年9月17~21日に開催(21日は台風のためリアル開催が中止)された「東京ゲームショウ2026」(TGS2026)では、ブースで20周年記念製品を展示。黒を基調にゴールドを配色した統一のデザインが、アニバーサリーにふさわしいゴージャス感を演出する。

     ラインアップには、ポータブルゲーム機「ROG XBOX Ally X20」をはじめ、NVIDIA GeForce RTX 5090と32GB GDDR7メモリを搭載したハイエンドグラフィックスカード「ROG Astral GeForce RTX 5090 Edition 20」など、20年間で積み上げた集大成とも呼べそうなアイテムが並んだ。どれも抜群の性能を誇るトップティアモデルと言えるだろう。

     だが、際立っていたのは20周年記念製品だけではない。24.5インチ有機EL(OLED)ゲーミングモニターの「ROG Swift OLED PG259QWS Ace」は、リフレッシュレート最大720Hz、応答速度0.02ミリ秒(GTG)の性能をアピール。デモでは、フレームレートによる見え方の違いを映し出していた。確かに、比較すると一目瞭然。映像がなめらかなだけでなく、残像感のない境界面はよりクリアに見える。

     それだけのスペックで訴求するターゲットは、当然eスポーツのトッププロが中心。ASUS シニアディレクター ディスプレイ事業部のPaul Kuo氏と同社シニアプロダクトディレクターのGavin Tsai氏に聞くと、ROGがeスポーツにより力を入れていく姿勢が見て取れた。

    TGSに出展したROGブース。20周年の記念アイテムをメインに展示していた

    TGSに出展したROGブース。20周年の記念アイテムをメインに展示していた

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    技術の進化で実現したトッププロ向けスペック

    ――TGS2026では、ROG20周年を前面に押し出したブースを展開していました。来場者の反応はいかがでしたか。

    Paul Kuo氏(以下、Kuo) 多くの人がROG20周年モデルのラインアップを見に来てくださいました。それぞれ反応も好感触。ROGとしては、この20年間で周辺機器やゲーミングルーターなどトータルな製品で最高のゲーミングエクスペリエンスを提供することを心がけてきました。それをお伝えできる場になったのではないでしょうか。

     製品として注目してもらえたのが、ゲーミングモニター「ROG Swift OLED PG259QWS Ace」。リフレッシュレートが最大720Hzに対応している製品で、我々にとっても目玉です。特に、eスポーツのトップティアプレーヤーに使ってほしいと考えています。

    ――PG259QWS Aceを投入した狙いを教えてください。

    Kuo 以前はリフレッシュレート610Hzが上限でした。しかし、これではまだ足りないと感じたんです。2~3年前からパネルサプライヤーと協議を始めた結果、現時点では技術的に720Hzまで実現できることが分かりました。そこでPG259QWS Aceを開発することになったのですが、720Hzで満足しているわけではありません。技術的な研究を進め、さらに上を目指したいと考えています。

    Gavin Tsai氏(以下、Tsai) もちろん、モニターだけ720Hzのリフレッシュレートを実現しても意味がありません。OSやGPUをはじめ、ゲームメーカーとも調整が必要。エコシステム全体で720Hzにするために関係者との話し合いを進めました。

    リフレッシュレート720Hzに対応する「ROG Swift OLED PG259QWS Ace」。解像度は1920×1080のフルHD。サイズは24.5インチだ

    リフレッシュレート720Hzに対応する「ROG Swift OLED PG259QWS Ace」。解像度は1920×1080のフルHD。サイズは24.5インチだ

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    ――なぜ、610Hzでは不十分だと感じたのでしょうか。

    Kuo リフレッシュレートを高めることは、選手のプレイングに影響します。例えば、500Hzの場合のフレーム表示時間は2ミリ秒(0.002秒)ですが、720Hzだと約1.4ミリ秒(0.0014秒)。約0.6ミリ秒短縮されます。

