iPhoneから遅れること約1年4カ月、Androidスマートフォンでも「Androidのマイナンバーカード」の提供が10月20日より開始された。
Androidのマイナンバーカード
Androidのマイナンバーカードについての詳細は別記事で紹介しているので、本稿では実際にAndroidスマートフォンへAndroidのマイナンバーカードを登録するとともに、実際の使い勝手をチェックしていく。
Androidのマイナンバーカードの登場でiPhoneに追いついた
Androidでは、iPhoneに先行して「スマホ用電子証明書サービス」が利用できていたが、「iPhoneのマイナンバーカード」で実現されている「属性証明機能」はこれまで提供されていなかった。
つまり、AndroidスマホとiPhoneで、利用できるマイナンバーカード機能に差異があった。
それが今回、Androidのマイナンバーカードの提供が開始されたことで、Androidスマホでも属性証明機能が利用できるようになり、その差異が解消されることとなった。
別記事でも紹介しているが、AndroidのマイナンバーカードでできることはiPhoneのマイナンバーカードと同等。マイナポータルへのログインやコンビニ交付サービス、確定申告、マイナ保険証など、これまで利用できていたものに加えて、「マイナンバーカード対面確認アプリ」を利用した対面での本人確認(住所、氏名、生年月日、顔写真、個人番号などの提示)やオンラインでの本人確認が、Androidのマイナンバーカードで利用可能となる。
Androidのマイナンバーカードで属性証明機能が利用可能になったことで、対面やオンラインでの本人確認が行えるようになった
ただし、現時点で全てのAndroidスマホでAndroidのマイナンバーカードの属性証明機能を含めた全機能が利用できるわけではない。別記事で対応機種を紹介しているが、属性証明機能も含めたAndroidのマイナンバーカードの全機能が利用できるのは、そのリストの中の(★)印が付いたもののみとなる。それ以外の機種では従来同様にスマホ用電子証明書サービスのみ利用となり、従来から機能的に変わらないこととなる。
このように、対応リストのうち(★)マークのついた端末でしか属性証明機能は利用できない
これは、Androidのマイナンバーカードの属性証明機能で利用する情報を「StrongBox」と呼ばれる強固なセキュアエレメント(セキュリティチップ)に格納する仕様となっていることが影響している。低価格帯のAndroidスマホなどはStrongBoxを搭載しない場合が多く、そういったスマホでは物理的にAndroidのマイナンバーカードの属性証明機能を利用できないというわけだ。
Androidのマイナンバーカードは、情報を「StrongBox」に格納する仕様のため、StrongBox非搭載の端末は属性証明機能を利用できない
デジタル庁は、今後StrongBoxを搭載するAndroidスマホが増えるに従い、属性証明機能が利用できる機種も増える見込みと説明している。
これまでスマホ用電子証明書サービスが利用できていた機種で属性証明機能が利用できないのは少々残念と感じるかもしれないが、これはセキュリティを重視した仕様であり、必然の対応と言っていいだろう。
それと同時に、iPhoneのマイナンバーカード同様、Androidのマイナンバーカードも安全性は申し分なく、安心して登録し利用できると言える。
できることはiPhoneと同じだが、利用時の操作方法が異なる場合もある
では実際に、Androidのマイナンバーカードをいくつかの場面で使ってみたのでそちらを紹介する。
まず、Googleウォレットでのマイナンバーカードの表示。Googleウォレットを開いてマイナンバーカードのアイコンをタップすると、画面上部にマイナンバーカードの画像が大きく表示される。
Googleウォレットを開くと、Androidのマイナンバーカードのアイコンが表示される
アイコンをタップすると、大きな券面画像が表示される。ただしiPhoneのマイナンバーカードのように本体を傾けても画像は変わらない
ここまではiPhoneと同じだが、iPhoneでは本体を傾けると券面に桜の花びらが散るギミックがあるのに対し、Androidのマイナンバーカードにはそういったギミックは搭載していない。
マイナンバーカードの券面(カード表面)画像をタップするとメニューが表示され、電子証明書の有効期限を確認したり、利用履歴の確認、券面情報などの詳細情報の確認、使い方の確認などが可能。このうち、利用履歴や詳細情報を確認するには、生体認証やPIN、パターンの入力による本人確認が必要となる。
大きな券面をタップするとメニューが表示され、詳細な情報を確認できる
ところで、利用履歴は標準では記録がオフとなっている。利用履歴メニューに入り「利用履歴」のスイッチをオンにすることで、それ以降の利用履歴が蓄積され、確認が可能となる。
