TBS CROSS DIG with Bloomberg
(ブルームバーグ):イーロン・マスク氏は20日、衛星、ロケット、AIの複合企業、米スペースXの決算説明会で、同社と電気自動車(EV)大手テスラが合併の可能性を検討するため特別委員会を設置したことを確認し、注目を集めた。
【写真を見る】テスラとスペースX合併実現なら、マスク氏の資産17兆円余り上乗せも
マスク氏は「われわれはほぼスーパーインテリジェンス(超知能)のシンギュラリティー(技術的特異点)に差しかかっている」と述べるとともに、「協力することで得られるものは大きい」と語った。
合併の具体的な条件次第では、両社の最高経営責任者(CEO)を務め、報酬パッケージを付与されているマスク氏自身にも大きな利益をもたらす可能性がある。
ブルームバーグ・ビリオネア指数の推計によると、両社が統合すれば、報酬パッケージで本来は2028年まで確定しないテスラ株の権利確定が前倒しされ、マスク氏の資産に1100億ドル(約17兆4000億円)超が上乗せされる可能性がある。
さらに、合併時のテスラの評価額次第では、本来なら報酬の支給に必要となる事業上の目標をテスラが達成しなくても、マスク氏の2025年の報酬パッケージからさらに数十億ドルを得られる可能性がある。
テスラとスペースXにコメントを要請したものの、返答は得られていない。合併協議の報道とスペースXの好調な四半期決算を受けて両社の株価が上昇し、マスク氏の資産は21日に600億ドル超増加した。
■野心的目標
テスラは昨年、マスク氏(55)に過去最大規模の報酬パッケージを付与した。全額を獲得した場合の価値は約1兆ドルに達する可能性がある。期間は10年間で、人型ロボット「オプティマス」100万台の納入、ロボタクシー100万台の商用運行、車両2000万台の納入など、野心的な業績目標が設定されている。
これらの目標には、2兆-8兆5000億ドルの時価総額目標も組み合わされている。事業面と時価総額の目標はいずれもまだ達成されていない。
大半の経営幹部向け報酬制度と同様、マスク氏の報酬制度にも「支配権変更(COC)条項」が設けられている。合併後、テスラの既存株主が存続会社またはその親会社の議決権の50%未満しか保有しない場合、合併によってこの条項が発動する可能性がある。現在のスペースXの企業価値がテスラを約3分の1上回ることを踏まえると、そうした結果は十分あり得るが、最終的には取引の仕組みに左右される。
