はじめての波乱相場どうすれば?
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トウシル編集チーム
楽天証券
2026/10/16 17:15
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15日の日経平均株価は3,300円下落し歴代3位の下落幅を記録しました。「ブラック・サーズデー」発生への警戒感も強まりましたが、下落率でみると歴代20位にも入っていません。同日の米国株は反発。16日の日経平均も切り返し、株安連鎖は回避されました。しかし懸念要因が消えたわけではありません。ショックの背景とこの先の見通しを探ります。
なぜ「コアウィーブショック」は起きたのか
10月14日に発表された9月米消費者物価指数(CPI)の上振れがきっかけとなりました。コア指数で0.1%ほど市場予想を上回っただけでしたが、鎮静化していた10月の米利上げ観測が一気に高まりました。投資家の中にくすぶっていたインフレ懸念がCPIの上振れで堰を切ったように強まったとみられます。
米金利が上昇すると企業の資金調達コストが上がります。中でも多額の資金を必要とするAI関連企業に不安の目が向けられました。これも突然に不安が表面化したわけではなく、以前から懸念されていたところに、一つのきっかけで不安が広まった格好です。
14日の米市場で「ターゲット」になったのがコアウィーブ(CRWV)の社債でした。2032年に償還される社債の利回りが15%に達し、同社の株価は15%超下落しました。これにより他のAI関連企業にも資金調達面の不安が広まりハイテク株中心に株価が急落。日本の関連企業にも懸念が波及したのが15日の株安の背景です。
韓国と同様、日本もAI関連銘柄が株高をけん引してきましたので、その反動が出たといえます。
コアウィーブは2017年に創業した米国の新興企業。データセンターを構築し、AI開発企業やクラウド大手に計算能力を貸し出す「ネオクラウド」の先駆けとされます。
クラウド(雲)とは、インフラやソフトウエアを持たなくてもインターネットで必要な機能やデータを利用できる仕組み。従来のクラウドがWebサービスやデータベースなど汎用型であるのに対し、ネオクラウドはAI特化型なのが特徴です。従来のクラウドだけではまかないきれないAI計算需要を補完していました。
同じクラウドを手掛けるマイクロソフト(MSFT)、アルファベット(GOOG/GOOGL)、アマゾン・ドット・コム(AMZN)など大手のハイパースケーラー(巨大データセンター企業)は、それぞれデータセンター以外の事業からも収益を得られる多角的な事業構造を有していますが、ネオクラウドはほぼAI専業。AI需要によって収益が大きく左右されます。
このため信用力も大手のハイパースケーラーに比べ低く、社債の利回りもより高く設定しなければ資金が調達できません。
S&Pグローバル・レーティングによるコアウィーブの社債格付けは「B」と投資適格から5段階低いジャンク級でした。同社の社債価格が急落したのはこうした背景があったのです。AIセクターで一番弱いところがねらわれたと言っていいでしょう。
懸念は限定的、半導体関連企業の業績は依然好調
コアウィーブがいわゆる「炭鉱のカナリア」である可能性は否定できません。しかし、市場の強い懸念は今のところネオクラウドにほぼ限定されており、大手AI企業に信用不安が広がっているわけではありません。
デフォルト(債務不履行)確率を反映するクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)でみると、コアウィーブやオラクルなどの保証コストは上昇していますが、大手は上がっているとはいえ引き続き低位で推移しているようです。
市場の懸念が限定されている一つの理由は、AI関連企業の業績が依然として好調なことです。
14日に発表されたオランダの半導体製造装置大手ASMLホールディング(ASML)の2026年7-9月期純利益は前年同期比2.3倍。市場予想を上回りました。半導体受託生産世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)の2026年7-9月期純利益は前年同期比68.7%増。こちらも市場予想を上回りました。
ASMLの最高経営責任者(CEO)は同日の声明で「現在計画している2027年と2028年の供給量では、顧客の需要を完全に満たすことができないと予想している」と述べています。
AI需要の先行きは見方が分かれますが、関連企業の業績を見る限り半導体需要は依然として旺盛のようです。業績さえしっかりしていれば、株価が大崩れすることはないでしょう。来週から今月末にかけて大手ハイパースケーラーの決算発表で業績好調が示されれば、投資家の懸念も和らぐことが期待されます。
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