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    日本人のFIRE達成者たち

    矢印熊木一雄さん(仮名・50歳)は、一般的な定年を迎える年齢から10年以上も前にFIREを実現した。熊木一雄さん(仮名・50歳)は、一般的な定年を迎える年齢から10年以上も前にFIREを実現した。eggeegg/Shutterstock熊木一雄さん(仮名・50歳)は、昨年初めに都内のIT企業を退職し、FIREを達成した。総金融資産は3億5000万円、傍から見れば理想的なFIRE生活を送っているように見える。そんな彼に、これから資産形成やFIREを考える人に向けたアドバイスを聞いた。30代でFIRE達成した日本人が明かす「幸福なFIRE」と「不幸なFIRE」の分かれ道 | Business Insider Japan

    30代でFIRE達成した日本人が明かす「幸福なFIRE」と「不幸なFIRE」の分かれ道 | Business Insider Japan

    日の出とともに起きて走り、夜9時半には眠る。家では酒を飲まなくなり、妻からは「顔が穏やかになった」と言われるようになった。

    2025年初めに都内のIT企業を退職し、総金融資産3億5000万円を保有する熊木一雄さん(仮名・50歳)。一般的な定年を迎える年齢から10年以上も前にFIREを実現した生活は、傍から見れば理想的に見えるかもしれない。

    だが本人は、その描写をすぐさま打ち消す。実際、職を離れて、好きなだけ続けられるはずのバイク旅行は、2週間で飽きて切り上げた。今も毎週のように予定を詰め込んでしまいがちだと語る。

    その熊木さんに、FIRE後の生活のリアルと、これから資産形成やFIREを考える人に向けたアドバイスを聞いた。返ってきたのは、ブームに乗ることをためらわせる言葉ばかりだった。

    日の出とともに起き、夜9時半に寝る。妻に「顔が穏やかになった」と言われる生活

    退職後の生活を尋ねると、熊木さんはまず「変わらないところ」から語り始めた。辞める直前は在宅勤務だったため、一日の大半を家で過ごす点では、物理的な環境はほぼ同じだという。

    変わったのは、その中身だ。起床時間は大幅に早まり、いまは日の出とともに起きる。朝のランニングから始まり、朝食、仮眠。日中は読書や映画鑑賞にあて、夜は野球のナイター中継を観て、試合が終われば眠りにつく。就寝は21時半頃だ。家での飲酒もやめた。その変化は、傍から見てもわかるものだったらしい。

    「妻からは『もっと早く会社を辞めさせてあげればよかった』とも言われます」

    規則正しく、健やかで、時間に追われない毎日。FIRE後の生活は理想的なものに映るが「無職には適性があるんですよ。気をつけたほうがいい」と熊木さんは釘を刺す。

    20代後半で「会社の看板が外れる」経験を済ませていた

    熊木さんがそう言い切るのは、同じ経験を20数年前に済ませているからだという。大学卒業後に新卒で入社した大企業を4年で辞めて、フリーランスになった時期がある。会社の看板が外れた途端、それまで通っていたアポが通らなくなる。「どこそこの誰々」として扱われる感覚を、その時点で手放している。

    「FIRE経験者の書籍にあった、会社を辞めて何者でもなくなったときの衝撃を描いた箇所は、自分はフリーランスになったときに体験したから、『よく知ってる』ことだったんです」

    『好きなだけ行ってください』と言われると、『今行かなくても、別にいいんじゃない?』と思い返す

    象徴的なエピソードがある。退職後の夏、オートバイで北海道へ向かったときのことだ。

    「行きのフェリーだけ取って帰りは取らず、好きなだけ行こうと思って。でも2週間で飽きて帰ってきちゃいました。自由な時間があると『今行かなくても、別にいいんじゃない?』ってなっちゃって」

    会社員時代なら、こうはならなかった。休みが1週間しかないとなればどんなに長い道のりも「来年来られるかわからないし、頑張って行くか」と思っただろう。ところが期限がなくなると、判断は反転する。

    会社員、フリーランス、経営者と立場を変えながら、何かをやらなければいけない状態が20年以上続いてきた。その感覚は、退職してもなかなか消えないという。熊木さんが自分について発見したのは、のんびりできない性分だった。

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    無職にも適性がある

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