マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)がF1と主催者に対し、サーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)の路面の激しい凹凸を放置すれば、ドライバーたちが脊椎にさらに深刻なダメージを負うことになると警告した。
今週末の2026年F1第18戦アメリカGPを前に、路面の一部は再舗装された。だが、フェルスタッペンは表面的な補修では不十分だと主張し、時間や費用をかけてでも路面下の地盤を改良するなどして抜本的に対策するよう求めた。
脊椎に9G超の衝撃、検査結果に懸念
イギリスの専門メディア『The Race』によるとフェルスタッペンは、昨年の走行で身体に受けた負荷をこう説明した。
「コーナーでは5〜6G位かかっていたけど、縦方向では、脊椎に9Gを超える衝撃を受けることもあった。本当にきつい。特に年齢を重ねるほど、そういうことを考えるようになる」
また、具体的な診断名には言及せず「脊椎の検査を受けたけど、下の方はあまり良い状態じゃなかった」とも明かした。
「レースやスポーツに、そういう面があることは分かっている。でも、ここ数年のマシンの影響で負荷が蓄積しているのも事実だ。今後もこういう路面で走ることを許し続けるなら、もっと大きなダメージを負うことになる」
「身体へのダメージがもっとひどいスポーツは他にもある、って言う人もいるかもしれないけど、だからこそ僕はそういうスポーツを選ばなかったんだ!」
Courtesy Of Red Bull Content Pool
パドックを歩くマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、2026年10月22日(木) F1アメリカGPメディアデー(サーキット・オブ・ジ・アメリカズ)
掘り返してでも対策を、抜本的改修を要求
2012年の開業以来、COTAの路面はF1とMotoGPの双方で長年にわたり問題視されてきた。これは、オースティン付近に広がる粘土質の土壌と、それに起因する地盤沈下が原因であるため、根本的な解決は難しく、2022年を含め、これまでに幾度となく再舗装を含む改修が行われてきた。
今年のF1開催に向けては、ターン9の入口からターン11の入口までが再舗装され、ターン12とターン19の進入部分でも凹凸をならす作業が実施された。
それでも、フェルスタッペンは先月開催されたFIA世界耐久選手権(WEC)の走行を見て、依然として路面のバンプが「ものすごく激しい」と感じたという。コースのレイアウトや開催地を高く評価する一方、路面の状態は受け入れられないと訴えた。
「土壌が問題だという言い訳はできるかもしれないけど、それは最初から分かっていたはずだし、もっとしっかり地盤を補強しておくべきだったんだ」
「これまでも、色んな場所で路面を削るような補修は行われてきたけど、大きな問題に絆創膏を貼っているに過ぎない。問題は路面の下にあるわけで、本来はそこに対処しなきゃならない」
コースを掘り返す必要があるとしても、地盤の補強・改良工事に取り組むべきだとも主張した。
「多大な費用と時間がかかるだろうけど、この凹凸をなくすには、それしかない。自然な路面の起伏という範囲を超えて、手に負えない状態になっているんだから」
カレンダーに広がる路面問題、裏には技術規則も
フェルスタッペンは、COTAを特に深刻な例として挙げつつも、路面の問題は他のサーキットでも発生しているとして、F1が本腰を入れて取り組むべき問題との考えを示した。
2022~2025年のグランドエフェクトカー時代には、低い車高と硬い足回りが要因となり、ドライバーたちはそれまで以上に路面のバンプに翻弄された。
一方、今季は新たな技術規則に基づく新世代マシンが導入されているものの、コーナリング中の車高は前世代よりさらに低く、前後のウイングが閉じた状態でのブレーキング時には、車体が沈み込んで底打ちすることがある。
ジョージ・ラッセル(メルセデス)は、舗装が剥がれたり崩れたりするサーキットがあるとして、F1を開催するサーキットは数年おきに再舗装すべきだと主張した。
「僕らはインディカーやF2のように、比較的高い車高で走っているわけじゃない。F1マシンの車高はストレートの終わりで10mmほどしかない。だから、僅かな凹凸でも強く感じるんだ」
さらに、18インチホイールへの移行でタイヤのサイドウォールが低くなったことで、タイヤが従来担っていた衝撃吸収の働きが「ほとんど失われた」とも指摘した。
ランド・ノリス(マクラーレン)はCOTAの路面について、現在のF1基準から大きく外れているとの見方を示しつつ、次のように語った。
「かなり酷い。単純に路面がものすごくバンピーで、ヘッドレストなんかに頭をかなり強く打ちつけるから、走る前に頭痛薬を飲まなきゃならない場所がたくさんあるんだ」
「気持ちのいいものじゃない。でも、僕らにできることはあまりない。何度も何度も問題を訴えてきたけど、不満を言い続けるにも限界がある」
