【浅くなる海 VS 深い海】浅くなると、津波は?【津波シミュレーション Vol.3】
浅くなる海 VS 深い海。同じ高さ(10cm)の波を、だんだん浅くなる海(水深4000m → 100m)と、深いままの海(水深4000m)で同時に進めたシミュレーションです。
浅くなると、波は遅くなります。深い海では時速約710kmだった波が、水深100mの所では時速約110kmまで落ちました。
そして、波はだんだん高くなります。水深100mの所で、波の高さは約2.4倍(10cm → 24cm)。深いままの海の波は、速さも高さも変わりません。
浅くなると津波は、遅く、そして高くなる。ただし、岸での高さは海岸や海底の地形で大きく変わります。この動画は沖の海での変化で、岸での高さや陸に上がる津波は計算していません。
実際の避難は、気象庁・自治体の情報に従ってください。
シミュレーションのリクエストは、コメント欄へどうぞ。
■ この動画のシミュレーション[計算結果]
・海(上): 0〜200kmは水深4000m、200〜400kmで水深100mまで一定の傾きで浅くなり、400kmより先は水深100m
・海(下): ずっと水深4000m
・波: 高さ10cm・幅(σ)30kmの山を、90kmの所に右へ進む波として置いた(上下とも同じ)
・速さ: 水深4000mで時速713km、水深100mで時速113km(画面とテロップは10km単位に丸めて710km・110km)
・高さ: 上の波の山が水深100mの所(400km)に着いたのは約38分後。そのときの高さは23.9cm(最初の2.39倍)。下の波は10cmのまま
・「グリーンの法則」(波の高さは水深の4乗根に反比例する)で見積もると (4000 ÷ 100)^(1/4) = 2.51倍。計算はこれより少し低く、斜面で波の一部がはね返った分と考えられます
・確認: 別の斜面で、計算とグリーンの法則が2.6%以内で一致することを確かめました。水の量の収支の誤差は1×10⁻¹⁶程度
・動画は185倍速(途中で倍率は変えていません)。最後は一時停止
■ 見方
・線形長波方程式(浅水方程式)で波の動きを計算しています。波を手で描いてはいません。立体の図は、1次元の計算結果を奥行きの向きにそのまま伸ばして描いたもの(まっすぐ横に長い波)で、奥行きの幅は見た目のためです。
・津波のように波の長さが水深よりずっと長い波は、速さが √(重力加速度 × 水深) で決まります。浅くなるほど遅くなります。
・浅くなって波が遅くなると、波の長さが縮みます。同じエネルギーが短い長さに集まるので、波は高くなります。
・海面の上下は30万倍、深さは25倍に拡大して描いています。
・この計算は、波が崩れる(砕波)・陸に上がる(遡上)を扱わない線形の計算です。岸での高さや浸水の深さは、海岸の地形や湾の形などで大きく変わり、この動画からは分かりません。
・海の深さと斜面は説明用の設定で、特定の海や地域の予測ではありません。
■ 参考文献
・浅くなると遅く、高くなる
気象庁「津波発生と伝播のしくみ」
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/jishin/tsunami/generation.html
・グリーンの法則
Green, G. (1838) On the motion of waves in a variable canal of small depth and width. Transactions of the Cambridge Philosophical Society, Vol. 6.
※この動画の数字を、上の資料・研究が実証しているわけではありません。
■ シリーズ「津波シミュレーション」
Vol.1 浅い地震 VS 深い地震
Vol.2 深い海 VS 浅い海
Vol.3 浅くなる海 VS 深い海(この動画)
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