アルピーヌF1チームのゲストとして2026年F1第18戦アメリカGPを訪れているジェレミー・クラークソンが、フランコ・コラピントはアルゼンチン国籍という理由でグリッド降格に値するとの発言をし、批判を浴びている。
BBCの自動車番組『トップ・ギア』の共同司会者として名を馳せたことで知られるクラークソンは、オースティンのパドックでイギリスの衛星テレビ局『Sky Sports』のインタビューを受け、アルピーヌの見通しについて冗談交じりに次のように語った。
「フランコはアルゼンチン人だからグリッド降格を受けたんだ……たぶんね。私なら、それを理由にペナルティを科す。ともかく、あそこに行った時の出来事があるからね」
コラピントが決勝で受ける10グリッド降格は、パワーユニット(PU)交換に伴うもので、今季4基目のPU補助コンポーネント(PU-ANC)を投入したことによるものだ。
2014年の撮影騒動に言及か
クラークソンの「あそこに行った時の出来事」という発言は、2014年に『トップ・ギア』の撮影でアルゼンチンを訪れた際の騒動を指しているものとみられる。
当時、撮影に使用した車両のナンバープレート「H982 FKL」が、1982年のフォークランド紛争を連想させるとして現地で抗議活動が勃発。クラークソンら番組制作陣は、パタゴニアでの撮影を断念する事態となった。
フォークランド紛争とは、南大西洋のフォークランド諸島の領有権を巡り、1982年4月に発生したイギリスとアルゼンチンの間の軍事衝突だ。同年6月、アルゼンチンは降伏文書に署名したが、以降も領有権を主張し続けている。
BBCとクラークソンは、このナンバープレートは偶然だったと主張している。
アルピーヌ声明、コラピント陣営からは批判
アルピーヌは今回の発言を受け、クラークソンの名前には触れず、チームの立場を明確にした。
「オースティンでチームのゲストが最近のテレビインタビューで行った発言については承知している。これらは個人的な見解であり、思いやりと敬意を重んじるチームの価値観とは一致しないことを改めて強調したい。フランコは我々のドライバーであり、全面的に支持している」
コラピントの共同マネージャーを務めるジェイミー・キャンベル=ウォルターも、クラークソンの発言を批判した。
「フランコの国籍に関するジェレミー・クラークソンの発言は、全く容認できない。誰の発言であれ、冗談のつもりであれ、F1にこのような発言が入り込む余地はない」
キャンベル=ウォルターは、誹謗中傷をなくすために取り組んできたこれまでの経緯を挙げ、F1を訪れる著名人にも責任ある言動を求めた。
「敬意は双方に必要だ。著名人によるこのような発言を容認しながら、ほかの人々に責任ある行動を求めることはできない。フランコと彼を応援する人々は、もっと敬意をもって扱われるべきだ」
「このような発言によって、これまで積み重ねてきた進歩を台無しにしてはならない。悪意のある発言に惑わされず、それを乗り越えていこう」
