ミッドウィークにアウェイの水戸で味わった悔しさを胸に刻み、絶対に負けられない──いや、勝たなければならない重要なゲーム。その一戦で青赤イレブンが躍動して味の素スタジアムで4-0の快勝を収め、東京が青赤であることをしっかりと見せつけた。
立ち上がりからボールを握って攻め込む東京は、両サイドバックが高い位置をとって攻撃性を強めていく。前半18分に相手選手の退場劇で数的優位な状況に立つと、試合は一方的な展開に。徹底してゴール前を固めてきた相手をどう崩すかという状況下で、前半41分に左コーナーキックからアレクサンダー ショルツ選手のヘディングで先手を奪うと、後半6分にはショルツ選手のクロスボールがPKを誘発。これをマルセロ ヒアン選手がきっちりと沈め、セットプレーからリードを2点に広げた。
数的優位かつリードを広げた状況でもまったく手を緩めることなく、素早い予測と判断、攻守の切り替えで圧倒し続ける東京。“攻撃は最大の防御なり”を体現するかのごとく、ハーフコートに押し込んだ状況で時計の針を進めていく。
後半23分には稲村隼翔選手の糸を引くような対角線のフィードから右サイドバックに入っていた大森理生選手がグラウンダーの折り返しを入れると、ニアサイドに飛び込んだ長倉幹樹選手がワンタッチで合わせて3点目。さらに後半アディショナルタイムには途中出場で投入されたばかりのダニ ゴメス選手が山田楓喜選手とのパス交換から裏のスペースに抜け出し、ワンタッチで流し込んでリーグ戦初ゴールとなるダメ押し弾を決めた。
攻めては大量4ゴールを叩き込み、守ってはまったくチャンスを作らせない集中したディフェンスを披露。公式記録では被シュート1が記されていたが、一切のチャンスを作らせることなく、チーム全員が気迫のプレーを見せて大勝を手にした。
これでチームはリーグ戦5試合連続のクリーンシートで5連勝。7勝2分1敗の勝点23として、首位と同勝点の3位につけた。

水戸で味わった悔しさからしっかりと切り替え、東京ヴェルディに圧勝したFC東京。重要な一戦で勝利をもぎとった青赤が今節、ホームに柏レイソルを迎える。首位と同勝点の3位東京と、2差で追う5位柏の上位対決。まさに序盤戦の大一番というべき一戦だ。
アウェイで大きな勝利を手にした直後のゲームとなるが、選手たちの目はすぐに次戦を見据えている。高宇洋選手は「もう東京V戦の帰りのバスで柏戦のことを考えていた。ここで勝てるかどうかで今後が変わってくるので、この勢いをしっかりとつなげていきたい」と水曜日の試合に思いを馳せる。
俺たちは止まれない。東京が青赤であることは、前節の結果と内容でしっかりと証明した。今度はポジティブなメンタルの切り替えで次へと進んでいかなければならない。今節も青赤の真価が問われる重要なゲームが待っているからだ。
普段から一戦必勝を求めてきた松橋力蔵監督も柏戦を翌日に控えて「一戦一戦の重みは当然変わらないですけど、上位対決で勝点を積み上げることでまた一歩前に出ることができる。これまでの自分たちと同じではダメ。この勢いをさらに増していけるようにしたい」と柏戦の重要性を語る。
対する柏はリカルド ロドリゲス監督に率いられ、流麗で迫力のあるアタックを武器に上位争いに加わっている。得点者が多彩な部分も彼らの特長だが、なかでも今年の明治安田J1百年構想リーグまで青赤のユニフォームを着て戦っていた遠藤選手が豪快なミドルシュートで3得点をマークするなど活躍。積極的な仕掛けで柏攻撃陣のアクセントとなっているだけに、東京としては絶対に抑えなければならない選手の一人だ。
勝手知ったる選手との再会となるが、佐藤恵允選手は「練習でも毎回対峙していたから、クセも含めて全部分かっている。最近は自由にやっている感じがするので、今回はフラストレーションが溜まるくらいに厳しく寄せて、何もさせないくらいにしたい」と意気込む。
柏は複数選手が共通ビジョンを持って積極的にボールに絡み、ポジションチェンジを多用した攻撃を仕掛けてくることが予想される。東京としてはまず粘り強い守備から鋭い攻撃へと結びつけることを意識したい。その上で決して受け身にならず、しっかりとボールを保持することで相手にズレを生じさせながら攻めどころを探ることが肝要となる。
少しでも油断すれば、一気呵成に攻め込んでくる相手でもあるが、一方で失点が増えているという事実もある。まずはコンパクトな守備で自由を奪い、試合中に意欲的なコミュニケーションで目線を合わせて、勝負どころを見極めることも必要になるだろう。指揮官は「90分間、お互いに気の抜けないゲームになる」と予想するだけに、ピッチに立つ選手たちの集中力も勝負を分ける要素となりそうだ。
