マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)は、2026年F1第18戦アメリカGPで3位表彰台を獲得したが、レース内容には一切満足しておらず、「何ひとつ上手くいかなかった」とチームのレース運営やマシンを厳しく批判した。
第2スティントで再びソフトタイヤを投じる戦略的判断については「合意していなかった」と明かし、繰り返される無線不良には「手話でやり取りを始めた方がいいのかもね」と皮肉った。
サーキット・オブ・ジ・アメリカズで行われた決勝で、フェルスタッペンは2番グリッドからスタートし、序盤はアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)とトップを争ったが、ソフト、ソフト、ミディアムとつなぐ2ストップ戦略は機能せず、1ストップのアントネッリに対抗することはできなかった。
チェッカー直後、チーム代表のローラン・メキーズが無線で改善すべき点があったと認める中、フェルスタッペンは不満を並べ立てた。
「酷かった。ペースもそうだし、タイヤ選択も間違っていたし、クソみたいなピットストップも、クソみたいなエンジンブレーキもだ。何ひとつ上手くいかなかった」
ソフト再投入に合意なし「2ストップだとバレる」
フェルスタッペンは13周目、全22台の中で先陣を切って最初のピットストップに動き、再びソフトを装着した。この戦略的判断に同意していたかと問われると、否定した。
「いや、合意していなかった。理解できない。僕らが2ストップだと誰にでも分かってしまうというのに」
ドライコンディション下でのレースでは、最低2種類のコンパウンドを使用しなければならない。ソフト、ソフトと繋いだことで、レッドブルはライバルに手の内の一端を明かすこととなった。
第1スティントは同じソフトながら、アントネッリとほぼ互角のペースを刻んでいた。メキーズは、第2スティントではデグラデーションが「かなり大きかった」として、その理由を検証する必要があると説明した。
フェルスタッペンは、実際のレース状況より過去の経験を重視したために、チームは判断を誤ったとの見方を示した。
「ある時点で、ハードを履いている連中のグリップがかなり高かったのは明らかだった。僕らはその状況に、十分に対応できなかったんだと思う。直近2戦では柔らかいコンパウンドが最速だったから、その考えに固執しすぎたんだろう」
一方でメキーズは、どのような戦略を採用したとしても、アントネッリに太刀打ちできるだけのペースを得ることは難しかったとの見方を示した。
PUも不調、無線不良には皮肉「手話の方が安上がり」
戦略面のみならず、レース中にはマシンバランスと「あまりにも多いパワーユニット(PU)の問題」も重なった。PUのドライバビリティについては、フェルナンド・アロンソが頻繁に不満を示しているが、それは何もアストンマーティン・ホンダに限った話ではない。
「とにかく挙動が安定しなかった。あるコーナーではエンジンブレーキが足りなくて、そのまま前に進んでしまう。それなのに次のコーナーでは、突然エンブレがものすごく効くんだ。かと思えば、別の場面ではギアがうまく切り替わらないし、意味が分からない」とフェルスタッペンは苛立ちをにじませた。
無線を通したピットウォールとのやり取りにも支障が生じた。フェルスタッペンは「今年、何度目なんだか。もう、手話でやり取りを始めた方がいいのかもね。そのほうが安上がりだろうし。散々だよ。正直、本当にフラストレーションがたまる」と語った。
レッドブルは直近2戦連続で無線の問題に見舞われている。メキーズは、その原因を未だ究明できていないと認め、早急に解決したいとの意向を示した。
「当然、我々は他のチームの無線も聞くことができるが、想定以上に苦労しており、この問題によって、チーム全員の仕事が非常に難しくなっている」
スタート失速問題、改善は2027年に
スタート時にも2台のRB22は問題に見舞われ、蹴り出しで遅れを取った。
特に、3番手から5番手まで順位を落としたアイザック・ハジャーは苛立ちを隠さず、自身は手順を完璧にこなしたと主張し、クラッチを再設計するようチームに求めた。
だが、スタートはクラッチだけでなく、エンジンやギアボックスなど、さまざまな要素の組み合わせに左右される。
そのためメキーズは、今季中の解決は望めないと指摘。今後も改善を続けていくが、「その成果が見られるのは来年になるだろう」と語った。
2026年F1第18戦アメリカGP決勝では、アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)がポール・トゥ・ウインで今季9勝目を挙げた。2位はシャルル・ルクレール(フェラーリ)、3位表彰台にはマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が滑り込んだ。
エルマノス・ロドリゲス・サーキットを舞台とする次戦メキシコGPは、10月30日のフリー走行1で幕を開ける。
