【舛添直言】国債も大幅下落、来春の大統領選はフランスの大きな転機に
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舛添 要一
国際政治学者
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2026.10.24(土)
フランスのマクロン大統領(写真:Le Gonidec Margot/ABACA/共同通信イメージズ)
フランスでは、高校生の抗議活動が55万人が参加する大規模デモとなった。そして、その一部が暴徒化し、パリなど各地で商店が襲撃され、商品が盗まれている。デモ参加者の約1200人が拘束された。背景にあるのは、生活費の高騰などに対する国民の不満である。
しかし、政府の対応は遅れている。フランスの財政赤字は深刻な状況となっている。歳出削減と歳入増加を図らねばならないが、選挙で国民の代表を選ぶ先進民主主義諸国においては、それは容易ではない。特に、政権基盤が不安定な弱小政権ではそうである。
来年春には大統領選挙が行われる。極右か極左の大統領が誕生する可能性がある。
コロナ前に吹き荒れた「黄色いベスト」運動
2018年11月に始まった「黄色いベスト」デモは、軽油とガソリンの燃料税の引き上げに反対するためであった。そのため、即座にマクロンはこれを撤回した。しかし、デモ隊はそれだけでは満足せず、生活条件の大幅な改善を求めて、デモを続けていった。要するに、彼らは、マクロンの進める構造改革に反対したのである。
マクロンは、金融界出身だけにフランス産業の活性化、国際競争力の強化に資する政策パッケージを打ち出した。
具体的には、2017年に解雇を容易にする労働法改正を実行した。法人税の引き下げを行い、33.3%から段階的に下げ、2022年には一律25%とした。また、富裕税を廃止し、金融所得への一律課税(フラットタックス)も導入した。
この改革は富裕層優遇だと批判され、黄色いベスト運動を引き起こす要因となった。
マクロンは、減税による経済活性化で、最終的に税収を増やすことを狙ったが、歳出削減が進まず、また新型コロナウイルスの感染拡大もあって、政府支出が増大し、財政赤字が拡大した。
さらに、マクロンは、2017年の大統領就任時に、公務員天国にメスを入れるために、「5年間で公務員12万人を削減する」ことを公約した。しかし、これには国民が反発し、黄色いベスト運動を引き起こした。そこで、2019年には、この公務員削減計画は撤回・縮小された。
地球温暖化対策のための燃料税引き上げであったが、これは、とくに公共交通機関の発達していない地方の家計を直撃し、猛反発を招いた。黄色いベスト運動のデモ参加者の多くは地方から来たのである。