“リーグ制覇”を明確な目標に掲げているからこそ、しっかりと乗り越えていかなければならない大一番。こういった緊張感ある勝負を手にしていくことで、チームはさらに成長していくはずだ。今のチームは常に改善点を探しながら高みをめざすことができている。だからこそ決して慢心することなく、自信を持って自分たちがめざしているものをピッチで力強く証明する試合としたい。


Q、上位対決となる柏レイソル戦を迎えるにあたり、大切にしたいポイントについて教えてください。
A、大切にしたいことはたくさんありますが、序盤戦における大一番の一つだと思っています。当然一戦一戦の重みは変わらないですが、上位対決というところで勝点を積み上げることで、また一歩前に出られますし、チームの勢いも上がってくる可能性はあると思っています。とはいえ、あまり肩肘を張らずに、自分たちのこれまでの流れと同じではダメですけれど、この勢いをさらに増していけるようにやっていけたらなと思います。
Q、クラブ初となる5試合連続クリーンシートでの勝利を達成し、攻守がしっかり噛み合っている要因について教えてください。
A、本当に良い守備から良い攻撃というところは続けられている部分もありますし、相手のペースになってきた時に「ここでやられない」という風に全員の目線が一つになれるところは、みんながタスクも含めてしっかりできている部分が結果につながっていると思います。
Q、チームの主体性や日頃の取り組みが、さらなる成長や相乗効果につながっていくことについて教えてください。
A、そういう部分も大いにあると思いますし、プレーするのは選手なので自分でそういうものを手繰り寄せていくというところは大事だと思います。偶然ではなく、また次も自分たちがさらに上にいくためにそれぞれのパフォーマンスを上げていったり、得点のパターンが増えていったり、得点者が増えていったりだとか、色々なものが良い意味で相乗効果となって表れれば、それはチームとしても加速できると思います。
Q、10試合を終えたタイミングで、被ゴール期待値や被シュート数がサンフレッチェ広島に次いで2番目に低いという守備の安定感や、攻撃面での手応えについて教えてください。
A、2025シーズンの後半戦ぐらいから色々と整理するなかで積み上げてきている部分というか、やり続けてきている成果だと思います。自分たちのウィークと捉えられる部分に対してのトライもそうですし、うまくできるようになってきたなかにも必ず問題はあって、「これまではやられていなかったかもしれないけれど、これを続けたらやられる可能性はあるね」という小さなポイントも潰し続けてきている部分が大きな成果だと思います。選手のそれぞれの意識や取り組みをしっかりやってきたことが結果として出ています。それは攻撃のところも同じで、パターン化している部分は当然ありますが、そのパターンだけではなく、パターンのなかから生じる偶然というか、自分たちのなかで違う優位性が生まれた時にそれをしっかりチョイスできる判断力であったり、状況に応じて変わってきたシチュエーションを自分たちの優位性にどう持っていくかという判断や関わり、距離感というものが少しずつ出てきている部分があります。狙いのなかでの違いが出てきた時の判断力があるからこそ、たくさんの点もとれているところはあるかなと思います。
Q、負傷者が出ているなかでのマネジメントや、チーム全体で結果を出し続けるための意識について教えてください。
A、怪我人はできるだけ出したくないですけれど、出さないようにコントロールするのが難しい状況もありますし、もちろんそれは選手自身の責任の一つでも当然あります。負傷している選手は本当に早く戻ってきてほしいと思っています。結果が出ているところで言えば、今いる選手がしっかりとやってくれているのは当然ありますが、今日のミーティングでも少し話したのですが、勝つことも負けることもありますし、良い時も悪い時もあります。けれど、これは全員での成果ですし、良くないことも全員で背負わなければいけないです。たった一人のミスで試合に負けることがあるかもしれないですが、それはたった一人のせいではなくて、全員の責任です。それをみんなで背負わなければいけないと思っています。そういうなかで志を高く持った人間がどれくらいいるか、本気でシャーレを掲げるんだという思いを持って日々を過ごせているか、そこがないと始まらないと思っているので、選手みんながしっかりと心に刻みながらやってくれていると思っています。
俵積田晃太選手

Q、Jリーグ ヤマザキビスケット ルヴァンカップは敗戦となりましたがリーグ戦では良い流れが継続しています。チームの状況やご自身のコンディションについて教えてください。
A、内容の素晴らしい試合も多いですし、無失点が続いていることがすごく良いと思っています。僕自身もすごくコンディションが上がってきている段階で、すごく良いパフォーマンスが出せていると思っています。
