2026年10月
    月 火 水 木 金 土 日
     1234
    567891011
    12131415161718
    19202122232425
    262728293031  

    日本ハム「織田翔希ドラ1強行指名」に現実味 メジャー挑戦を揺るがす制度変更が“付け入る隙”に

    横浜高の織田翔希(C)日刊ゲンダイ

    「ひょっとすると、あの球団が強行指名するんじゃないか」

     22日に迫ったドラフト会議を前に、球界ではこんな声が浮上している。

     ターゲットは米球界挑戦を表明した横浜高の最速157キロ右腕、織田翔希(18)。「あの球団」とは日本ハムだというのだ。

     日本ハムといえば、2006年に巨人と相思相愛といわれたHONDAの長野久義を4巡目で強行指名し、同じく11年には巨人入りを熱望した東海大・菅野智之を1位指名。抽選で交渉権を得たものの、ともに入団を拒否された。それでも翌12年に今度は、メジャー挑戦を表明した花巻東の大谷翔平を1位指名。粘り強い説得の末に入団にこぎつけた。

     とはいえ、今回の織田は、進路表明時に家族や横浜の村田監督も含めキーパーソンが揃って18歳の夢を後押しすることを明言。その決意を覆すのは困難との見方が強い。

    「ただし、付け入るスキはあります」と言うのは、某セ球団のスカウトだ。

    「織田は会見で、『マイナーリーグもそうですけど、大学の方も考えております』と話した。一見、進路の選択肢を広げた発言に見えて、その実はMLBと米選手会の労使協定が12月1日に失効することを懸念していると聞きました。労使交渉が決裂すれば、球団側が選手との契約交渉などを停止するロックアウトに突入する可能性がある。織田が米球団と結ぶことになるマイナー契約は対象ではないが、事をややこしくしているのが、MLBの機構側が国際ドラフト導入を提案していることです」

     米選手会は、機構側の提案が実現すれば、初回の国際ドラフト会議の開催は早くても27年9月、遅ければ翌28年3月までズレ込むことになり、選手のプロ入りが大幅に遅れると反発している。米専門誌「ベースボール・アメリカ」も今月5日、「国際アマチュア選手がいつ契約できるのか、具体的な時期は決まっていない」と報じた。

     米在住ライターがこう言う。

    「国際ドラフト導入案と関連して、従来なら織田が対象となる来年1月15日からの国際アマチュア契約がこれまで通り実施されるかは不透明。大学に進学したらしたで、別の問題が生じる。米国のドラフトは下位球団に優先的な指名権が与えられる。織田が希望する球団に行けるとは限りません」

     しかも、米国の4年制大学に進めば、現行制度では3年次終了か21歳到達までMLBドラフトの対象から外れる。08年6月生まれの織田の場合、指名資格を得るのは早くても29年。米球団と契約できるまで3年近く待つ可能性がある。

    「2年制のカレッジ(短大)に入学すれば、現行制度では1年間の在籍を経て、2年後の28年MLBドラフトの指名対象になる。しかし、今回の労使交渉でMLB機構は、28年ドラフトから指名資格を9月1日までに20歳以上かつ、高校卒業から2年以上経過した選手に変更する案を提示している。これが実現すれば織田の指名は4年制大学に進学するのと同じく、29年になります」(前出の米在住ライター)

    「一番いい選手を取る。方針に変更はない」

     実際、花巻東高から米スタンフォード大に進んだ佐々木麟太郎は大学で2年間プレーし、21歳となった今年7月、マーリンズから8巡目指名を受けて入団したが、織田がいくらアメリカでプレーしたいと思っても、今回に限っては不透明な要素が多すぎるのだ。

     こうした米国行きの不確実性を横目に、進路会見後も日本の複数球団が織田の「強行指名」を検討。実際にゴーサインを出しそうな球団が日本ハムだというわけだ。

     そもそも日本ハムには「その年で最も評価の高い選手を指名する」という一貫したポリシーがある。13日のスカウト会議後も、木田優夫GM代行は「うちはずっと(その年で)一番いい選手を取る。その方針に変わりはありません」と話した。

     高校生の織田は一定の育成期間が必要だが、ポテンシャルはアマ球界屈指。日本ハムの評価は非常に高く、織田との面談前には大渕隆スカウト部長が1位候補であることを明言。「担当スカウトも推していました」としたうえで、「将来メジャーに行くかもしれないけど、日本で頑張ってほしい」と言っていた。

    「強行指名すれば交渉権を失う危険はある。しかし、日本ハムには大谷の二刀流育成をはじめ、若い才能を伸ばしてきた経験とノウハウへの自負がある。今季はパ・リーグ3位。優勝こそ逃したものの、3年連続Aクラスと戦力は豊富。即戦力補強に追われる下位球団と比べれば、1位指名で勝負に出る余地はあるでしょう」(パのスカウト)

     織田が海を渡る決意を固めているのは確か。それでも米国の制度変更によって進路が揺らぐ可能性はある。日本ハムがその間隙を縫って、長野や菅野の時のように指名拒否覚悟で指名するのか、あるいは大谷を口説き落とした時と同じように勝負に出るのか。ドラフト当日、“北の仕掛け人”が再び球界を騒然とさせるかもしれない。

      ◇  ◇  ◇
     
     進路に注目が集まる織田だが、仮にプロ野球に進むのならば、どの球団が合っているのか。●関連記事 【もっと読む】横浜・織田翔希はNPB入りなら工藤中日が最適か では、それらについて詳しく報じている。

    Share.

    Comments are closed.