10月9日から10月12日までの4日間、東京・天王洲エリアを舞台に開催された、国内最大級の複合型アートフェスティバル「MEET YOUR ART FESTIVAL 2026」。多様なプログラムが展開され、アートを軸に、音楽、ファッション、食、クラフトなど、さまざまなカルチャーが交差。150名以上のアーティストと協働し、会期中には大勢の来場者が訪れた。なお、昨年は約5万人が来場し、今年は開催直前時点でのチケット販売数が前年比約250%で推移。過去最大となる6.1万人を超える来場者を記録した。
「MEET YOUR ART FESTIVAL 2026」の告知バナー
その要因を、MEET YOUR ART FESTIVAL実行委員会 委員長・MEET YOUR ART代表の加藤信介さん(エイベックス・クリエイター・エージェンシー株式会社 代表取締役社長)はこう分析する。
「これだけ領域横断的で大規模かつ都市型のアートフェスティバルは、国内で本イベントが唯一と言えると思います。オンリーワンであること、そして個別のコンテンツの強度が高いことが多くの方から支持を得ている理由だと考えています」
イベントのコンテンツは豊富で、展示はもちろん、トークセッションやライブなど、非常に多彩だ。体験型を掲げているフェスティバルとして、そこに体験価値を感じたユーザーがリピートしていることを、来場者数が証明していると言えそうだ。
会場内には、企業ブースも出展されている。そのなかのひとつ、製薬会社である日本イーライリリー(本イベントのリードスポンサー)は、アートを活用し、体験型コンテンツを通じて「脳の健康」を発信した。
日本イーライリリーは、米国に本社を置くグローバル製薬企業、イーライリリー・アンド・カンパニーの日本法人だ。同社は昨年に引き続き、「MEET YOUR ART FESTIVAL」をサポートしており、アートを通じた啓発活動に取り組んでいる。なぜなら、アートには特別な力があるからだ。「表現は記憶より長く残り、創作や鑑賞を通じて、目に見えない思いや経験を周囲に届けることができる」という。今回のブースでは、アートを入り口に、「脳の健康」やアルツハイマー病を身近に感じ、自分ゴトとして考えるきっかけを提供することを目指した。
同社のブースはまず、多彩なデジタルブラシを使って大型LED上に自由に描くことから体験はスタートする。
ブースでは、自由に絵を描く体験を入り口に、知識としての「脳の健康」を届けた
その先には、脳の健康について知る「KNOW」、日常の中でできることに目を向ける「ACT」、アルツハイマー病をテーマとした展示を通じて、“知る”ことから“感じる”ことへと視点を移す「FEEL」などの体験を展開した。
絵を描いた先に、パネルを展示。「感じることから、未来は変わる。」と、絵を描く体験と絡めたメッセージを発信した
アートとの出会いから、脳について知り、考え、感じる。そして最後には、デジタルペインティングで制作した自身の作品をダウンロードすることができる。加えて、会期中には、脳科学、データサイエンス、アート、コミュニティなど異なる領域で活動するゲストを迎え、アートと脳の健康、そしてウェルビーイングについて多角的に考える3つのトークセッションを開催し、多様な体験を入り口に、企業としてメッセージを届けた。
日本イーライリリー コミュニケーションズ・渉外本部 部長 澤村崇広さんは、本ブースの狙いは「自分ゴト化」にあると語る。
「私たちは製薬会社として、生活者の皆さまに向けて、日頃からさまざまな情報を発信しています。しかし今回のテーマである『脳の健康』となると、身体と違って、自分ゴト化しづらい部分があります。そこでアートという入り口を活用することで、情報に触れるハードルを下げ、『脳の健康』を考えるきっかけを、提供できたらと考えました。ブースに入りやすいよう、入り口は絵を描くこと。体験型のコンテンツとして、お届けしました」
「脳の健康」は、ウェルビーイングにもつながるものだ。しかし身体と違って、変化を感じづらい。だからこそ、押し付けるように情報を発信してしまっては、生活者には届かない。その課題解決のために、活用したのがアートであり、コンテンツだ。企業のSDGsの取り組みも同様に、情報をそのまま発信しても生活者には届きづらい。だからこそコンテンツを活用し、エンタメとして情報を届ける。その視点は今後、生活者とコミュニケーションするうえで、さらに重要になっていくのではないだろうか。
MEET YOUR ART FESTIVAL とは
エイベックス・クリエイター・エージェンシーが運営する、アート専門のYouTube番組『MEET YOUR ART』から派生する形で、2022年に誕生した、国内最大級のアートフェスティバル。多様なプログラムと、アートを軸にさまざまなカルチャーが交差する本イベントは、アートへの敷居を下げることに成功しており、毎年多くの来場者が訪れる人気イベントとなっている。今回で5周年。2026年は、スケールと内容をさらに拡張し、東京・天王洲エリアを舞台に開催。『MEET YOUR ART』のMCであり、俳優・ダンサーの森山未來さんが、アートエキシビションのアーティスティック・ディレクターを務めたことも話題となった。主催はMEET YOUR ART FESTIVAL実行委員会、東京都。
「MEET YOUR ART FESTIVAL2026」の主催者、キュレーター、アーティスト(一部)。森山未来さん(前列右から2番目)は、会期中さまざまなトークセッションにも登壇した。森山さんの左に並ぶのが主催者で、前列左から、東京都 生活文化局長 古屋留美さん、MEET YOUR ART 共同代表 古後友梨さん、MEET YOUR ART FESTIVAL実行委員会 委員長・MEET YOUR ART代表の加藤信介さん(エイベックス・クリエイター・エージェンシー株式会社 代表取締役社長) 写真は記者発表会より