Q、ルヴァンカップの水戸ホーリーホック戦や前節の東京ヴェルディ戦のように相手に引かれた試合では、持ち味のドリブルを生かすスペースがないように見えました。
A、別に必ずしも仕掛けなければいけないということではないですし、結局はチャンスを作ったり勝てればいいので、チームに求められる役割に徹することが重要です。時には中に入ったり色々なプレーをやること。例えば、東京V戦のクロスボールでチャンスを作れた場面のように中に入っていってパスを出すこともできれば、よりいつもと違うプレーができるのではないかなと思っています。
Q、強引に行き過ぎずクロスボールを選択した場面では、どのようなプレーの判断があったのでしょうか。
A、ドリブルで仕掛ける時に相手も無理に突っ込んではこないですし、すごく引いて距離をとってくることが最近ずっと続いていたので、そこで無理に仕掛けるよりはゴール前にクロスボールをあげた方がより確率は高くなるな、という自分の中での判断です。相手と対峙していて縦を警戒しているのが分かりますし、そこに無理に付き合わないということも、自分の中では一つの成長した点なのではないかなと思っています。
Q、どのようなプレーの選択だとしても、ゴールは常に意識しているということでしょうか。
A、ゴールへのこだわりがなくなったわけではないですし、名古屋グランパス戦のゴールのように、常に狙ってはいます。チャンスがあればあの距離からのシュートやプレーも出せる時は出していきたいと思っています。連戦ですが、勝利の流れを続けていきたいと思います。前節はアシストで結果を出せたので、次の試合では点がとれるように頑張ります。
Q、次節、柏レイソル戦に向けた意気込みについて教えてください。
A、東京V戦は退場者が出たこともありましたが、あそこまで自分たちがボールを保持してシュートに行く展開に持ち込めたのはすごくプラスだと思っています。次の対戦相手の柏はすごくボールを回して良いサッカーをしているチームですが、そうした相手に対しても球際の部分で勝って、11人対11人のなかでも自分たちが主導権を握る展開にしていけるのが理想だと思っています。柏相手にも東京V戦くらいやれるようにならないと優勝はできないと思っています。
キム スンギュ選手

Q、5試合連続でのクリーンシートでの勝利はクラブとして記録に残る数です。
A、それは、チーム全体がこれまでしっかりと積み上げることを怠らずに頑張ってきた結果だと思っています。目の前の試合に全力を尽くして常に試合に臨んでいます。そういった少しずつの記録が積み重なり、今の連勝があります。これからも継続していくことが、私たちがより強くなるために必要なことだと思っています。
Q、守備の組織がかなり強固なものだと思います。ディフェンスの選手とはどのようなコミュニケーションを心がけていますか。
A、ディフェンスの選手たちと長い時間をかけて足並みを合わせてきました。結果として、お互いが望むプレースタイルをよく理解し、試合中にはわざわざ言葉にしなくても、どんなプレーを望んでいるのかが分かるようになりました。ですが、相手のアタッカーやチームスタイルについては常に変化が伴います。相手チームの対策や狙ってきているところの共有などは、試合前や試合中にもしっかりと話しています。状況に応じてしっかりと対応できるようにしていきたいです。
Q、攻撃でも起点になるシーンが多くあります。
A、私たちのチームがめざすサッカーは、ボールを簡単に失ってしまうと難しくなるサッカーです。なので私自身ができるだけ簡単にボールを失わないように、そして良い形で起点になれるように、チームメイトにボールをつなげられるように意識をしています。その結果が得点につながることは嬉しいです。攻守どちらでもチームの勝利に貢献できることは、非常に嬉しいです。
Q、次の対戦相手である柏レイソルは前節で名古屋グランパスに負けていますが、非常に好調なチームです。印象を教えてください。
A、チームのスタイルも明確で、試合ごとに複数得点しているチームです。非常に攻撃に優れたチームだと思っています。そして後半に得点が多い傾向にあるチームなので、試合が終わるまでチームとして準備してきたスタイルのまま、結果を出させないようにプレーすることが重要です。試合中に、集中力が落ちてくる最後の時間帯にチームがより集中できるよう、後ろから東京が勝利するために必要な部分をしっかりと伝えていきます。
Q、ファン・サポーターへのメッセージをお願いします。
A、いつも勝利するために準備していますが、試合で結果が残せなかった時も大きな応援をしてくださり、私たちにとってとても大きな力になっています。シーズン序盤に、チームの力になれなかった時も大きな応援をいただいた分、試合でそのすべてをお返しできるよう頑張ります。引き続きよろしくお願いします。