「詳細」メニューを開くと、氏名、生年月日、住所、性別、顔写真、個人番号などを確認できる。
「利用履歴」や「詳細情報」は、生体認証やPIN、パターンの入力による本人確認を行わなければ内容を確認できない
利用履歴は、標準でオフとなっている
利用履歴をオンにすると、それ以降Androidのマイナンバーカードを利用した履歴が蓄積され、確認できるようになる
履歴では、どこでどういった情報を共有したか確認できる(これは次に紹介する筆者がマイナンバーカード対面確認アプリを利用して読み取った履歴)
「詳細」では、氏名、生年月日、住所、性別、顔写真、個人番号などを確認できる
次に、新たに利用可能となった属性証明機能(住所・氏名・生年月日・顔写真などを対面やオンラインで証明する機能)を使ってみた。今回は、別のスマホに「マイナンバーカード対面確認アプリ」をインストールして試した。
「マイナンバーカード対面確認アプリ」でAndroidのマイナンバーカードの情報を読み取ってみた
マイナンバーカード対面確認アプリでスマートフォンのマイナンバーカードを読み取る場合、「20歳以上未満の確認」「年齢の確認」「基本情報の確認」といったメニューが用意されているが、「基本情報の確認」を選択して、顔写真、氏名、住所、生年月日、性別の全ての情報を取得してみた。
スマートフォンのマイナンバーカードを読み取る場合、「20歳以上未満の確認」「年齢の確認」「基本情報の確認」といったメニューが用意されている
「基本情報の確認」を選択し、全情報を取得するとして読み取りを行ってみた
読み取り時には、Androidのマイナンバーカードが登録されているスマホはロック解除の状態である必要がある。ロックを解除した状態でスマホを近づけるとAndroidのマイナンバーカードが表示され、相手が読み取ろうとしている情報の一覧と、その情報を共有していいかの確認画面が表示されるので「続行」をタップ。
端末のロックを解除してマイナンバーカード対面確認アプリ側のスマホにタッチすると、共有する情報の内容が表示されるので、確認して「続行」をタップ
続いてロック解除に設定している生体認証またはPIN、パターンの入力が要求されるので入力。すると、各情報が送信され、マイナンバーカード対面確認アプリで各内容を正常に確認できた。
これは、iPhoneのマイナンバーカードを利用する場合とほぼ同じ手順で、利用も難しくないと感じる。今後、様々な場面でマイナンバーカードを利用した本人確認を求められることが増えてくると思うが、そういった場合でも(属性証明機能に対応する場合に限られるが)Androidのマイナンバーカードで対応できるため、物理マイナンバーカードを持ち歩く必要がなくなり、利便性が高まりそうだ。
生体認証またはPIN、パターンの入力で本人確認を行うと、情報が相手に転送される
マイナンバーカード対面確認アプリに情報が転送され、各情報を確認できた
ただし、従来のスマホ用電子証明書サービス利用時から操作性が変わらない場面もある。そのひとつが病院等医療機関でマイナ保険証を利用する場合だ。
医療機関でスマホのマイナ保険証を利用する場合、iPhoneのマイナンバーカードでは、医療機関のマイナ保険証読み取り機にかざす場合にTouch IDまたはFace IDで認証を行うことで4桁の暗証番号の入力をパスできるが、Androidのマイナンバーカードは、従来のスマホ用電子証明書サービス同様に、マイナ保険証リーダーで4桁の利用者証明用暗証番号を入力しなければならない。
また、住民票などのコンビニ交付を利用する場合でも同様に4桁の暗証番号の入力が必要になるとのことだ。
Androidのマイナンバーカードでも、iPhoneのマイナンバーカード同様に生体認証などを利用して暗証番号の入力をパスして利用できることが望ましいが、デジタル庁によるとAndroidでもiPhoneのマイナンバーカード同様の利用を実現できるか検討中とのことで、当面は従来同様の利用方法が続くことになりそうだ。
iPhoneのマイナンバーカードでは、Touch IDまたはFace IDで4桁の暗証番号の入力をパスしてマイナ保険証やコンビニ交付などを利用できるが、Androidのマイナンバーカードは従来同様端末側で4桁の暗証番号を入力する必要がある
このように、Androidのマイナンバーカードは、iPhoneのマイナンバーカードと一部利便性が異なる部分があることや、属性証明機能を利用できるスマホが限られるといった気になる点もあるが、少なくとも★印の付いた対応Androidスマホを利用している人にとっては、多くの場面で物理マイナンバーカードを持ち歩く必要がなくなり、利便性が高まると言える。
もちろんiPhoneのマイナンバーカード同様に利用できるとありがたいが、まずはiPhoneに追いついたことを歓迎したいと思う。
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