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    井元康一郎のクルマ進化論

    井元 康一郎

    井元 康一郎
    自動車ジャーナリスト

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    2026.10.15(木)

    2026年9月、東京で日本初公開されたテスラの無人タクシー専用車「サイバーキャブ」(写真:共同通信社)

     アメリカのEVメーカー、テスラが9月、レベル4の自動運転を想定して開発した無人タクシー専用車「サイバーキャブ」を日本で初公開した。

     運転装置やミラーなど日本の公道走行認可に必要な装備を持たないため静態展示のみだったが、一般ユーザーから自動車業界関係者まで多数が押し寄せる盛況ぶりで、自動運転への関心の高さがうかがえた。

     サイバーキャブの最大の特徴は、自動運転にE2E(エンド・ツー・エンド)という技術を活用している点だ。カメラなどが捉えた周囲の情報から、AIが人間のドライバーのように走行状況を認識し、ハンドル操作や加減速などの制御につなげる技術である。

    AIが変えた自動運転の開発競争、テスラなど米中勢が先行

     自動車分野における自動運転の研究開発は当初、ルールベースという方式が主流だった。

     一般的なカーナビ向けのものとは桁違いに高精度なマップを持ち、カメラ、ミリ波レーダー、ソナー、LiDAR(ライダー、レーザー光による測距装置)など全身にハリネズミのごとく装備したセンサーで取得した情報とマップを参照させながら走るというものだ。

     その潮目が一気に変わったのは2020年代に入ってから。AIが予想を超えて進化を遂げ始めたのに伴い、人間の認知・判断・操作に相当する処理をAIに一体的に学習させるE2Eが急速に台頭し、各国の有力メーカーが相次いで開発を強化した。トップランナーはアメリカと中国の両巨頭で、サイバーキャブはその成果の一つである。

     このムーブメントに日本勢は当然危機感を持つ。テスラが東京でサイバーキャブを公開した1週間後、日本自動車工業会(自工会)の佐藤恒治会長は「技術では世界に負けていない」と、E2Eをベースに道路管制と協調してクルマを走らせる独自の自動運転レベル2++のフレームワーク作りに、メーカーの壁を超え、省庁と連携して行うと表明した。

     ここで疑問が起こる。テスラ(米)、ウェイモ(米)、バイドゥ(中)、オートX(中)などがすでにレベル4の商用化を進め、ウェイブ(英)なども実用化に向けた開発を加速させている。そうしたプレーヤーが今後さらに増えると見込まれる中、日本はなぜレベル4の実現を前面に掲げず、レベル2++という“わが道”を強調するのかということだ。

    米テキサス州の市街地で試験運行を開始するウェイモの自動運転タクシー(2025年6月、ⒸBob Daemmrich/ZUMA Press Wire/共同通信イメージズ)

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