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    (CNN) 米テネシー州で1カ月前、薬物注射による死刑執行を受けながらも生き延びたクリスタ・パイク死刑囚(50)が、初めて公に心境を明かした。快方に向かっているものの、「治癒することと平静を取り戻すことは違う」と訴えている。

    「あの夜以来、一瞬たりとも痛みが消えたことはない。体が痛い。腕も手も、のども痛む。今でも話すのがつらい」。パイク死刑囚は弁護士に口述したとされる書面でこう訴え、「体だけの痛みではない。心にも、魂にも痛みを抱えている」と打ち明けた。

    パイク死刑囚は先月30日、1995年に同級生だったコリーン・スレマーさんを殺害した罪で死刑執行を受けたものの、薬物ペントバルビタールを2回投与されても絶命せず、病院へ搬送された。執行失敗の直後は人工呼吸器につながれ、弁護士も助かる見込みはないと考えていたが、意識を取り戻し、介助を受けながら会話や歩行するまで回復した。

    母親が提供した殺害されたコリーン・スレマーさんの写真。撮影日次不詳/May Martinez/AP
    母親が提供した殺害されたコリーン・スレマーさんの写真。撮影日次不詳/May Martinez/AP

    声明によると、パイク死刑囚は刑の執行により「死ぬ準備」ができていた。しかし現実には「混乱と痛みの中、病院でひとり目を覚ました」という。

    死刑執行の失敗後、パイク死刑囚のコメントが公に伝えられるのは初めて。米非営利団体「死刑情報センター」によると、刑の執行で致死薬を投与されながら生き延びた人は、これまでにパイク死刑囚しかいない。

    死刑執行の失敗を受け、被害者スレマーさんの遺族は憤りをあらわにした。遺族は以前、パイク死刑囚の容体ばかりに注目が集まり、被害者が忘れられていると訴えていた。

    被害者の母親は数週間前、CNN提携局WTLVに「州は私にきちんと謝罪すべきだと思う」と語った。弁護士によると、パイク死刑囚は10日間の入院を経て今月上旬に刑務所へ戻ったものの、その後も医療措置を受けているという。

    パイク死刑囚は30日の声明で、「あの夜以来、刑務所の医療施設でほぼ隔離されている。ほかの人から遠ざけられ、私にとって大切な人とのつながりを断たれた状態だ」とコメント。「そうした隔離には特有のつらさが伴う。私は28年間、独房で過ごしてきた。今経験していることの多くは、あの頃の繰り返しだ」と訴えた。

    パイク死刑囚の弁護士は30日、刑務所の医務室で続く「無期限隔離」の解除を求める緊急申し立てを行った。パイク死刑囚は今月上旬に退院して以来、「ほかの受刑者との接触を一切断たれている」とされる。

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