     さらに、PG259QWS AceはOLEDを採用しており、画素の切り替え速度である応答速度は0.02ミリ秒。残像感がなく、表示は非常になめらかです。ゲーム操作に対する応答がそれだけ速くなることは、プロゲーマーにとってはかなり重要だと思います。

     実際、プロ選手にも使ってもらって、「圧倒的に違う」とコメントをいただきました。720Hzのハイスペックなモニターのニーズは実感しています。

    Tsai これまではIPSパネルが主流でしたが、それだとモーションの境界線で残像がありました。しかし、OLEDだとそれがまったくありません。映像のモーションクオリティーは格段に上がっていると言えます。

    ブースでは、リフレッシュレートの違いによる映像の見え方のデモを実施していた。カメラのシャッター速度が100分の1秒(10ミリ秒)なので、高フレームレートの表示ほど写真はブレて見えるが、実際は最もなめらかな映像が残像感なく映し出されていた

    ブースでは、フレームレート(fps)の違いによる映像の見え方のデモを実施していた。カメラのシャッター速度が100分の1秒(10ミリ秒)なので、高フレームレートの表示ほど写真はブレて見えるが、実際は最もなめらかな映像が残像感なく映し出されていた

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    ――ROGとしてeスポーツ向けの製品に力を入れる理由を教えてください。

    Kuo ROGのゲーミングモニターはこれまで様々なセグメントのゲーマーに対してトータルソリューションを提供してきました。競技向けではない、ゲームを楽しむカジュアル層からミドル層向けの製品も広くラインアップを用意しています。

     ですがeスポーツ向けの製品は技術が追い付いていなかった部分もあって、ユーザーのニーズに十分に応えられていなかった。そこを補完するために今回のハイエンドモデルを開発したのです。マーケットの規模としては決して大きいわけではありませんが、欠けていたラインアップを埋めることが重要だと考えて取り組みました。

    Tsai トップ層に向けた製品だけではニッチなので、今回の製品でも幅を持たせています。ミドル層向けにリフレッシュレート540Hzに対応する「ROG Strix OLED XG259QWPG Ace」、リフレッシュレート360Hzの量子ドット有機EL(QD-OLED)を採用した「ROG Strix OLED XG259QDNS Ace」を日本に向けて展開します。トップ層向けの製品で得たノウハウをカジュアル層やミドル層向けの製品にも展開できるので、いいサイクルが生まれると期待しています。

    ――プロゲーミングチームや大会で使用してもらう戦略があれば教えてください。

    Kuo すでに、2026年11月からシンガポールで開催される『Counter-Strike 2』のeスポーツ大会「PGL CS2 Major Singapore 2026」の公式モニターに採用されることが決まっています。これを皮切りに、大会の使用モデルがOLEDのモニターに移行していくと考えています。

     大会を開催する以上、運営側は最高の機材をそろえたい気持ちがあるはず。我々としてもモニターの魅力を伝えていくことで周知していきたいと考えています。

     プロゲーマーとのコミュニケーションも大事にしています。実際にいくつかタイトルを試していただき、そのフィードバックを開発に生かしているのも特徴です。例えば、ユーザーとの距離やチルト角を数値化して表示できる「ポジションセンサー機能」。これもプロゲーマーからの要望を基に実装しました。

    Tsai 日本ではプロeスポーツチーム「VARREL」とパートナーシップを結んでおり、モニターのフィードバックをいただいています。今後もeスポーツに関しては、投資していくことを決めています。世界中のeスポーツチームとのつながりを強化していきたいですね。

    モニターの高さや角度、ユーザーとの距離を測定して表示する「ポジションセンサー機能」。毎回同じセッティングでプレーできる

    モニターの高さや角度、ユーザーとの距離を測定して表示する「ポジションセンサー機能」。好みのポジションの数値を覚えておけば、同じ環境でプレーできる

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