LINE Digital Frontierは「ebookjapan」や「LINEマンガ」を展開するWEBTOON Entertainment傘下の企業だ。WEBTOON Entertainmentは、韓国・ネイバーが約61%、日本のLINEヤフーが約24%の株式を保有している(2025年6月4日時点)。撮影:小林優多郎
日本で生まれるマンガを、配信当日から世界の読者へ届ける。「LINEマンガ」や「ebookjapan」を運営するLINE Digital Frontier(以下、LDF)が、作品づくりへの投資と海外展開の連携を強める。
LDFは10月22日、日本発のオリジナルコンテンツに今後3年間で総額100億円規模を投じると発表した。マンガの世界同時配信と、AI翻訳を活用した個人作家の海外展開を軸に、自社制作、制作スタジオや出版社との共同制作、個人クリエイターの支援に積極的に投資していくとしている。
海外展開を支えるのは、親会社のWEBTOON Entertainmentだ。LDFは「Japan to Global」を掲げ、日本の作品づくりと、WEBTOON Entertainmentが持つ海外の読者基盤をつなぐ考えだ。
日本で作品を生み出す力を、世界で読まれ、収益を得る機会にどう結び付けるのか。発表会から、その戦略を解説する。

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「Global Drop」でマンガを世界同時配信
両社はグローバル展開に強みを持っている。撮影:小林優多郎
両社の連携で象徴的なのが「Global Drop」プロジェクトだ。これは、新作や人気連載作を多言語に翻訳し、世界の読者に同時に届けるプロジェクトで、2026年9月に始まった。
第1弾は、ウェブ小説を原作に韓国で制作された新作ウェブトゥーン『勇者の抒情歌(バラード)』で、2026年9月19日(日本時間は同20日午前0時)に9言語で配信が始まった。LDFとしてはこのような例を増やしていきたい考えだ。
『勇者の抒情歌』でGlobal Dropが実施された。撮影:小林優多郎
日本発作品では、ナンバーナインが手がける『暗殺勇者の天星航路』を12月に世界同時配信をすることがすでに決定している。LDFは2024年12月23日、ナンバーナインと資本業務提携契約を締結した。発表会では、LINE Digital Frontierの森啓社長がナンバーナインへの追加出資を明らかにした(金額は非公表)。
ナンバーナインとは2027年以降も新作を日本と海外で展開していく予定。他のパートナー企業の作品も順次、世界同時配信をしていく方針だ。
LINE Digital Frontierの森啓社長。撮影:小林優多郎
森社長は、ドラマやアニメ、映画では世界同時公開が一般的になっている一方「マンガでは翻訳にかかる時間やコスト、流通経路などが課題となり、世界同時配信は難しかった」と説明した。こうした課題をWEBTOON Entertainmentとの協力体制や、AI技術の活用で打開していくという。
世界同時配信には、海賊版対策の側面もある。正規版の公開が遅れるほど、その空白を海賊版サイトが埋めてしまう。配信のタイミングそのもので対抗する狙いだ。
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個人作家の作品も世界へ届ける
