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     第103回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝=関東学生陸上競技連盟主催、読売新聞社共催)の予選会は10月17日に、東京都立川市の陸上自衛隊立川駐屯地から国営昭和記念公園までのハーフマラソン(21・0975キロ)のコースで行われる。1990年代の箱根路を沸かせた「早稲田大三羽がらす」の一人として知られる陸上競技指導者の武井隆次さんが、レースを展望する。(デジタル編集部)

    第102回箱根駅伝、たすきをつなぐ中央学院大(右、復路の小田原中継所)と山梨学院大(左、同平塚中継所)=2026年1月3日第102回箱根駅伝、たすきをつなぐ中央学院大(右、復路の小田原中継所)と山梨学院大(左、同平塚中継所)=2026年1月3日層の厚い中央学院大、チーム力上向く山梨学院大

     今年の予選会、上位は「順当」な結果になるのかなと思っている。トップ通過候補には中央学院大と山梨学院大を挙げたい。様々な要因が結果に絡み合う予選会だが、両校は予選会出場の資格記録となる1万メートルの平均タイムで出場校の中のトップクラスだ。

     中央学院大は、前回予選会を1位で通過し、今年1月の箱根駅伝では10位の日本大に55秒差の11位。予選会で日本人選手トップタイムで走った近田陽路らの主力が多く卒業したが、今年も選手層が充実する。

     山梨学院大は今年の箱根駅伝では下位(17位)だったが、今季は出走経験者が多く残る。昨年の予選会で個人トップだった留学生のブライアン・キピエゴ(4年)とともに日本人選手も元気で、チーム力が上向いている。

    予選会へ向けて合宿で走り込む東洋大の選手たち予選会へ向けて合宿で走り込む東洋大の選手たち21年ぶり予選会の東洋大、強豪復活への一歩に

     昨年の予選会に出場した順天堂大と日本大が本大会でシード権を取ったが、入れ替わるように予選会に落ちてきたのが東洋大と東京国際大だ。

     総合優勝4度の実績を誇る東洋大の立て直しに注目したい。前回の箱根駅伝以外のところではおおむね力を発揮できており、予選会に居続けるチームではない。21年ぶりの予選会とあって、集団走などの戦い方への適応がカギとなるが、東洋大は山上り(箱根駅伝5区)の柏原竜二君の時は例外として、本来は突出した選手がいなくてもチームとして強さを発揮する戦い方が持ち味なので、予選会の走りには向いている。「らしさ」が出れば余裕で通過できるはずだ。

     予選会の戦術として、集団走で押し上げる「平均型」と、ポイントゲッターのタイムを貯金として生かす「エース型」がある。(最近は集団でも分かれていて、全員がまとまっていく形は見られなくなったが……)東洋大が「平均型」なら、東京国際大は最強留学生と言われるリチャード・エティーリ(4年)を擁しての「エース型」だ。エティーリは1年生だった3年前の予選会で先頭集団内の転倒に巻き込まれ、チームは本戦出場が途切れた経験がある。エースが個人トップ争いでタイムを稼いで確実に出場枠を取りたい。

    昨年の箱根駅伝予選会のスタート風景(読売ヘリから)=2025年10月18日昨年の箱根駅伝予選会のスタート風景(読売ヘリから)=2025年10月18日東海・大東文化・神奈川も圏内

     「駅伝のチーム力は、各走者のハーフマラソンや1万メートルの持ちタイムだけでは計れない」というのが私の持論だが、各走者の持ちタイムの合計通りのレース結果になる確率が駅伝と比べて結構高い予選会はちょっと違う。

     予選会をはかる物差しの一つが、1万メートル走の8人の合計タイムで争う全日本大学駅伝関東地区選考会だ。インカレなど個人戦が中心のシーズン前半で、唯一チームの力が試されるのがこの選考会だ。今年は予選会組では東海大、大東文化大、神奈川大が上位で通過した。いずれも伝統校で、全日本の出場権を取ったことで予選会へのモチベーションも上がっており、自信を持って臨むだろう。東海大は監督が交代したが、強化は順調に進んでいるようだ。監督交代といえば、古豪・明治大の復活に注目だ。実業団や中央大、東京国際大で豊富な経験を持つ大志田秀次監督の2シーズン目で、3年ぶりの本大会出場がなるか。

     トップ通過候補に中央学院大と山梨学院大、そして東洋大、東京国際大、東海大も安泰で、大東文化大、神奈川大も通過圏内。ここまで7校で、残る3枠を争うのは明治大、法政大、専修大、日本体育大、立教大の5校、ここに東京農業大も絡めるかどうか。

    昨年の箱根駅伝予選会の会場の成績ボード。10位の立教大と11位の法政大の差は17秒だった昨年の箱根駅伝予選会の会場の成績ボード。10位の立教大と11位の法政大の差は17秒だった「79年連続」目指す日体大は正念場

     79年連続本大会出場がかかる日本体育大、そして立教大は、ともにチームを支えた4年生が卒業して迎えたシーズンで戦力ダウンは否めない。昨年の予選会は1位から10位までの差が4分33秒と接戦で、9位日体大、10位立教大、11位法政大、12位明治大、13位専修大の5校はタイム差3分を切る中に入っていた。タイムだけを見れば日本体育大と立教大が、明治大、法政大、専修大との入れ替わり候補になってしまうかもしれない。

     東京農業大は、年ごとの調子の波をなくすことが課題になる。1万メートルの日本人学生最高記録を持つ前田和摩(4年)のラストイヤーでまずは2年連続の予選会突破を勝ち取りたい。

    通過10枠を13校軸に争う展開か

     ここまで13校。それ以外の学校では、近年に本大会に2度出場した駿河台大は、徳本一善監督が昨春に退任した後は結果が出ていない。日本薬科大は昨年の予選会で14位と出場圏に迫った。箱根路初出場への期待を持ってレースを見たい。

     当日の気象条件はレースを大きく左右しそうだ。予選会は暑熱対策のため、昨年からスタートが約1時間早まって午前8時30分となった。ただ、最近の傾向として、この時間帯でも天気が良い日は急に温度が上がることがある。私も、日ごろ子どもたちの陸上指導をしていて感じることだ。

     今年も悲喜こもごもの予選会になるだろう。集団走は、各選手をそれぞれどのぐらいのタイムで走らせるかという監督のレース設定や指示の出し方がレースを左右する。1時間ちょっとで終わるレースだけに、トラブルなどでうまくいかなかった時に短時間でいかに修正できるか、マネジメント能力が問われる。

    たけい・りゅうじ
     1971年生まれ。東京・国学院久我山高で高校初の5000メートル13分台をマーク。早大時代は箱根駅伝で4年連続区間賞(1区、1区、7区、4区)、うち3度が区間新記録で、同期の花田勝彦、櫛部静二と並び「三羽がらす」と呼ばれた。卒業後はエスビー食品で2002年びわ湖毎日マラソンを2時間8分35秒で優勝。02年アジア大会男子マラソン銅メダル。引退後はエスビー食品のコーチ、監督を歴任。現在は「したまちアスリートクラブ」の監督として小、中学生を中心とした後進ランナーの指導にあたっている。

    予選会の方式

     各チーム1万メートル34分以内、もしくはハーフマラソン1時間13分以内の公認記録を持つ10~16人(前回までの14人から2人増)がエントリー。そのうち12人までが走り、上位10人の合計タイムで競う。出場権を得られなかったチームの選手で関東学生連合チームが編成される。

    箱根駅伝予選会2026 出場校箱根駅伝予選会2026 出場校





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