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    公開:
    2026年10月19日 at 2時17分 — 更新:
    2026年10月19日 at 2時39分

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    「愛知・名古屋2026アジアパラ競技大会」の開会式が10月18日、名古屋市瑞穂公園陸上競技場(パロマ瑞穂スタジアム)で開かれた。約半世紀を経て、日本で生まれた国際障害者スポーツ大会の歴史が、再び日本へとつながれた。

    開会式が開かれた名古屋市瑞穂公園陸上競技場(パロマ瑞穂スタジアム)。(写真・中村 Manto 真人)

    アジア最大級のパラスポーツの祭典「愛知・名古屋2026アジアパラ競技大会」が10月18日、開幕した。名古屋市瑞穂公園陸上競技場(パロマ瑞穂スタジアム)では開会式が行われ、大会の始まりを盛り上げた。

    今大会はアジア45の国と地域から、選手・チーム役員を合わせて過去最大級の約3100人が参加。日本代表選手団には、選手283人を含む452人が名を連ねる(10月14日時点)。

    選手入場のラストを飾った日本代表選手団。会場から大きな拍手が送られた。(写真・中村 Manto 真人)

    ルーツは1975年の大分フェスピック

    アジアパラ競技大会のルーツは、1975年に大分県で開催された「極東・南太平洋身体障害者スポーツ大会(フェスピック)」にさかのぼる。アジア・太平洋地域の障害者スポーツの発展を支えてきたフェスピックの理念を引き継ぎ、2010年に中国・広州で第1回アジアパラ競技大会が開催された。今回の愛知・名古屋大会は第5回大会にあたり、日本で生まれた国際障害者スポーツ大会の歴史が、約半世紀を経て再び日本へとつながる節目となる。

    「違うまま、一緒に。」開会式に込めた思い

    開閉会式のコンセプトは「WABI — We Are Beautiful Individuals(違うまま、一緒に。)」。障害の有無や国籍、文化を超えて、一人ひとりの異なる個性や強さが出会う未来を描いた。総合プロデューサーは栗栖良依、演出統括は森山開次。式典では、愛知に根づく茶の湯の「侘び」を再解釈し、愛知の豊かな自然や、そこで育まれた暮らしの知恵、民俗芸能、職人の技をふんだんに盛り込んだ。

    聖火台。常滑在住のプロダクトデザイナー・高橋孝治と陶芸家・鯉江明を中心に、職人と市民の手で形にしたもの。職人たちによって灯された炎には、それぞれの困難と向き合いながら挑戦を続けるアスリートへの敬意が込められた。(写真・中村 Manto 真人)

    その一つ、愛知は日本有数の窯業の地であることから、聖火台には瀬戸・常滑・三州の土を使用した。聖火台作りは、完成した式典を観るだけでなく、準備の過程から「共に創り上げる」ことを大切に、県内のワークショップを通じて市民らも参加。市民と職人によって作り上げられた聖火台は、最終ランナー3名によって点火され、職人の技で下から上へと広がっていった。土から生まれた聖火台は、大会を終えると再び素材へと還っていく。

    左から聖火ランナーを務めた、元車いすバスケットボール選手の三宅克己、元パラ陸上選手の中西麻耶、パラアルペンスキー選手の村岡桃佳(写真・中村 Manto 真人)

    芸術パートで描かれたのは、旅立つ「コノハ」と、この地に根をはる「モリ」の物語。コノハはアジアをめぐる渡り鳥で、愛知の県鳥コノハズクの子。“さまざまな視点から人の営みを見つめる鳥”という意味で、パペットと4人のキャストによって表現された。物語は「異なる命が、それぞれのかたちで巡りながら、共にある」という世界への願いを込めて、アスリートたちを祝福した。

    中央でコノハを演じた三浦桜姫(さき)。生後10ヶ月で目の小児がんが見つかり、右眼球を摘出。左目に視野欠損。小学2年生で、愛知県からただ一人、東京2020パラリンピック開会式 のオーディションに合格した逸材だが、パンデミックで出演は叶わなかった。今大会では見事に大役を務め上げた。愛知県出身。(写真・中村 Manto 真人)
    アスリートを迎える大小さまざまな縄で出来たウェルカムゲート。「おおぐるわの杜(もり)」と名づけられ、愛知県出身のアーティスト・井上唯と植物で作品をつくるアーティスト・野田幸江が、市民とともに、稲藁をなう手法でつくりあげた。(写真・中村 Manto 真人)
    総合プロデューサーの栗栖良依。「私たち一人一人が異なる強さを持っている。もしかしたら弱さも持っているかもしれない。大会を通して、そうしたことを互いに理解し合える機会にできたら」と話した。(写真・中村 Manto 真人)
    舞踊家の森山開次。式典の演出統括であり演者も務めた。「私たちに生きる力を与えてくれているのはエールだったり、願いだったりという、目に見えないエネルギー。今日の開会式でそうしたエールが誰かのために巡り巡っていけば」と思いを語った。(写真・中村 Manto 真人)

    街中でもアジアパラの風を

    大会は街中にも開かれる。10月18日から24日までの大会期間中は、名古屋・オアシス21で「アジアパラ競技大会ライブサイト」が開かれる。大型ビジョンでのパブリックビューイングのほか、アスリートとともに競技を観戦するトークショーや、メダリストを迎えるセレブレーションイベントを展開。観戦や交流を通じて、大会の熱気を街の中でも感じることができる。

    日本初開催のアジアパラ競技大会は、10月24日まで。愛知県を中心とする全19会場で、18競技の熱戦が繰り広げられる。

    開会式のフォトアルバムはこちら。
    2026 Asian Para Game / Opening Ceremony #1018

    (校正・佐々木延江)

    丸山 裕理

    Author: 丸山 裕理

    東京都出身。フォトジャーナリスト、フリーアナウンサー。初級障がい者スポーツ指導員。2015年ブラインドサッカーの観戦をきっかけにパラスポーツの魅力に触れる。これまでに平昌2018、東京2020、パリ2024のパラリンピックを現地取材。慶應義塾大学大学院で「オリンピック・レガシー」をテーマに研究、長野オリンピック当時の小中学校で行われたオリンピック教育のその後を調査し、継続的な取り組みが重要と知る。二児の母。

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